チェーザレ・ボルジアを知っていますか? の商品レビュー
借りたもの。 惣領冬実『チェーザレ』( https://booklog.jp/item/1/4063722015 ほか )シリーズ公式ガイドムック本。 本編内でも描かれていたが『チェーザレ』の歴史的背景――ローマ、フィレンツェの歴史から、ルネサンス期の教皇vs皇帝の権力抗争に至る...
借りたもの。 惣領冬実『チェーザレ』( https://booklog.jp/item/1/4063722015 ほか )シリーズ公式ガイドムック本。 本編内でも描かれていたが『チェーザレ』の歴史的背景――ローマ、フィレンツェの歴史から、ルネサンス期の教皇vs皇帝の権力抗争に至る所以、均衡勢力に疫病、外交的脅威――をまとめている。 他に、キリスト教入門、ヴァチカン市国やルネサンス期の面影を遺す都市ガイド、主要人物の紹介など盛りだくさん。 特に、ルネサンス期名家の家紋と婚姻関係図をまとめてくれていたのが私には重宝。 ルネサンス美術史紹介いわずもがな。 本編より引用だが、ルネサンス期ファッションスナップも。 更にはグルメに、ルネサンス・ワイン探訪。オキモト・シュウ『神の雫(3),(4)』( https://booklog.jp/item/1/406372459X / https://booklog.jp/item/1/4063724778 )を思い出す。マキャヴェッリに敬意を表してキャンティを飲みたくなる。……ミケランジェロの畑のワインが載ってない。 当時のワインブックがあった事を紹介!サンテ・ランチェーリオ『I VINI D'ITALIA』を読んでみたい…… 『チェーザレ』シリーズを楽しむためのブックガイド!は、読みたい本が増えてしまう…!! 最後はドラマ『ボルジア家』( https://paramount.jp/borgias/ )の紹介。 『チェーザレ 破壊の創造者 特別編 二人の巨匠』( https://booklog.jp/item/1/4904345355 )同様、2013年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像』( http://www.tbs.co.jp/leonardo2013/ )、『ミケランジェロ展―天才の軌跡』( http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/ )に因む。
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長期連載中のコミック『チェーザレ』のガイドブックである。 コミックスの方は、ちびちびと読み進めていて、現在6巻を読み終わったところ。自分も気長に読んでいるが、単行本発刊もハイペースではなく、1巻が2006年に出て、2014年現在、10巻まで出ている。1巻が1491年から始まってい...
長期連載中のコミック『チェーザレ』のガイドブックである。 コミックスの方は、ちびちびと読み進めていて、現在6巻を読み終わったところ。自分も気長に読んでいるが、単行本発刊もハイペースではなく、1巻が2006年に出て、2014年現在、10巻まで出ている。1巻が1491年から始まっているが、8巻でようやく1492年となるようだ。回想を交えつつとはいえ、実質的に、7巻分は1年間の出来事を綴っていることになる。 スローペースであるのは、著者・惣領冬美がとにかく作画前の裏取りに精力を注いでいるためである。膨大な資料の上に、精緻で美麗な絵が描き出されている。 ストーリーの元となっているのは、邦訳のないグスターフ・サチェルドーテ(Gustavo Sacerdote)による伝記『CESARE BORGIA』。これは、監修者の原基晶が、多くの資料が網羅され、批判も評価も同等に扱っている点から選び出したものである。 本書自体は、コミックのファンブック的要素とルネサンスの歴史学的解説、さらには簡単な旅行ガイドやら美術ガイド、ブックガイドも着くという、なかなか欲張りな作りである。 正直、コミックシリーズを読んでいない人であっても、ルネサンス入門書の最初の1冊として推すか、と問われれば、首を横に振る。が、随所に突っ込んだ解説があって、コミックに興味を持った人であれば、手にとっても損はないと思う。 歴史解説部分としては、列強国7、都市50、重要人物62、名家15が紹介されている。 ・・・のだが、多い。それはまぁ一大大河ドラマなわけであるので、キャストが多いのは仕方がないのだが、さらさらっと通読しただけでは、誰が何家の誰で、将来何になって、何家と何家はどの時点で手を結んで、誰が誰に対してどんな陰謀を企てて、とすすっとは納得できるものではない。 家系図と照らし合わせながら読んでいくわけだが、いやはや大変である。 途方に暮れそうなところだが、まぁ専門外であり、コミックスも基本は息抜きのつもりで読んでいるので、気を取り直して、興味を惹いたところを拾うことにする。 チェーザレはなかなかの洒落男だったようだ。コミックスではよく黒を身につけているのだが、「黒」という色は技術的に染色が難しかった色だそうで、この時代にようやく可能になったそうだ。とはいえ、やはり値は張る。黒のファッションは富なくしては不可能であったのだ。 対して、庶民は青をよく身につけたようだ。染めむらが出がちだが、うまくいけばきれいに染まることもある。そうしたものをうまく見つけ出すのがセンスの見せ所。ルネサンス期のチープ・シックといったところか。 染料が何であったのか等、細かいところまでは触れていないが、別の本を探して染色の歴史を追ってみるのも楽しいのかもしれない。 その他、ヴァティカン案内、パトロンとアーティストの関係から見るルネサンス絵画、史跡に近いレストランのグルメガイドなども楽しめた。 さてさて、いずれにしても自分がまだまだ物語の端緒に着いたばかりなのはわかった。物語の最初の山は、どうやら、1492年、コンクラーベ(教皇選)であるらしい。この年はまた、レコンキスタが終結し、コロンブスがスペインから出航する年でもある。 作者・監修者には、健康に気をつけて、息の長い連載を乗り切っていただきたいものである。
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PDFダウンロード付きだったので, 雑誌本体を貸してもPDFで自分は読めるってのが良いね. PDFはもう少し解像度高かったら良かったな.
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ざっくり見ただけですが、この副読本はすごいかもしれない。めっさ学術的にまとめられた副読本。すっごく好み。『ベルサイユのばら』には副読本と呼ばれるものが何冊かあるけど、わたし的にはどれもイマイチ。歴史的にどうか?文化的にどうか?と言う視点よりも、もっとエンタメよりに作っているから、...
ざっくり見ただけですが、この副読本はすごいかもしれない。めっさ学術的にまとめられた副読本。すっごく好み。『ベルサイユのばら』には副読本と呼ばれるものが何冊かあるけど、わたし的にはどれもイマイチ。歴史的にどうか?文化的にどうか?と言う視点よりも、もっとエンタメよりに作っているから、つまらないページが沢山ある。それに比べてこちらの副読本のアカデミックなこと!ベルばら50周年の時には是非ともこれ位実のある副読本を作ってもらいたい。詳しい地図も付いてるので、この時代を舞台にした小説なんかを読む時にも役に立つかも。地名や人名が複雑過ぎてめげてしまい、一時中断している『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』もこれがあればスイスイ読めそう。
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