内務省の政治史 の商品レビュー
黒澤良『内務省の政治史 集権国家の変容』藤原書店、読了。殖産興業と厚生労働から刑事まで--「省庁中の省庁」と称された巨大官庁・内務省。本書は誕生から解体まで74年にわたる足跡を広汎な資料から読み解き、支配の中枢に位置した内務省の実態と権力のメカニズムを明らかにする一冊。 巨大な...
黒澤良『内務省の政治史 集権国家の変容』藤原書店、読了。殖産興業と厚生労働から刑事まで--「省庁中の省庁」と称された巨大官庁・内務省。本書は誕生から解体まで74年にわたる足跡を広汎な資料から読み解き、支配の中枢に位置した内務省の実態と権力のメカニズムを明らかにする一冊。 巨大な権限は行政を超え直接政治を動かし、思想統制の尖兵として機能した内務省は確かに戦時体制の象徴であったが、国益よりも省益(そして省益よりも局益)を優先する構造は弱点となる。内務省のたどった道は決して過去のものではない。本書は日本政治思想史における最新の労作だ。
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