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完全版 人間の運命(17 別巻1) の商品レビュー

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2013/10/20
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事実に基づく私小説。フランスでのリリー・コルネリッサン夫人とジャック・ルクリュの不思議な夫妻、またその周りの人々フレッドやルシアンヌ嬢との交流。流麗な文章はあまりにも美しく、また哀しみを帯び、フランス語の響きのよう。「私」は語り手であり、リリー夫人の尽くし続けた人生が悲しい。そして30数年後にルシアンヌから聴く夫人のその後。2つの大戦を含み、また日中戦争への緊張、共産中国の成立、時間と空間的な遠い距離を感じさせる叙事詩のようだ。「捨犬か雑草のように」は著者の幼少期からの自伝。非常に辛い育ちに驚く。美文「ヴァレリーの序文」なるものが登場するが、一度読んでみたい。

Posted byブクログ