三百年の謎匣 の商品レビュー
依頼人から預かった黒に近い革の表紙を持った書物。依頼人はその後すぐに不思議な状況で殺害されてしまう。その書物には過去の6つの物語が記されている。 現代のことを書いてある文章はなんだか読みにくいと感じていましたが、過去の物語の文体は違和感がなく、こちらにあった文体の作家なんだと納...
依頼人から預かった黒に近い革の表紙を持った書物。依頼人はその後すぐに不思議な状況で殺害されてしまう。その書物には過去の6つの物語が記されている。 現代のことを書いてある文章はなんだか読みにくいと感じていましたが、過去の物語の文体は違和感がなく、こちらにあった文体の作家なんだと納得しました。 6つの物語にはそれぞれ一つずつ未解明の謎が残されています。 最後の謎解きで、その共通点が明かされ、現代の事件との共通点もあります。全ての伏線を回収します。 こんな物語を創れるなんて、やっぱり、作家って凄いな。
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東方の国にたどり着いた男の奇譚、海賊が跋扈する海洋活劇、革命の秘話、黄金郷を巡る秘境探検、ウェスタンの決闘、飛行船で起こる殺人事件。歴史に基づいた謎が現代の謎と絡み合い解き明かされる。 娯楽小説の醍醐味。ミステリの可能性の素晴らしさ。面白い!
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億万長者の老人が遺言作成の為に法律事務所を訪れ、その帰り道に殺害される。老人は法律事務所に一冊の古めかしい本を託していた。その本に書かれた内容は18世紀初頭から20世紀にかけて世界各所の様々な人によって語り継がれた多彩な物語だった。 本の物語は、作中作的なメタフィクションの体を成...
億万長者の老人が遺言作成の為に法律事務所を訪れ、その帰り道に殺害される。老人は法律事務所に一冊の古めかしい本を託していた。その本に書かれた内容は18世紀初頭から20世紀にかけて世界各所の様々な人によって語り継がれた多彩な物語だった。 本の物語は、作中作的なメタフィクションの体を成している。 夫々のエピソードは、作り物であることを知りつつも、子供の頃に味わった心が弾む躍動感を彷彿させるような物語。著者のあとがきにも、物語や映画へのオマージュと語っているが、まさにそんな感じ。 ただ夫々の物語は、バラバラで脈略の無い物のように思わせるが、ラストには現代と過去も含めて全てが繋がる爽快感が味わえる。
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作中作であり、連作。 プロットがおもしろく、内容もミステリー・SF・西部劇・海賊とてんこ盛りなのに きちんとおおもとの謎も解き明かして、 わくわくしながら読めた!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
森江弁護士事務所を訪れた玖珂沼老人。全財産を孫の神山美奈穂と神山悠介に残すと遺言を作成した玖珂沼老人。その帰宅途中に何者かに殺害される。袋小路の現場には玖珂沼老人の足跡も残っていない密室状態。何者かに狙われていると訴える神山姉弟。玖珂沼老人の弟の失踪。玖珂沼老人が残した謎の本。内容はある人物の異国での滞在と殺人事件から始まり、海賊、アフリカ、西部劇などの物語。本の内容から事件を紐解く森江春策。
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