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トラウマ映画館 の商品レビュー

3.9

31件のお客様レビュー

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2018/01/08

洋泉社や宝島社あたりがよく出す、ゲテモノ映画のゲテモノっぷりを盛大に告発する本かと思ったら、さにあらず。著者の価値観・人生観をコンテクストした「トラウマ映画」たちについて、深い映画史の知識と、人間に対する冷静な洞察でもって探った一冊。心に「映画史には残らないけど、自分にとっては重...

洋泉社や宝島社あたりがよく出す、ゲテモノ映画のゲテモノっぷりを盛大に告発する本かと思ったら、さにあらず。著者の価値観・人生観をコンテクストした「トラウマ映画」たちについて、深い映画史の知識と、人間に対する冷静な洞察でもって探った一冊。心に「映画史には残らないけど、自分にとっては重大な映画」を持つ人は少なくないだろうが、それをテーマに、ここまで「読ませる」仕上がりになっているのは流石である

Posted byブクログ

2017/08/29

トラウマになりそうな映画ばかり集めた評論集。 面白かった。 解りやすかった。 でも夜読んだら眠れなくなった。 怖くて... 映画って深いな... いかに自分が表層で楽しんでいたか... ソフト化されてないものもあるので、TSUTAYAかなんかで貸し出しして欲しい。

Posted byブクログ

2016/11/30

どれも観たことのない映画ばかり。読後、どの映画も観たくなる。 紹介されてる映画を観るごとに読み返すだろうなぁ。

Posted byブクログ

2016/04/07

タイトルから、ウケ狙いのキワモノかと思っていたら(そういうの好きなんだけど)、いやどうしてどうして、ちゃんとした映画論で、とてもおもしろかった。語られるのは、著者が小中学生の頃主にテレビで観て、強く記憶に残ったマイナー映画25本。どれ一つ観ていないが、それも当然だと思われる作品ば...

タイトルから、ウケ狙いのキワモノかと思っていたら(そういうの好きなんだけど)、いやどうしてどうして、ちゃんとした映画論で、とてもおもしろかった。語られるのは、著者が小中学生の頃主にテレビで観て、強く記憶に残ったマイナー映画25本。どれ一つ観ていないが、それも当然だと思われる作品ばっかり。ひどく不評でほとんど上映されなかったり、諸般の事情でビデオ化もされていなかったり。そのあたりのことを、映画そのものの出来だけでなく、当時の社会や映画界の状況からも考えているあたり、至極真っ当な感じがした。 と同時に、著者があくまで当時の自分の感覚に基づいて書いているところが実にいい。今のように情報があるわけではなく、テレビ欄の2、3行の紹介だけが予備知識で、さあどんな映画が始まるかとワクワクした気持ち、タイトルからは想像もできないエグイ内容だったときの衝撃、特に思春期の少年にはえらく刺激の強いものだったりした時のズーンとくる感じ…、いやわたしは男ではないけれど、わかる気がするなあ。 マイナーな映画ばかりだから当然かもしれないが、宗教と暴力とセックスを扱った映画が多い。そればっかり、と言ってもいい。こなれた娯楽映画では味わえない、ザラザラした引っかかりのある感触…、長いことそういう映画を観ていないような気がした。 この本を読もうと思ったのは、カーソン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」を映画化した「愛すれど心さびしく」が取り上げられていると知ったからだ。すっかり忘れられていた感のある(わたしも忘れていたけど)マッカラーズの「結婚式のメンバー」の新訳が最近出た(それも村上春樹訳で)。おお、懐かしい。こうなったら「心は~」も出してくれないかと思うが、Aさんがレビューで書かれていた通り、内容的に難しいだろうなあ。新潮文庫版はとうの昔に絶版。アマゾンの検索で本書が出てきたのだった。原作のエピローグに強烈な印象を受けて忘れられないのだが、映画ではやはりカットされているそうだ。 小ネタで感心したことを一つ。アルフィーの往年のヒット曲「メリーアン」(好きなんだよね)、てっきりGSを意識したものだと思っていたが、もちろんそうではあるのだけれど、元は1955年のフランス映画「わが青春のマリアンヌ」をイメージした歌詞なんだそうだ。森の中の湖(または泉)、そのほとりに立つ古城(お屋敷)、バルコニーには美少女。「メリーアン(マリアンヌの英語読み)」だけでなく、繰り返し飽きることなく歌われてきたその源は、やはりおフランスだったのか。

Posted byブクログ

2015/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読んで暫く後、TSUTAYAで見かけるPOPに異変が。この本に紹介されてる映画ばっかりで、しかも古い映画なのに新作になっちゃったりしていて、そりゃないよとむしろそっちのほうがトラウマになった感が。自分で気になって(本を読んで)映画を見たのは、「マンディンゴ」と「追想」。確かに、どちらも強烈でした。

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2015/05/23

見たことの無い映画たちについて語られている本。 実際に映画を見るよりも、この批評の方が面白いかもしれない。

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2014/11/29

映画や美術鑑賞、読書といったものは、結局は極めてパーソナルな体験だが、映画との個人的な遭遇をつづって商売になるのは、限られた人にしか許されない。本書で紹介している映画はほとんどDVDになっていないのだから、なおさらだ(刊行後ポツポツDVD化されているようだが)。 読む前は、エロ...

映画や美術鑑賞、読書といったものは、結局は極めてパーソナルな体験だが、映画との個人的な遭遇をつづって商売になるのは、限られた人にしか許されない。本書で紹介している映画はほとんどDVDになっていないのだから、なおさらだ(刊行後ポツポツDVD化されているようだが)。 読む前は、エログロ作品ばかり並んでいるのかな、と想像していたが、いい意味で裏切られた。個人的には『悪い種子』や『質屋』の稿が興味深かった。そうした作品を見た後、再読してみたいと思う。

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2014/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 人は誰しも特別な映画を心に抱えて生きている―。 呪われた映画、闇に葬られた映画、一線を超えてしまった映画など、著者の心に爪あとを残した26本の作品を紹介。 幼い頃に観たそれらの猟奇性やフェティシズムの源泉を紐解きながら、作品同士の繋がりや、のちの作品へ与えた影響を見出す。 読んでから観るか、それとも観てから読むか。 トラウマになること必至、映画好きのための一冊。 [ 目次 ] 「消えた旅行者」は存在したのか?―『バニー・レークは行方不明』BUNNY LAKE IS MISSING 孤高の鬼才が描く、アイドルの政治利用―『傷だらけのアイドル』PRIVILEGE 人間狩りの果てに言葉を超えた絆を―『裸のジャングル』THE NAKED PREY 『エクソシスト』の原点、ルーダンの悪魔祓い―『肉体の悪魔』THE DEVILS『尼僧ヨアンナ』MATKA JOANNA OD ANIOL´OW 世界の終わりと檻の中の母親―『不意打ち』LADY IN A CAGE ハリウッド伝説の大女優、児童虐待ショー―『愛と憎しみの伝説』MOMMIE DEAREST 少年Aが知らずになぞった八歳のサイコパス―『悪い種子』THE BAD SEED あなたはすでに死んでいる―『恐怖の足跡』CARNIVAL OF SOULS 奴らは必ずやって来る―『コンバット 恐怖の人間狩り』SHOOT 初体験は水のないプールで―『早春』DEEP END〔ほか〕 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2014/08/22

母が職場で偶然観たという「ミスト」 私自身が家事の片手間に見た「グラス・ハウス2」を思い出した。 爽快感が無くって、面白く無い。だけども、記憶に残る映画をTVで見たことは、誰しも一回以上はあると思う。 普通は「あー、なんか、わけわからない物をみたなぁ」で終わってしまうけど、この...

母が職場で偶然観たという「ミスト」 私自身が家事の片手間に見た「グラス・ハウス2」を思い出した。 爽快感が無くって、面白く無い。だけども、記憶に残る映画をTVで見たことは、誰しも一回以上はあると思う。 普通は「あー、なんか、わけわからない物をみたなぁ」で終わってしまうけど、この本は、その「わけがわからない映画」が撮られた背景を知らべ、どうしてこのような形で世に出されるのに至ったのかが細かく書かれている。 それが、興味深く、最後まで一気に読んでしまった。 主張や思惑なしで撮られた映画なんてないのだなと思った。

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2014/08/11

タイトルが「トラウマ」なので、紹介されている映画が悪趣味でエログロなのかといえばさにあらず、かと言って再評価を強調したりメジャーと比べて前者を貶めているわけではない。各作品の選択こそ、著者の町山さんのパーソナルな思い出に基づいているけど、紹介と鑑賞も極めて客観的。それがあって、各...

タイトルが「トラウマ」なので、紹介されている映画が悪趣味でエログロなのかといえばさにあらず、かと言って再評価を強調したりメジャーと比べて前者を貶めているわけではない。各作品の選択こそ、著者の町山さんのパーソナルな思い出に基づいているけど、紹介と鑑賞も極めて客観的。それがあって、各作品の中に横たわる時代の流れやテーマ、人間心理が浮かび上がってきて興味深い。こういう文章で映画について語れるといい。

Posted byブクログ