山の眼玉 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文庫のはじめに10数ページほど、カラーで版画が掲載されています。 また味のある挿絵(版画?)が多く、文章量は少なめです。 筆者は現在の宇和島市から上京し、版画家として独立しました。 戦前〜戦後にかけて四国と関東の山を歩いた紀行文が短編として掲載されており、同じく四国から上京した私にとっても興味深いものでした。 特に八ヶ岳高原や尾瀬、草津などは早くからアクセスのいい観光地として認識されており、小海線に乗って清里でキャンプを行った記述など、当時のレジャー活動が伺える資料でした。
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畦地の文画集。山男は畦地だけではなく、山に惹かれた人たち。シンプルな文章に山への変わらぬ愛を感じる。
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畦地梅太郎の本を新刊として入手できる機会があるとは思っていなかった。 やわらかい文章とステキな挿絵を堪能した。 解説の山男シリーズ論が秀逸。
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商店街のバナーに山男の絵があったり、版画美術館でその山男の作品に触れたりして、畦地梅太郎の名を知った。 既に故人なのだが、「アトリエ う」は白州次郎、正子夫妻の武相荘に行った際にお邪魔した。で、その際に購入した石鎚山のブックカバーは結構、気に入っていた。 そのブックカバーを失くし...
商店街のバナーに山男の絵があったり、版画美術館でその山男の作品に触れたりして、畦地梅太郎の名を知った。 既に故人なのだが、「アトリエ う」は白州次郎、正子夫妻の武相荘に行った際にお邪魔した。で、その際に購入した石鎚山のブックカバーは結構、気に入っていた。 そのブックカバーを失くしたこともあり、暫く前に再訪した。ブックカバーはもうなかったので、本書を求めた。 流石に版画を買うお金は無い。 版画同様、飾り気のないけど、すっと入ってくる文章。十数日の縦走などという言葉もあって、山の中にいるのが普通の人なのだなと思う。荷物の重さ、雨や風の酷さ、眠れない夜、山小屋の侘しさ。山は素晴らしいなんて敢えて書いてない。だけど山にいるのがこの人には理由もなく当たり前なのだろう。 冒頭の版画や文章に着く挿絵も相まって、山男の旅を愉しむことができた。
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1957年に発行された画文集の文庫化です。したがって、ここに書かれた山行はそれよりもさらに古い時代のお話で、戦前と思われるものも有ります。正確な山行の記録ではなく、山歩きについての文章に独特の画をつけたエッセイです。 文体があきれるほど簡単、一見幼稚にさえ思える表現や構成ですが、...
1957年に発行された画文集の文庫化です。したがって、ここに書かれた山行はそれよりもさらに古い時代のお話で、戦前と思われるものも有ります。正確な山行の記録ではなく、山歩きについての文章に独特の画をつけたエッセイです。 文体があきれるほど簡単、一見幼稚にさえ思える表現や構成ですが、独特の魅力があり、すいすいと読みました。著者の版画と何か通じるところのある文章でした。
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