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開かせていただき光栄です の商品レビュー

4.2

129件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2014/07/16

たぶんこのままでは終わらないと思いながら読み進み、ラストで、そういうことだったのねと納得でした。 盲目の判事に、エドなど解剖学教室の面々などキャラがたっていたので面白かった。 当時のロンドンの雰囲気に浸ることができたことも良かった。

Posted byブクログ

2014/02/11

18世紀のロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請するが…というお話。 作家さんの名前を知らず、オビや裏表紙にあるあらすじに惹かれて手に取った作品です。特にこの時代のロンドンを知っているというわけでも...

18世紀のロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請するが…というお話。 作家さんの名前を知らず、オビや裏表紙にあるあらすじに惹かれて手に取った作品です。特にこの時代のロンドンを知っているというわけでもありません。 少し読んでみると、自分の想像していた作品とはちょっと違うと感じました。扱われる解剖学が最先端とあるし、ハードボイルドとはいかなくても、割と固い話なのかなと思っていたのですが、事件と平行して語られる少年の話も合わせて子供が多く登場するので、考え方はしっかりしつつもどこか緩い。裏表紙には「可笑しくも悲しい不可能犯罪に挑む」とあるので、私の勝手な思い込みと言えばそうなんですけど。 本格ミステリ大賞受賞作、とあるので、そういう心構えで読んで行くわけですが、何せ時代は18世紀。どうやって証拠を挙げていくのか、というところから興味が湧くわけです。でも、この時代はお金(身分)がものをいうようで、どちらかというとパズルではなく、捜査小説(?)という趣ですかね。 事件と平行して少年の物語が語られて行きます。 これが…何と言うんでしょう。当然事件と関係があるわけですが、読み進めていくと少々うんざりします。いや、文体がどうとか非論理的というのではなくて。嘘つきだらけというか、本当にままならない。終いには…いや言うまい言うまい。多分に主観もあるし。 ただ、その分「良い人」が映えるので、作者の狙い通りなのかなとは思います。 物語は本当に二転三転します。 伏線らしい伏線もないし、自分の考える方法で証言の裏が取れるのかどうかも判断できないので、パズル的な面白さーいくつもの謎が提示されて最後に全てのピースが嵌まるような爽快感ーはありませんでした。提示された謎の解釈が変わって行く…という感じですかね。 オビには「増える屍体、暗号、密室、監禁…」とあります。 間違ってはいないのだけど、人によっては首を傾げてしまいそうです。でも、これはこれで面白いですよ。 逆にパズルものは苦手、という方やこの時代のロンドンに興味のある方にはお勧めです。

Posted byブクログ

2014/02/10

いっき読み! 解剖教室の冒頭の場面からぐいぐい物語りへ惹きこまれ、提示される情報と増殖してゆく一方の謎を頭の片隅で整頓することも追いつかない面白さでした。舞台が18世紀ロンドンであることも興味深く読めた理由です。ゼッタイ住みたくない(笑)  登場人物は多めですが皆特徴があってすぐ...

いっき読み! 解剖教室の冒頭の場面からぐいぐい物語りへ惹きこまれ、提示される情報と増殖してゆく一方の謎を頭の片隅で整頓することも追いつかない面白さでした。舞台が18世紀ロンドンであることも興味深く読めた理由です。ゼッタイ住みたくない(笑)  登場人物は多めですが皆特徴があってすぐ覚えられました。一番印象的なのは黒い目隠しをしている盲目の判事サー・ジョン。判事の「目」を務める姪のアン(時に男装)も気持ちのよい女性で私はすごく好きです。

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2014/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

皆川博子さんの著作で最初に読んだのは「倒立する塔の殺人」でした。 最初の作品が合わなかったようで、この「開かせていただき光栄です」も、出版された当初はまた合わないんじゃないかと手をつけていませんでしたが……ついに文庫化されたので、購入してみることに。 装丁が綺麗で、カバーイラストの佳嶋さんがとても好きになりました。 そして今日読了。 感想はとりあえず、「とても面白かった」。 「解剖」という仄暗い単語を一つのテーマとして扱いながらも、グロテスクに感じさせない。シリアスな中に時折まぎれこむジョークも心地よくて好き。 なにより、解剖先生ダニエルを囲む5人の弟子たちが素晴らしい。どの子もとても頭がよくて、機転が利いて、楽しくて可愛らしい。私の推しはナイジェルくん。 本当の結末まで二転三転四転、最後にはじんわり感動、というか惚けてしまう。ああ、そうだったのね。 とにかくおすすめ。大好き。続編も出たようなので、手に取ってみます。

Posted byブクログ

2014/01/18
  • ネタバレ

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解説を読み終わり、本を閉じるとみんな思うはず「読ませていただき光栄です」と。 久しぶりに本格ミステリを堪能しました。なんかもっと恐いモノとかSFチックなものかと想像していたけど、全然違った。綺麗に、そう綺麗に納まった作品かと。 初読み作家さん。まず表紙めくったら著者紹介あって、1930年生・・・って、え?失礼ながらそのようなお歳とは・・・。作家さんには定年がないんですねえ。書けるまで書くということか、なんてビックリ。 18世紀のロンドン。そのイギリス・ロンドンの描写が、May_Romaさんのメルマガのまんまだったのも面白かった。 ダニエル先生側とネイサン・カレン側で、行きつ戻りつ、時間も行きつ戻りつで、ちょっと戸惑ったけど、その行きつ戻りつが謎と謎解きの駆け引きになって面白かった。展開は二転三転。事実を見つけ、問い質し、推理するが、また違う事実が出てきて、また推理。ジョン・フィールディング判事を悩ますエド・ターナー。引き込まれました。最後の裁判のシーンも、え??って感じ。 18世紀というちょっと昔な時代設定が生きたミステリ。医学レベルとかね。特に法制度関係がこの時代設定だからこそミステリとして成り立っているんだろうなあ。ちょっと昔が舞台というのは、京極さんの百鬼夜行シリーズに通じるものが。姑獲鳥の夏も今でいう人工授精の話だし。現代なら当たり前のことが、それが解明する前だと謎のひとつになってしまう。本書では過呼吸や人工呼吸のシーンが出てきます。 登場人物たちがすごくキャラがたっていたのも、読みやすくなっているかと。 エド・ターナー頭が良すぎ。しかもイケメン。次から次と状況が変わるのに、臨機応変に対応し、じぶんの思惑通りにシナリオを組み立てていく。ナイジェル・ハートは、最後ダニエル・バードナー先生が振り返るように、謎のまんまでしたねえ。そこが余韻になっているんだろうなあ。 どうしようもない悪人3人を殺害。殺されても仕方のない人間だったとは思いつつも、やはり手を下した責任は取るということで、優秀な二人の退場は物悲しい。 おまけの歌と楽譜、そしてショートストーリーは粋な計らい。沈んだ最後にちょっと一息、風を入れたような感じ。 素晴らしい作品でした。表紙がなかなかですが、中身はそんなにどぎつくないので。

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2014/01/11
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エドとナイジェルは怪しいと言えば割と始めから怪しかったのだけれど……二転三転してハラハラした   もうナイジェルを信じられない……   バートンズがとっても愛しい   師を敬愛する仲間思いの弟子たちも、弟子思いのダニエルも   だからこそ、ラストでのダニエルの後悔にはとても切なくなった   ネイサンに対してはなんて傲慢な鼻持ちならないガキ!と思っていたけれど……   ネイサン視点のお話の分量が段々少なくなるにつれて不安になっていった    ネイサンは死んでいるものとして読まされれいたから、驚き半分嬉しさ半分   そうだよね、ネイサンと面識があるのはエドとナイジェルだけだった   バートンズにしろエドナイジェルにしろネイサンにしろ、登場人物たちが今後どういう道を歩んでいくのかとても気になる   続編にはここのところを期待してもいいのでしょうか?  

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2013/12/29

文庫版。 久しぶりに読むと所々うろ覚え。 伏線の張り方や二転三転するストーリーはやっぱり素晴らしい! ミステリマガジンの短編も収録。

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2013/12/27

溜息がでるほど美しい装丁とタイトルですね。 自分の皮で本をつくったら、内容はミステリーにしてもらおう。そして金の箔押しを。 ダニエル先生と弟子の子たちのやりとりが微笑ましい。 「隠せ!」から始まるやりとりにずっとニヤニヤ。解剖ソングが可笑しくて哀しい。 なんともやり切れないラ...

溜息がでるほど美しい装丁とタイトルですね。 自分の皮で本をつくったら、内容はミステリーにしてもらおう。そして金の箔押しを。 ダニエル先生と弟子の子たちのやりとりが微笑ましい。 「隠せ!」から始まるやりとりにずっとニヤニヤ。解剖ソングが可笑しくて哀しい。 なんともやり切れないラストなんだけど、でも! 愛してる、愛してるよ! こんな素敵な本格ミステリを、いやいや読ませていただき光栄です。

Posted byブクログ

2013/12/22

タイトルに惹かれて久々に手に取った小説がこれ。とにかく面白かった。舞台となる18世紀ロンドンの街の描写、監獄の様子、誰もが人間であるという事実がまだ真理でも真実でも普遍でもない時代の人間どもの騙し合い、憎み合い、そしてどうしようもなさ。作品を支える著者の歴史解釈が素晴らしい。解剖...

タイトルに惹かれて久々に手に取った小説がこれ。とにかく面白かった。舞台となる18世紀ロンドンの街の描写、監獄の様子、誰もが人間であるという事実がまだ真理でも真実でも普遍でもない時代の人間どもの騙し合い、憎み合い、そしてどうしようもなさ。作品を支える著者の歴史解釈が素晴らしい。解剖医のダニエル、その弟子たち、判事とその助手、殺される悪党ども、そしてか弱い詩人。魅力的なキャラクターたちが織りなして作る複雑で魅力的なプロット。久々に読んだミステリが本作で良かった。皆川作品はまた読みたい。お気に入りはサー・ジョン判事。彼が泣き妻に想いを馳せるシーンが好き。とにかく最後までどんでん返しが続き面白い。その濃密さ故か、十分に語れることのない弟子たちや悪党どもの背景や気持ちについてもっと知りたいと思うのはたぶん無い物ねだりかな。

Posted byブクログ

2013/12/22
  • ネタバレ

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この完成度!緻密さ。ミステリーとしての構成力。登場人物の造形力。 このミス3位だっけ?なぜかイマイチ皆川作品は一般受けしないような印象だったので、我がことのように嬉しかった。寡作かと思っていたけど、書いているのに在庫があまりなかったり。 どんどんどんでん返しにやらた。舞台が海外だからか、海外で翻訳しても受けそう。 人物としては終盤で皆川節全開?と嬉しかった。この人のこの妖しい雰囲気がすき。やはりゴシックなのか?

Posted byブクログ