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かりんとう侍 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2022/06/15

かりんとうが好物の旗本次男坊・日下雄征が、自分の生き方を見つけるまでのモラトリアム・ライフ(?)描いた人情噺です。 黒船来航で世情がバタバタする中、かりんとうを食いつつ、恋仲の芸者・鶴次さんの元でグダグダしたりと呑気な生活を送っている雄征。 学問も剣術もイマイチな半端人間のわり...

かりんとうが好物の旗本次男坊・日下雄征が、自分の生き方を見つけるまでのモラトリアム・ライフ(?)描いた人情噺です。 黒船来航で世情がバタバタする中、かりんとうを食いつつ、恋仲の芸者・鶴次さんの元でグダグダしたりと呑気な生活を送っている雄征。 学問も剣術もイマイチな半端人間のわりに、鶴次さんに惚れられたり、武士嫌いの戯作者・鈍亭魯文と仲良くなったりと何気に人たらしなのは、武士にしては偉ぶったところがなく、根がいい奴(そしてちょっとイケメン)だからですかね。一方、雄征は基本的に嫌なことはしたくない的な“ニート気質”な部分があるので、その辺を魯文にガチで怒られたりしながら瓦版のお手伝いで事件現場に行ったりとユルユル話は展開します。 兄から持ち込まれた縁談を妬みから妨害されたり、安政の大地震を経て、徐々に自分の生きる道をみつけていこうと模索する雄征の姿は、現在の若者たちにも通ずるところがあるかもしれません。 ラストで雄征が自分のやりたいことを見つけて決断できたのは良かったです。まさに“かりんとう侍”のタイトル通りのオチでしたね。

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2019/11/02

旗本の次男坊、日下雄征(くさかたけゆき)は、剣の腕も無いし、勉学も熱心ではない。 良いところと言えば侍なのに偉ぶらない、まっすぐな性格(と、女受けがするやさしげな面) 兄が継いだ実家は、賄頭という比較的裕福な家なので、好物のかりんとうをかじってのほほんと暮らす身分。 憎めないけど...

旗本の次男坊、日下雄征(くさかたけゆき)は、剣の腕も無いし、勉学も熱心ではない。 良いところと言えば侍なのに偉ぶらない、まっすぐな性格(と、女受けがするやさしげな面) 兄が継いだ実家は、賄頭という比較的裕福な家なので、好物のかりんとうをかじってのほほんと暮らす身分。 憎めないけど、それほど魅力も感じない主人公ですが、同じく次男で行く末に不安を抱く、武家の幼なじみ達との葛藤は、妙にリアルでした。 「己の心が満ち足りていたら、どうして他人の幸せを妬む。己の力を信じているなら、あえて他人を見下して安心しようとすることはない」(P-172) なるほど。

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2018/02/13

今までも何かに悩んでいる時、それを救ってくれた名言は、だいたい身近な奴の言葉だったりする。生き様としては魯文でありたいが、まだまだ弱いかりんとう侍だな。そのうち強くなってやる!でも、かりんとうは食べ続ける。

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2016/05/30

身分に甘えている(かりんとう、とカケている?)旗本の次男坊のお話。 自分のやりたいこと、やるべきことが見つかって良かったね、という感じでしょうか。

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2014/05/11

短編連作。時は幕末、旗本の次男坊が主人公。周りから考えが甘いと散々言われる彼だが、いくつもの出来事を経て思うように生きていこうとする姿が爽やかに見えた。魯文がいいキャラをしていた。前に読んだ作品よりはまとまってたと思う。

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2014/04/11

舞台は幕末の江戸、旗本の次男日下雄征(くさかたけゆき)は近所のささやのかりんとうが大好物。ちょっと頼りなく真っ正直だけが取り柄の男が、自分は何をしなければならないかを考え、それを見つけて行く。瓦版の記事しか書かない戯作者鈍亭魯文、惚れられた芸者鶴次と共に最後は安政の大地震を乗り越...

舞台は幕末の江戸、旗本の次男日下雄征(くさかたけゆき)は近所のささやのかりんとうが大好物。ちょっと頼りなく真っ正直だけが取り柄の男が、自分は何をしなければならないかを考え、それを見つけて行く。瓦版の記事しか書かない戯作者鈍亭魯文、惚れられた芸者鶴次と共に最後は安政の大地震を乗り越えて行く。

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2013/09/30

旗本の次男坊は、今日もあっちふらふら、こっちふらふら。 そして、好きなお菓子をもぐもぐと。 連続短編集ですが、子供のまま大きくなったお侍、という状態なのに 素直に相手の事を聞くせいか、憎めない人物。 かりんとうが大好きで、大概食べていたり持っていたりするので 読んでいる最中、食...

旗本の次男坊は、今日もあっちふらふら、こっちふらふら。 そして、好きなお菓子をもぐもぐと。 連続短編集ですが、子供のまま大きくなったお侍、という状態なのに 素直に相手の事を聞くせいか、憎めない人物。 かりんとうが大好きで、大概食べていたり持っていたりするので 読んでいる最中、食べたくてたまならくなります。 しかし日々というものは変わっていくもの。 後継ぎ候補がいつまでも後継ぎではいられない時代。 流されるか、逆らうか、陸地へあがるか。 今までそれも嫌で、石の上でぼ~っとしている状態だったのを ようやく脱却してみれば…。 どこかで人が幸せになれば、不幸になる人もいる。 そしてそれでご飯を食べられる人もいる。 時代が変わろうがなんだろうが、そこは変わらないもの。 そこにいるだけだった人が、考えて選択した人生。 幸多きものであればいいな、と思います。 読んでいて、ほんわりした気持ちになれました。

Posted byブクログ