幼児狩り・蟹 の商品レビュー
『蟹』は第45回芥川賞受賞作。『幼児狩り』や『劇場』のような露骨にサドマゾ描写のあるものよりも『蟹』や『夜を往く』のふと魔が刺したかのように表出してくる倒錯した心理を描く作品の方が好き。
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日常を描いているのに、何処かズレている様に感じるのは登場人物達の異常さによるものだと思う。 深く関わらないと分からないけど、分かったら抜け出せない。
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What is it like that you don't have a kid when you are in your 30s being a female??
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(1973.05.10読了)(1973.05.06購入) *解説目録より* 他人の子どもに異常な関心を示す子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」、波打ち際で甥と蟹を求めて戯れる中年女性の屈折した心理を描いた「蟹」、夫婦交換による嗜虐的な男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」「劇場」、ほかに「塀の中」「雪」。日常の欺瞞性を剥ぎ取り、歪みの中に人間性の把握を試みた短編集。
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「幼児狩り」以下、6編を収めた短篇集。 どれも何だか不思議な世界だ。たとえば「幼児狩り」は、未婚の女性である主人公が男子児童に寄せる異常な執着を、「劇場」は、これまた未婚の女性がふとしたことで知り合ったせむし男と美女という異様な組み合わせの夫婦に対する執着を描く。 一番印象的だっ...
「幼児狩り」以下、6編を収めた短篇集。 どれも何だか不思議な世界だ。たとえば「幼児狩り」は、未婚の女性である主人公が男子児童に寄せる異常な執着を、「劇場」は、これまた未婚の女性がふとしたことで知り合ったせむし男と美女という異様な組み合わせの夫婦に対する執着を描く。 一番印象的だったのは「塀の中」。戦時下の工場で働く女学生達が、圧迫された生活の中で、監視役の中尉の目を盗み、迷い子の男児の世話をし始める。彼女達のある意味高ぶった感情は分るような、分らないような。 ☆新潮社同人雑誌賞(幼児狩り)・芥川賞(蟹)
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