エジプト十字架の秘密 の商品レビュー
新訳で再読を再開。 T字路のT字形の標識に頭部が切り落とされた遺体が磔にされるという猟奇的な事件。俺たちゃ裸がユニフォームと言いたげな全裸宗教団体とのトラブル。レーシングカー、デューセンバーグで疾走するエラリー・クイーン。ワクワクする要素がてんこ盛り。 一つのミスから犯人が特定さ...
新訳で再読を再開。 T字路のT字形の標識に頭部が切り落とされた遺体が磔にされるという猟奇的な事件。俺たちゃ裸がユニフォームと言いたげな全裸宗教団体とのトラブル。レーシングカー、デューセンバーグで疾走するエラリー・クイーン。ワクワクする要素がてんこ盛り。 一つのミスから犯人が特定されていく点は素晴らしい。
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国名シリーズ第5弾。読む順番めちゃくちゃだけど、たぶん国名シリーズはあんまり順番とか気にしなくていいのではと思ってる。どうかな? パイプのトリックとかのクイーンならではのロジックはちょいちょい出てくるけど、復讐に燃える怪しい人物、首なし死体×4、怪しいカルトとよろめく夫人、派手な追跡劇、ときて、あれ、本格じゃなくてサスペンス?クイーンだよね?思ってたんと違う…?と思いきや、最後の最後に1発ドカンのヨードチンキの瓶。いやー面白かった。
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猟奇的にどんどん人が殺されていく、刺激強めな展開。スケールの大きな追跡劇もあり、全編通して飽きさせない。 最後の謎の究明が決定的となり、すべての解決に帰結する展開が鮮やかでした。
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たった一つの事柄で犯人を特定する。あまり重要でないと思っていた事が、かなり重要な事だと知って、自分はまだまだだなと思いつつ、エラリーの推理に心酔した。
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エラリー・クイーンのいわゆる“国名シリーズ”の第5作、1932年刊行。角川文庫2013年出版の、越前敏弥・佐藤桂による新訳版。 国名シリーズは、2010年代に二つの出版社から異なる翻訳家による新訳版が出ていてどっちを読むか迷ってしまう(贅沢な悩み!)のだが、越前敏弥さんがエラリー...
エラリー・クイーンのいわゆる“国名シリーズ”の第5作、1932年刊行。角川文庫2013年出版の、越前敏弥・佐藤桂による新訳版。 国名シリーズは、2010年代に二つの出版社から異なる翻訳家による新訳版が出ていてどっちを読むか迷ってしまう(贅沢な悩み!)のだが、越前敏弥さんがエラリー・クイーンについて語るオンラインイベントのアーカイブ動画など見てしまってとても楽しかったので、基本路線はこっちでいく所存。 以下備忘メモ。 ・ハリウッド映画みたい。猟奇的な殺人現場、裸体主義者たち、カルト宗教、複雑なトリック、派手な追跡劇。 ・エラリーの愛車はデューセンバーグ。画像検索して、ああこういうやつかと。これまた映える。 ・好きなシーン。 ①プールではしゃぐエラリー。 ②捜査が進まず、弱音を吐くエラリー。 ③とある人でなしを懲らしめにぶん殴りにいくヴォーン警視。 ④大詰め、父と再会してはしゃぐエラリー。 ・解説も楽しい。人気が出て思ったよりエラリーの活躍期間が長くなったため、初期作品で語られた設定に無理が出てきてじわじわ設定変更していることとか。デューセンバーグがどんな良い味出してるかとか。
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絶対的名探偵の登場する、古典的ミステリが読みたかった。 有名なクイーンの作品を子どもの頃に読んだという人は多いかもしれない。しかし実のところ、ホームズやクリスティ、横溝正史等は夢中になっていたが、どういうわけか私はクイーンは読んでいなかった。 これまでに国名シリーズの「ローマ帽子」「ギリシャ棺」は既読。3作目になる。解説によると、国名シリーズの中では、「ギリシャ」と並び評価の高いものということだった。確かに面白い。これも解説の受け売りになってしまうが、トリックの大胆さ、ロジックの鮮やかさを両立させることに成功している。また、陸・海・空と場面に動きがあり、いわゆるクローズドサークル的ではなく、名探偵自ら縦横に、果敢に行動していく様も躍動感があって良い。 ただ、以前にもどこかで書いたが、大胆なトリックVS緻密なロジックということであれば、私は個人的に後者が好みで、あっと驚くよりも解決に導く道筋の明快さ、鮮やかさでなるほどすとんと腑に落ちたい。 その意味で最終局面のわずかなほころびから論理的に犯人を指名する本作のエラリーの推理もやはりかっこいい。そしてトリックは・・驚きはしたが、トリックが大仰になると、犯人がそこまでするかな?とも思ってしまうのだった。 他にロジックでかっこよかったのは、「月光ゲーム」の江神さんだろうか。理系の方とか、もっと頭の良い人なら、もしかして推理小説の矛盾を突くことができるかもしれないが、ここでいうロジックというのは、あくまでフィクションとしてのものだと私は思う。 そして自分の考える理想の名探偵像を再確認したいという目論見は見事に達成された。勝手なことを言うが、探偵小説は、やっぱりある程度約束事というか一定の枠組みの中で成立してほしい。クローズドサークルや見立て殺人など、実際には起こり得ないとか、そういうことを言っても始まらない。事件があって、かっこいい名探偵がいて、必ず解決してくれる。私は正直なところそういう様式美のようなものだと思っていて、細かいあらや「他の正解」を探して回るのは趣味じゃない。 そのうち大好きな名探偵リストを書きたいと思った。青山剛昌先生にほとんど挙げられているだろうが・・
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確実に面白い古典はとっておく方針だったけれど、殊推理小説に限ってはガンガン読むべきだったか。 首がなければ入れ替わりを疑え、その常識を叩きこんでからクビキリサイクルを読んだらどんな気持ちになれたろう。 ホームズよりもコミュニケーション能力が高いところが好き。(訳によるとは思う)
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首を切断され、十字架のように磔にされた遺体。ギリシャを「穏」とするなら、エジプトは「激」の要素が濃い作品。なんと豪華な舞台装置・・・。謎めいた宗教団体に、異様な状態の遺体、姿なき復讐者。たまらんですなぁ。何回か読んでおりなかなかに派手めな作品にも関わらず、不思議と飽きず展開の一つ...
首を切断され、十字架のように磔にされた遺体。ギリシャを「穏」とするなら、エジプトは「激」の要素が濃い作品。なんと豪華な舞台装置・・・。謎めいた宗教団体に、異様な状態の遺体、姿なき復讐者。たまらんですなぁ。何回か読んでおりなかなかに派手めな作品にも関わらず、不思議と飽きず展開の一つ一つに感心しながら読んでしまいます。目まぐるしい捕り物帳の末、意外な犯人が示されまして、なんと気の利いたラストシーン。いや、もう大好き(笑)そして、デューセンバーグで法定速度外でぶっ飛ばすエラリーのかっこよさ(≧∇≦)惚れる。
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緻密に組まれたトリックが、美しさを感じさせる小説だった。 途中までは、なかなか進まない展開にイライラしていたが笑、後半の追い上げが素晴らしかった。 国名シリーズを是非制覇したいと思う作品だった。
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古い作品だから……などと油断していると足元を掬われます。そこはやはりクイーン。一筋縄で行くわけがありませんでした。 第一の殺人において、ミステリを読んできた読者なら思い浮かぶ疑惑を、とある一幕を差し込むことで、巧みに誤導している部分がすばらしい。 やがて第二、第三の事件がおきても...
古い作品だから……などと油断していると足元を掬われます。そこはやはりクイーン。一筋縄で行くわけがありませんでした。 第一の殺人において、ミステリを読んできた読者なら思い浮かぶ疑惑を、とある一幕を差し込むことで、巧みに誤導している部分がすばらしい。 やがて第二、第三の事件がおきても事件は混迷を極めるばかり。 ここでもキーポイントとなってくるのはやはり頭の無い「T」に準えられた死体。 そして、スリリングなエアーチェイス(?)の末、解決編が訪れます。 そこで明かされる真相は、今までミステリを読んできたのに、なぜ気付けなかったのかと自分を殴りたくなるようなものでした。しかし、振り返ってみるとそれを隠すために、沢山の目眩ましを用意し、構造を複雑なものにしていることに気付きました。 ここら辺が、傑作と現代まで伝えられている由縁なのかなと。 越前氏の訳も読みやすくオススメです。
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