クロとシロの囲い屋敷 の商品レビュー
予言めいた遺言書。孤島。変な館。しかも「芦屋家」って! これは読むしかないでしょ、なミステリ。オカルト要素が絡んではくるけれど、本格要素もあり。 読んですぐに気付くけれど、登場人物たちの名前がかなり特異。そしてそこから連想できるオカルト要素に、なるほどそれか、と驚嘆。次々起こる...
予言めいた遺言書。孤島。変な館。しかも「芦屋家」って! これは読むしかないでしょ、なミステリ。オカルト要素が絡んではくるけれど、本格要素もあり。 読んですぐに気付くけれど、登場人物たちの名前がかなり特異。そしてそこから連想できるオカルト要素に、なるほどそれか、と驚嘆。次々起こる事件とその真相は意外とシンプルな王道ミステリだけれど。やっぱりこういうのは好きだなあ。
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表紙のイラスト化で売り上げを伸ばそうとする傾向にある昨今ですが、こちらは角●ホラー文庫にあやかろうというのかしら?というような竹書房のタソガレ文庫。たまに冒険してみるのもいいかと、横溝ばりのあらすじが気になったので購入。 予言めいた遺言書。一族兄弟と妊婦。孤島に召還された作家と双子の便利屋。四方を囲まれた蔵。「究極の館モノ怪奇ミステリ!」なんて銘打たれているし、これだけみれば確かに。しかし、角●ホラーの後追いならばミステリではなくホラー要素なのだろうと思って読んでいたので、それで正解。ミステリはあくまでロジック、ホラーは超現象含むという自分の定義なので。 あとどうでもいいことなのだけど、本文用紙がちょっと厚めで真っ白なのがどうも気になってしまった。眩しい…。 謎の双子シロクロが赤目と青目とかあまりにキャタクターっぽい上に、最終的に予想の斜め上をゆく飛び道具だったので、ちょっとついていけなくなりそうになったんですが、どうにかしがみつきました(苦笑)。 どうしても「ヘタレ作家は助手ポジション」という刷り込みがあるので、ヘタレ作家が探偵役になっているとどうも違和感を感じてしまう旧世代です(苦笑)。 真相に関しては予言と名前あたりから何となくそれにひっかけているのかとは思ったものの、まさかど真ん中でくるとは思わず。いろいろ詰め込んではいるものの、決して無理な詰め込みではない範囲だと思うのだけど、このページ数では勿体ない。一族の過去とか縁の心象とかシロクロと本筋の絡め方とか、要所要所をもう少し掘り下げれば、もうちょっと説得力を持ってまとめられたんじゃないかなとちょっと残念。うまくすれば夏彦ばりのニュアンスもいけそうなのだけど…さすがにそれはあのくらいの技量が無いと無理か…。 作中での「殺人」に対する重みというのは、ホラーであれば理不尽な程それらしいけれど、ミステリであるなら重い程それらしいと思う。この作品の「殺人」部分はあくまでミステリとしての殺人なので、そういった部分もちょっと薄い。 全体の雰囲気や流れ自体は破綻していないと思うので、センスはいいのだけれど、いかんせんもうちょっと。惜しい。もしシリーズにするならば、1冊ずつ着実に成長が見られるなら3冊くらいは確実にいけるはず。同じようなら2冊目はきついかなあという所。でも個人的には今後に期待を望めるような印象だったので、ハズレではなかった。うん。
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