数字を追うな統計を読め の商品レビュー
今年は国勢調査の年ということもあり、読み返しました。 統計は、政策立案、決定、評価の根拠になる。 できるだけ正確な統計を作るために、日夜、真摯に働いている方たちの姿が目に浮かぶ本でした。 投資家の投資判断の根拠にもなると思います。 第4章で紹介されている藻谷俊介さんのレポー...
今年は国勢調査の年ということもあり、読み返しました。 統計は、政策立案、決定、評価の根拠になる。 できるだけ正確な統計を作るために、日夜、真摯に働いている方たちの姿が目に浮かぶ本でした。 投資家の投資判断の根拠にもなると思います。 第4章で紹介されている藻谷俊介さんのレポートも印象的。 調査対象の狭い断片的統計(百貨店売上、短観、求人数等)と、包括的な標本調査である消費者物価指数、家計調査、失業率とでは、統計としての格が違う。と。 おもしろかったです。
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総務省統計局におつとめで、統計畑一筋の方が書いた本。数字をあつかう現場の苦労にも触れられていて共感しながら読んだが、全体としていまひとつ物足りなかった。もっとマニアックなネタがあるかと期待していたもので。 なお著者は大学の先生から「微積分よりも統計をやるほうが実地に役立つ」と勧...
総務省統計局におつとめで、統計畑一筋の方が書いた本。数字をあつかう現場の苦労にも触れられていて共感しながら読んだが、全体としていまひとつ物足りなかった。もっとマニアックなネタがあるかと期待していたもので。 なお著者は大学の先生から「微積分よりも統計をやるほうが実地に役立つ」と勧められたのがこの道に入るきっかけだったとか。なるほど。 でも政府の統計についての大まかな見通しを得るという意味では良い本。総務省は、国勢調査、消費者物価指数、家計調査、労働力調査など基幹的な統計調査を扱っている。たいがいの調査より標本数も多く(国勢調査は全数だし)、手間もかかっているようである。 ・政府の統計サイト「e-Stat」。これまで覗いた印象では使い勝手がイマイチなサイトだが、「地図で見る統計(統計GIS)」なんか面白そうだ。 ・労働統計の定義、たとえば失業率などはILOが国際標準を定めている。現在の失業率の定義は1984年に定められたもので、いま見直しが進められている。 ・5年後との国勢調査をベースに、そのあいだの動きは月ごとのフロー情報をとって「人口推計」(速報値&確報値)をつくっている。あらたな国勢調査が出ると「人口推計」もリバイスされる。 ・家計調査から、月ごとの日数および世帯人員の変動による影響を取り除いたのが「消費水準指数」。同様に死亡率なんかも年齢構成を補正してやらないと異時点間の比較ができない(標準化死亡率)。 ・「1989年2月の労働時間がなぜか短い」との問い合わせで調べたら、昭和天皇大葬の影響だった。意外と近い過去のことでも忘れられている。 ・調査票の設計、標本の交代、「無回答」の存在などが統計に大きな影響を与えうるので注意。 ・けっこう自由記述式の調査が多いらしい。聞きたい内容によっては選択肢の設定には限界があるし、選択肢の設け方によっては容易にバイアスが生じる。プロが調査票を読み取って記号化するほうが優れているということか。そのため品質管理が大事になる。 ・なんかヘドニックはしぶしぶ導入したっぽい書きぶり。 ・CPIのための小売物価統計調査では銘柄Gメンがつねに「基本銘柄」の検討をしている。?当該品目の価格変動を代表し、?全国的に出回り、?継続的に調査可能で、?調査員が識別しやすいもの。?を満たせず他の銘柄で代替するアイテムも(スルメイカとヤリイカなど)。 ・労働力調査は都道府県別の統計を出すほどの標本数がない。石川と福井だけ独自に足しているが、よその県では(予算もないし)苦労がある。 ・ビッグデータといっても、ほとんどの分野ではまだまだデータ収集がいちばん大変。
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※このレビューにはネタバレを含みます
実務に携わった専門家による入門書。強気なタイトルに反して統計のなりたちから調査手法など基礎の部分に重点を置いているのは入門書としては好感ながら、羊頭狗肉の感もまたあり。手っ取り早く統計を利用したい向きよりもじっくり理解したい向きにオススメ。
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統計を作っている人の言葉を聴く、という一冊です。国が行う統計が、まじめなルールに則って、まじめな人によって築かれてきたことがよくわかります。
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世の中の通念が、実は統計で見ればそうではなかった、みたいな類書とは一線を画した、「統計局」という内部から書いた本。 内容もそうだけど、文体からその「誠実さ」が伝わってきて、それも面白かった。いやとにかく「真面目」。良くも悪くも、実直な官僚なんだろうなあと思う。
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統計が大切だということは分かった。そしてそれをまとめる、分析するのが大変なのだというのも分かった。また、統計は国民全員の協力が必要だというのも承知した。 でも、自分がそれを利用するのはそんな簡単ではないし解釈も普通ではできない。 判断基準となると結局は統計を判断する側に...
統計が大切だということは分かった。そしてそれをまとめる、分析するのが大変なのだというのも分かった。また、統計は国民全員の協力が必要だというのも承知した。 でも、自分がそれを利用するのはそんな簡単ではないし解釈も普通ではできない。 判断基準となると結局は統計を判断する側に責を押し付けられたような気がする。なんか腑に落ちない。 e-Stat 政府統計総合窓口
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統計を読む側ではなく、編集する側の視点から見た統計の本。自分たちの仕事擁護的なコメントが多かったのが残念。著者の年齢的な側面もあるか。もっと切り込んだ見方が欲しかった。言いたいことは、定点観測を長く、公平にいかに保ち続けるかということなのかなと。
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統計学の本かと思って読んでいたら、さにあらず、統計そのものを読み解く本。著者が政府統計局で統計をしていただけあって、読み解くスキルが素晴らしい。それでいて変に偏らず、フラットな立場で説明されているのが良い。統計データをただ眺めるのではなく、その背景や流れ、そういう全体的なものを俯...
統計学の本かと思って読んでいたら、さにあらず、統計そのものを読み解く本。著者が政府統計局で統計をしていただけあって、読み解くスキルが素晴らしい。それでいて変に偏らず、フラットな立場で説明されているのが良い。統計データをただ眺めるのではなく、その背景や流れ、そういう全体的なものを俯瞰して見ることが大切なのだと感じた。もう少し分かりやすい文章表現にして、中高生の参考書にしても良いのではないかと思ったくらい有益な一冊。
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総務省統計局に勤める筆者による、日本における統計調査の歴史、統計の利用の例、調査結果を見る際のポイント、裏方の話。 裏方の話が面白かった。とくに都道府県での比較の難しさ。同じ魚でも地域によってがらりと変わるので、それらの調整をしたり、PCなどそれまでと異なる評価方法の採用など、...
総務省統計局に勤める筆者による、日本における統計調査の歴史、統計の利用の例、調査結果を見る際のポイント、裏方の話。 裏方の話が面白かった。とくに都道府県での比較の難しさ。同じ魚でも地域によってがらりと変わるので、それらの調整をしたり、PCなどそれまでと異なる評価方法の採用など、対応は難しいが面白い。 統計についての専門的な本ではないが、ゆえにこれから仕事を決めようとする学生が読むと、統計官の仕事を見ることができて面白いと思う。 筆者の、日本の統計を預かる矜持を感じた本である。
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統計が如何に世の中にとって不可欠なものか、統計は、特に政府、中でも総務省統計局の統計についての紹介など、統計に関する雑学的な知識を得るには有効な書。 数字をみる場合に注意しなければいけない点など、親切に解説している所は勉強になる。 ただ、個人的には、タイトルが統計を読むとはど...
統計が如何に世の中にとって不可欠なものか、統計は、特に政府、中でも総務省統計局の統計についての紹介など、統計に関する雑学的な知識を得るには有効な書。 数字をみる場合に注意しなければいけない点など、親切に解説している所は勉強になる。 ただ、個人的には、タイトルが統計を読むとはどういうことか、もっと深堀した内容に期待していたので、ちょっと期待はずれでした。
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