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熱砂と月のマジュヌーン の商品レビュー

3.2

18件のお客様レビュー

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2013/11/25

木原さん渾身のアラブ物。同人ならではのあり得ない嗜虐の数々がラスト数ページで純愛に変わる奇跡。実は同人で読んで暫くそのままになっていて中々食指が伸びなかった一冊。 美貌の割に性格が破綻している受ファウジと人を愛する感情が欠落した元奴隷で受の世話係ハッサン。二人の感情の行き違いがシ...

木原さん渾身のアラブ物。同人ならではのあり得ない嗜虐の数々がラスト数ページで純愛に変わる奇跡。実は同人で読んで暫くそのままになっていて中々食指が伸びなかった一冊。 美貌の割に性格が破綻している受ファウジと人を愛する感情が欠落した元奴隷で受の世話係ハッサン。二人の感情の行き違いがシリアスながら時々クスっと笑わせる描写が満載なので、数々の非人道的な仕打ちに打ちのめされながらもすらすらと読めました。映画「オールドボーイ」を思わせる二部のラストには驚愕。ラブレスな展開ながらハッサンの気持ちが分かり一筋の光が見えはしても、相変わらずラストぎりぎりまでの落としぶりと結末の読めない展開はさすが。そして奇跡の結末に全てが救われました。 あの小憎らしいファウジが可愛いくていじらしく思えてしまう。まさに恋愛の不条理さを描かせたら木原さんの右に出る者はいない、共感出来なくても読み進めるうちにいつの間にかその恋愛にリアリティを持たせてしまう。本当に凄いとしか言いようが無い。 書き下ろし小冊子でその後の二人に安堵しました。苦い珈琲に少しだけ溶かされた甘い砂糖のようで…ホッとしました。最後に笠井あゆみさんの挿絵が言わずもがな素晴らしい!陵辱されながらもプライドの高いファウジは神々しいまでに美しく、ハッサンは優男でなくストイックに坊主ですね!木原さんのご所望らしいですがさすがとしか言いようがありません。堪能致しました。

Posted byブクログ

2013/10/22

木原作品の濡れ場はいわゆる「抜ける」「おかずになる」と言う感じでなくて、木原さんの濡れ場描写は刺激したら出るんだぜー、と言う、実に合理的である意味で男っぽい気がする。なんつーの、気持ちが高ぶって愛撫以上に感じちゃってるわー、と言う感じじゃないな。心理面と肉体面が離反してる印象が強...

木原作品の濡れ場はいわゆる「抜ける」「おかずになる」と言う感じでなくて、木原さんの濡れ場描写は刺激したら出るんだぜー、と言う、実に合理的である意味で男っぽい気がする。なんつーの、気持ちが高ぶって愛撫以上に感じちゃってるわー、と言う感じじゃないな。心理面と肉体面が離反してる印象が強い。またはやってる事と感情がイコールじゃない、と言うか。その木原さん独特の描写は健在なのだが、今まで読んだモノの中では「アラブもの」と言うジャンルのイメージのエロさも表現されていたと思う。 人が真剣であればあるほど滑稽に見えると言う描写も木原さんはマジ上手い。「…尻を洗った」で吹いたからなー、これは正に予期してない笑い…滑稽さを無理なく書かれるって凄い事だ。穴じゃないんだ、尻なんだ…って可笑しかったんだよ(笑)。辛い経験を描いた後に、相思相愛になってそこの部分の浮上感をコミカルに書こうとして乾いた笑いを誘われるような、取って付けた感が皆無。ここでほんわかしてねー、って作者の狙いは不要なのだ。そう言うの要らないんだよね、ってツッコミ入れた時点でその作品に対する熱が冷める時ある…そう言う部分はどの作品を読んでも感じられない。合理主義=情緒が無い、ではなくて、あくまでも登場人物の現象を描写しているだけであって、作者の思惑とか狙いを入れない姿勢が一貫している、と言う意味での合理主義だと思う、木原さんは。恨み持ってもいいとこをあくまでもラージンの僕としての職務に忠実なあまりにファウジに感情移入一切してないとことか木原さんらしいなぁ、と。あと、ファウジの事で困ったら一々ラージンの部屋を訪れて進路指導的に相談してる様が可笑しいし。二人の人物のベクトルの差異から生ずる滑稽さ、根本的に擦れ違っておる!!とツッコミたくなる面白さ。白い尻をふりふりして、ハッサンを誘ってるつもりなファウジを見て、あれは誘ってる素ぶりなんだろうか…と心の中で憐れんでるあたりのモノローグをあんげんで聴きたい… こうなった原因に慮る事なく自分の現状の不幸を嘆くだけの、被害者としての自分にしか思い至らない自分勝手さは木原さんの専売特許だよなぁ。フラジールの大河内思い出すわー。木原作品は音声化するのは難しいものが多いが、これはイケるんじゃなかろうか、ハッサンを俺の大好物のあの重低音で駄目かね、と思うが、やっぱ難しいか、獣姦と言うハードルがある。 あんまりお利口じゃなく、目先の事だけに反応する幼稚さで、逆にファウジは生き延びたんだろうなぁ。冷静に自分の身を顧みる大人の考え方を持っていたら、絶望してしまっただろうなぁ。初回特典を読んで、ハッサンが幸せそうで何よりだ。 「愛は理屈じゃない」を情熱とか勢いではなく書きあげてしまう木原さん、プロットとかどうやって立てるのかとても知りたい気持ち。

Posted byブクログ

2013/10/22

攻めもいいですが、どうしようもなく救いようのない受けが最高にいじらしかったです!美味しいところに行き着くまでちょい長かったけど、その後はもう一気読みでした!砂漠の国ということもあって、どこか御伽噺のような印象もありました。獣もたくさん出てくるし・笑 で、最後は泣きました。ファウジ...

攻めもいいですが、どうしようもなく救いようのない受けが最高にいじらしかったです!美味しいところに行き着くまでちょい長かったけど、その後はもう一気読みでした!砂漠の国ということもあって、どこか御伽噺のような印象もありました。獣もたくさん出てくるし・笑 で、最後は泣きました。ファウジ、可愛すぎ!(*´Д`*)あ。ファウジは清閑寺シリーズの冬貴に似てるんだ、と今気付きました。ああ、だからふたりとも好きなんだな。読んでよかったです。きっと何度も読み返すと思います♪

Posted byブクログ

2013/10/14

作者の萌えが凝縮?ってか、スパークした作品。そっかー。獣姦ですか、木原せんせぇーーーー!まぁ、今の私にはどんとこいですけどw 受ちゃんが又性格悪くてw、誠実っぽい?攻とのマッチングが美味しゅうございました。木原センセの書く被虐のかぎりを受けながらも精神面で攻にダメージをあたえる受...

作者の萌えが凝縮?ってか、スパークした作品。そっかー。獣姦ですか、木原せんせぇーーーー!まぁ、今の私にはどんとこいですけどw 受ちゃんが又性格悪くてw、誠実っぽい?攻とのマッチングが美味しゅうございました。木原センセの書く被虐のかぎりを受けながらも精神面で攻にダメージをあたえる受は私的にアリです。

Posted byブクログ

2013/09/30

あは……あはは……。こういうBLもありなのか! 木原さんは、私的に地雷なお話が多いのだけれど、受けの性格がアレだったせいか、意外と平気に読み終えました。 好きかどうかは別にして……ねw あ~、でも読む前に色々聞いてなかったらダメだったかもだw   ん~と、受けは格別に性格の悪い盛...

あは……あはは……。こういうBLもありなのか! 木原さんは、私的に地雷なお話が多いのだけれど、受けの性格がアレだったせいか、意外と平気に読み終えました。 好きかどうかは別にして……ねw あ~、でも読む前に色々聞いてなかったらダメだったかもだw   ん~と、受けは格別に性格の悪い盛大なツン(デレ)だったの?wwwww

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2013/09/24

《ネタバレご注意ください》 日本語の「愛」に相当する言葉がギリシャ語では4つあるそうです。 エロースは「愛することが自らの幸福感に直結する愛」、ひらたく言うと肉欲のともなう…。 ストルゲーは親子の愛。無償の愛。 フィリアは好きとか嫌いとかのような友情、多少の見返りは必...

《ネタバレご注意ください》 日本語の「愛」に相当する言葉がギリシャ語では4つあるそうです。 エロースは「愛することが自らの幸福感に直結する愛」、ひらたく言うと肉欲のともなう…。 ストルゲーは親子の愛。無償の愛。 フィリアは好きとか嫌いとかのような友情、多少の見返りは必要。 アガペーは慈悲と善意の愛。敵をも赦す意志と努力と忍耐が必要。しかも見返りを求めない純粋な愛。 もしギリシャ語版が出版されるとしたら、 ファウジの「愛している」とはエロース?フィリア? 愛という言葉を口にしても 真実かどうか本人にもわからないだろう。 ひとたび何か起これば、自分の命と引き換えにできる愛、アガペー。 奈落まで身を落としても生き抜いて会いたい。 ファウジの愛がアガペーなら 口を開けば反対のことを言ってしまうのは…究極のツンデレ? ハッサンの胸にあるのはストルゲーなのかアガペーなのか…はたまた…。

Posted byブクログ

2013/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

商業誌で出たことに驚きました。書き下ろしで衝撃的な完結編が入っています。薄い本の「冷血」では愛のないドン引き話だったはずなのに、まさかこんなに心を激しく揺さぶられてしまうなんて思いませんでした。 鬼畜なアラブもの。センセの描くアラブは、そんじょそこらのアラブものとは一線を画す非道さで、まったくのラブレスでロマンスもなしです。 とにかく鬼畜エロのみ。 笠井あゆみセンセのイラストが美麗でエロい。なんとハッサンとアントンが坊主!このビジュアルが、エロスMAXです。 石油王だった父親が事業に失敗して失踪してしまったファウジは、騙され奴隷オークションでラージンという謎の大富豪に落札されててしまいます。 ファウジは超がつく美形なのですが、残念なまでに性格が悪い青年です。 ちょっと「 FRAGILE 」の大河内を彷彿とさせます。 高慢ちきで、ワガママで、悪態ばかりついて、感謝の気持ちをひとかけらも持ちあわせていないので、同情の余地がありません。 痛い目に合ってしまえ!とどす黒い気持ちにさせられます。 そして、その通りにものすごく残酷で地獄のような性の饗宴に引きずり出され、悲惨な目に遭うのです。 Hは何でもありの変態エロがてんこ盛りで、輪○なんかは序の口。獣○では駱駝、駝鳥、蛇まで登場…父子○もあります… なので、これが地雷ならばもう嫌気がさしてしまうかもですが、ここでぐっと堪えるか読み飛ばすかしてでも、ぜひ最後まで読んで物語の真意を見極めて欲しいと思います。 なぜ、ファウジはこんな地獄の責苦を受けなければいけないのか?ラージンの目的は何なのか、すごく気になるところです。ラージンは、自分自身は絶対に手を出しません。ファウジを犯すことを部下のハッサンやアントンに命令したり、他の変態富豪に与えたり、血も涙もありません。 「1985回分、その身で罪を贖え」という言葉に、全ての理由があるのです。 いや、計算しちゃいますよ。1日に10回以上して中6日週一としても… ハッサンは、冷静にカウントしていました。 それ以前に、下半身が丈夫だというのが前提ですね。 ファウジが直截に罪を犯したわけではないのに、その人並みはずれた根性の悪さが自ら事態を最悪な方向へと導いてるんです。 そんな目に遭っても、何の反省もしていないファウジがただひとつ心の拠り所としていたのが、「ハッサンに愛されている」という思い込み。 愚かだと笑い飛ばせないものがありました。 ハッサンは、奴隷としてイワフから酷い扱いを受けた過去から、愛する心が麻痺している男です。ファウジを愛していると言ったのは、ラージンから命令されただけのことだったのですが。 完結編では、ボロ泣きしてしまいました。 どんな目に遭っても高慢で自分のことしか考えていなくて、そのせいでますます窮地に追い込まれる愚かなファウジが、哀れで愛しくて胸が痛くなります。 もっと、上手く立ち回って本音を隠して可愛くふるまえばいいのにと、ハッサンを好きだともっと素直になればいいのにと、ほっとけない気持ちに。 そして、きっとハッサンもむしょうにほっとけない気持ちになったのでしょう。 愛の力はすごい。ミラクルです。 ハラハラさせられましたが、ハッサンが間違えなくてしっかりつかまえてくれて、ほんとに安堵しました。ラストは、二人のことが愛しく思えて仕方ありませんでした。 初回限定の小冊子では、その後ロンドンでの二人らしいラブラブに、なんだか妙に萌えまくりました。 センセのドS加減に振り回され、その後のご褒美の飴、みたいな。 小冊子で気がつきました。ラージンとアントンてのはアリでしょうか???

Posted byブクログ

2013/09/20

もともとアラブ物が好きじゃないからこれは本当に木原さんだから買ったっていう感じだけど、これアラブ物が好きな人ほど逆に読むの辛いんじゃないかなぁって思う。というかアラブって言っていいのか…。大勢の地雷を踏みそう。 木原さんの作品にエロを期待はして手を出したりはしないけど、これエロ...

もともとアラブ物が好きじゃないからこれは本当に木原さんだから買ったっていう感じだけど、これアラブ物が好きな人ほど逆に読むの辛いんじゃないかなぁって思う。というかアラブって言っていいのか…。大勢の地雷を踏みそう。 木原さんの作品にエロを期待はして手を出したりはしないけど、これエロシーンが多いだけでエロいかと聞かれればノーでした。 客観的に状況を淡々と述べる文章だからエロシーンが全然エロくないし個人的にはエロなくていい作家さんだと思う。エロ読むの気力がいるし。 最後の5ページくらいは良かったけどそこに至るまでがあまりに長い…

Posted byブクログ