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伊藤くん AtoE の商品レビュー

3.3

209件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    86

  4. 2つ

    23

  5. 1つ

    2

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2024/07/15

客観的な目線で見ると、クズでどうしようもない伊藤くんに振り回される女性たちはなんて哀れなのかと思うが、いざ自分が彼女たちの立場になれば自分も夢中で追いかけてしまうかもしれない。プライドだけが高くて、挑戦できない伊藤くんは自分と似ている気がする。クズケンが言う言葉は心に染みた。彼は...

客観的な目線で見ると、クズでどうしようもない伊藤くんに振り回される女性たちはなんて哀れなのかと思うが、いざ自分が彼女たちの立場になれば自分も夢中で追いかけてしまうかもしれない。プライドだけが高くて、挑戦できない伊藤くんは自分と似ている気がする。クズケンが言う言葉は心に染みた。彼は良い奴だから、報われて欲しい。

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2024/06/05

ダメ男とそれを取り巻く女の話。 人間弱いよね…と思った。 被害者ヅラも大概にとも思った。 自分の人生、振り回されてばかりも振り回してばかりもね。 ま、人それぞれ。

Posted byブクログ

2024/04/09

すごく良かった。 映像化作品が酷評されていたことや、以前読んだ同じ著者の『マジカル・グランマ』にはあまり入り込めなかったこともあり、そこまで期待していなかった。ただ、サラッと読める軽いものが読みたかったので手に取ったというだけ。 思った以上にドロドロしていて、全然軽くはなかったけ...

すごく良かった。 映像化作品が酷評されていたことや、以前読んだ同じ著者の『マジカル・グランマ』にはあまり入り込めなかったこともあり、そこまで期待していなかった。ただ、サラッと読める軽いものが読みたかったので手に取ったというだけ。 思った以上にドロドロしていて、全然軽くはなかったけど、ここまで感情移入して物語を読めたのは久しぶりだった。 題名にもなっている"伊藤くん"はいわゆるクズ男。有名大卒で、見た目もいいけど、定職に就かず金持ちな実家の脛を齧り続け、知識はあるけど知恵はなく、そのくせプライドは謎に高く、夢見がちで現実を受け入れられない。そしてなんということでしょう、こんなクズなのに女にモテる。 同じ女として「おい!!こんな男に惚れてどうする!!」と叱りたくなる反面、「女って、結局こういう男が好きなんだよねぇ…」と変に納得してしまう自分もいる。 この本は、A〜Eまで、伊藤の周りにいる5人の女の子をそれぞれ主人公とした短編構成。 なんとなーくの前情報で、「5人の女の子全員伊藤のことが好きなのか?」と思っていたが、そんなことはなく伊藤のことを「好き」「嫌い」「軽蔑」「同情」など、5人それぞれが様々な思いを抱えて彼を見つめていた。普通、短編っていうとどれか一つは「これはあんまりだったなぁ…」というのが混じっているものだが、今回はそれが一つもなかった。 智美も修子も聡子も実希も莉桜もどこか自分だった。お気に入りのシーンがいくつもある(ここに書き連ねようかと思ったが、脈絡もなくなるので辞めておく) そして一つの気づき。この本の中でちょくちょく『風と共に去りぬ』が登場する。『マジカル・グランマ』でも登場したので、単に作者が好きなのかなあ…と思ったら…なんと気づいてしまった、伊藤とアシュリ、少し似ている!! アシュリはさすがに伊藤ほどのクズ男じゃない(と思いたい)が、見た目よし、貴族の出身、知識は豊富だけど実生活では役に立たないものばかり知っている、いざ仕事をやらせたら頼りにならず、結局仕事のできるスカーレットになんとかかんとか食わせてもらっている、戦後で厳しい状況に置かれてもなお、貴族時代の優雅な思い出が忘れられず、現実を受け入れられない、プライドを捨てられない… いやちょっと待って!!! こう考えてみると、アシュリ結構伊藤と張るぐらいのだらしなさだな!?てことは、実希はスカーレットで聡子はメラニー、クズケンはレッドバトラー…!?細かいところは置いといて、結構重なる。 ほんとのところは作者にしかわからないけど、こうやって想像を膨らませるのも楽しかった。 いろいろ書いたけど、伊藤は本当にクズで救いようもない男。 周りはそれに散々振り回されて結局傷ついて。 でもでもでも、5人の女たちが物語の最後、ちょっと変わった自分になれたのは、伊藤という存在があったからこそなのだ。彼がいなかったらそもそも物語は始まっていなかった。こんなこと言ったら、彼は鼻息立てながら得意げになるだろうか。 けど別に私は伊藤を讃えたいわけじゃない。 むしろ5人の女たちを讃えたいのだ。 こんなクズに人生振り回されても、自分次第でそれすら明日への踏み台に変えていけるのだ。 伊藤という存在は多分、誰の心の中にでもきっといる。「傷つきたくない」「変わりたくない」という願望そのものなのかもしれない。だからこそ私たちは彼から目を離せない。 やっぱり本を読むっていうことは自分を知るということなんだとつくづく思う、一冊だった。

Posted byブクログ

2024/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

柚木さんの作品はBUTTERに続き2冊目。 BUTTERも女性の描写がものすごくリアルでしたが、この作品も話す言葉や見た目の表現だけではなくて、キャラクター自身の心の微妙な波や、奥底、深いところの表現がとても細かくて大好きでした。 この作品も女性のリアルがぎゅうぎゅうに詰まっていて、恥ずかしいような苦しいような泣きそうになるような、色々な感情が押し寄せてきました。 不器用な5人の女性たち。そして散々振り回す伊藤くん。 伊藤くんに共感する人ももちろんいるかも知れませんが、私はずっと腹立たしかったです。笑 もう本当にクズ男ー!最後に勝ち誇ったように矢崎さんに宣言していたのもムカつきすぎて本をビリビリに破りたくなった! でも、そう思っている時点で…私も伊藤くんに負けてるんですよね…あームカつく!笑

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2023/11/24

意外に重かった。また、通勤電車に相応しくないものを選んじまった。でも、後悔はしていない。 明らかにオッさんの読む内容じゃないし、いけすかない男と、なぜかそれに影響を受ける女性たちが出てきて、まったく縁遠いワールドだったけど、わりと楽しめました。

Posted byブクログ

2023/01/07

全く共感できなかったのは、まだお子ちゃまなのか…? 伊藤と女性5人への反感を掻き立たされて、見事に振り回されてしまった。 もう少し時を経て、読み返したい。

Posted byブクログ

2022/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

顔は良いのにどうしようもない伊藤くん。 いろんな女の人の目線からみた伊藤くんは全体的にダメダメで見ていて苦しくて恥ずかしくなる。 どうして誰ともこんなにもうまく関われなくって逃げちゃうのか?少しずつわかってくる。 誰かと向き合う力というものは才能なのかもしれない。 それは生まれながらなのではなくて、環境が作ってくれるのかもしれないって思う。

Posted byブクログ

2022/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言いたくないけど伊藤くんがクズすぎる‥ どんなに無自覚で無意識でも伊藤くんにはなりたくない、そして周りの人も注意して気付かせてあげて!と思うけど、注意すらもしたくない存在なのかな‥ 好きな人にはなかなか出会えないという話題が出てきたけど、恋を追い求める前に自分の内面を磨くことが大事なのかな〜と思ってしまった‥ 女性の痛いところついてて苦しい場面がたくさん‥でも面白かった!

Posted byブクログ

2022/06/22

・文学には解毒作用がある。 ・自分の中の違和感を大切に。胡散臭い自己啓発はなぜそう感じるのか。それは表面的な変化しか与えないからでは?本当に苦しい時、縋るように伸ばした手が掴んだもの、それはあたかも極限状態において人が宗教を、神の存在を感じるが如きもの。それがホンモノでは? ・他...

・文学には解毒作用がある。 ・自分の中の違和感を大切に。胡散臭い自己啓発はなぜそう感じるのか。それは表面的な変化しか与えないからでは?本当に苦しい時、縋るように伸ばした手が掴んだもの、それはあたかも極限状態において人が宗教を、神の存在を感じるが如きもの。それがホンモノでは? ・他人をマウントの道具に使わない。円外のよくわからないものとして認知するに留めること。 ・聞かれていない事は話さない、必要最小限かつ最大量の言葉を ・最高の人は恐らく見つからない。その人を天使に例えればわかる。そもそも天界から地上に降りてくるもの好きはほとんどいない。 ・自分の行動のインセンティブを記録する。人は見たいようにしか世界を見ない。自分の価値観や行動理念をコロコロ変える。だからこそ定点的存在、視点が必要。

Posted byブクログ

2022/06/15

伊藤君に翻弄されたり、見下したりしつつも伊藤君に皆んな背中を押されてる? 人間誰しも抱えたことのある負の感情が描かれていて面白かった。

Posted byブクログ