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幻妖の水脈 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2022/11/30

図書館本 これはお得。不思議なお話を集めた短編。 小松左京 牛の首 で検索したもの。 乱歩先生の、挿絵と旅する男。 柳田國男、遠野物語、河童のくだりなど。 坂口安吾 桜の森の満開の下 首遊びの女。 百閒先生の冥途。 そして私のお目当ては、 小松左京、牛の首。これは今までに聞い...

図書館本 これはお得。不思議なお話を集めた短編。 小松左京 牛の首 で検索したもの。 乱歩先生の、挿絵と旅する男。 柳田國男、遠野物語、河童のくだりなど。 坂口安吾 桜の森の満開の下 首遊びの女。 百閒先生の冥途。 そして私のお目当ては、 小松左京、牛の首。これは今までに聞いたこともないくらい恐ろしい話。

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2021/03/03

日本の幻想文学を古典から順に抑えていくアンソロジーで、読んだことがあるお話もこのアンソロの順に読んで行くと違う風景が見えてくる不思議。 序文は澁澤龍彦が監修したアンソロからの文で、やはり澁澤作品を抑えねばという決意を新たにしました。 このアンソロ、例えば『今昔物語』から収録さ...

日本の幻想文学を古典から順に抑えていくアンソロジーで、読んだことがあるお話もこのアンソロの順に読んで行くと違う風景が見えてくる不思議。 序文は澁澤龍彦が監修したアンソロからの文で、やはり澁澤作品を抑えねばという決意を新たにしました。 このアンソロ、例えば『今昔物語』から収録されている「鬼のために妻を吸い殺された話」「馬に化身された僧の話」を読んでから後に収録されてる「高野聖」を読むと人気のない怪しい家、人が獣に変えられるという高野聖でも用いられているディティールが自動的に抑えられる仕組みになっていてすごい。 すべての収録作が恐らく有機的につながっていてとても読み応えがあります。 以下印象深かったお話の感想。 久生十蘭「予言」 学生の頃にも手を出してたんだけど久々に読むと一層面白い。 「予言」は友人黒田の予言通りに物事が進んでいく不気味さ、夢が入れ子構造のようになってて現実がどれか惑わされる感じがよい。 最後の一文で語りにも仕掛けがある感じがして気になる…。 三島由紀夫「仲間」 短編なんだけどこれは一体何の話なんだ?「僕」と「お父さん」と「あの人」が交流し、「今夜から私たちは三人になるんだよ、坊や」と意味深に物語は閉じる。 「お父さん」が「あの人」のベッドに花瓶の水を撒いて「もうあの人も眠ることはない」とか一体何の話なのか興味が尽きない。ヴァンパイアなの⁇ちょっと論文探したいな。 都筑道夫「風見鶏」 電話というメディア、百科事典といった近代らしいモチーフに加えて硝子に映った自己への嫌悪。近代っぽくてとてもいいです。 電話口で閉じ込められていると訴える女性の方も文学的に探りがいがありそうな気もします。彼女は何のメタファーなんだろうか。

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2017/06/20

以前、編者が出版した青銅社版の改訂文庫本アンソロジー。 新たに何編か追加されているので思案後購入。東京創元社版の怪奇アンソロジー集成(紀田順一郎氏との共著)を買い漏らしているのが悔しい。

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2013/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【序】澁澤龍彦(青銅社版『日本幻想文学大全 幻想のラビリンス』より再録) 紫式部『源氏物語』より「夕顔」円地文子訳 『今昔物語』より「水の精が人の顔を撫でる話」「鬼のため妻を吸い殺される話」「馬に化身させられた僧の話」「大きな死人が浜にあがる話」福永武彦訳 上田秋成『雨月物語』より「白峯」石川淳訳 小泉八雲『怪談』より「耳無芳一のはなし」平井呈一訳 夏目漱石「夢十夜」 幸田露伴「観画談」 泉鏡花「高野聖」 柳田國男『遠野物語』より「二二」「三三」「五五」「七七」「九九」 折口信夫「死者の書」 内田百閒「冥途」 佐藤春夫「女誡扇綺譚」 江戸川乱歩「押絵と旅する男」 葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」 稲垣足穂『一千一秒物語』より「月から出た人」「A MEMORY」「黒猫のしっぽを切った話」「ポケットの中の月」「月光密造者」「A TWILIGHT EPISODE」「コーモリの家」「A MOONSHINE」 久生十蘭「予言」 坂口安吾「桜の森の満開の下」 日影丈吉「月夜蟹」 三島由紀夫「仲間」 澁澤龍彦『唐草物語』より「火山に死す」 都筑道夫「風見鶏」 小松左京「牛の首」 今回の獲物としては、折口信夫と幸田露伴。 どちらも独自の文体と世界に酔わせてもらう。 堀辰雄を経ての折口だからなおさらのこと。 幸田露伴は他の作も読む。

Posted byブクログ

2013/10/12

ちくま文庫から出ている『世界幻想文学大全』の続編となる、こちらは『日本篇』。 『源氏物語』『今昔物語』といった古典から、戦後の短編まで収録されている。 幻想文学といえば必ず名前が挙がる泉鏡花は『高野聖』を収録。こういうアンソロジーには必ずといっていいほど『高野聖』なので他の作品で...

ちくま文庫から出ている『世界幻想文学大全』の続編となる、こちらは『日本篇』。 『源氏物語』『今昔物語』といった古典から、戦後の短編まで収録されている。 幻想文学といえば必ず名前が挙がる泉鏡花は『高野聖』を収録。こういうアンソロジーには必ずといっていいほど『高野聖』なので他の作品でも良かったのでは……とは思うが、何回読んでも素晴らしいものは素晴らしいのだった。 折口信夫の『死者の書』が収録されているのは珍しい。 乱歩は『押絵と旅する男』。あの、『これをごらんになりたいのでしょう』という台詞には本当にゾクゾクさせられる。素敵。 佐藤春夫の『女誠扇綺譚』は台湾を舞台にしたエキゾチックな怪談。ググってみたが『禿頭港』というのは実在しないらしい。残念……。

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