さようなら、オレンジ の商品レビュー
母国を離れ、難民として異国に住む主人公。 彼女は強く優しく、他人の為に人生を歩んでいる。 そして彼女の周りには、同じように他人の為に人生を歩んでいる人々が集まっている。 激しいストーリーではないが、しなやかに強く暖かい物語りだった。
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ブログに掲載しました。 http://boketen.seesaa.net/ 胸に響く、中盤のクライマックス アフリカからの難民サリマが、オーストラリアの地方都市で生き抜く。
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こんなあたしを罵るなら罵るがいい、去る者は去ればいい、だけどあたしの生まれ持ってきたものは誰も奪えない、そして掴んだものを奪うことは二度と許さない― モノローグの端々に、アフリカ難民であるサリマの憎しみ・哀しみ・愛情が溢れていて、胸を打たれました。 残酷だなと思う反面、強く生...
こんなあたしを罵るなら罵るがいい、去る者は去ればいい、だけどあたしの生まれ持ってきたものは誰も奪えない、そして掴んだものを奪うことは二度と許さない― モノローグの端々に、アフリカ難民であるサリマの憎しみ・哀しみ・愛情が溢れていて、胸を打たれました。 残酷だなと思う反面、強く生きていく姿に熱くなります。 日本人・ハリネズミのエピソードが効果的に差し込まれていて、母親の葛藤が更にリアルに。 オーストラリアというと、ノンビリ優しいイメージを勝手に抱いていましたが、本作に書かれているようなことも日常で起こっているんだろうな…
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オーストラリアに移住したり、ワーホリや大学を卒業してから留学に行こうと思う人はまず読んでおくべき本であろう。日本人の置かれた立場、英語の勉強、など仲介会社では教えてくれない事実、あるいはオーストラリアで結婚して生活している日本人あるいはアジア人なら誰でも体験することが満載である。...
オーストラリアに移住したり、ワーホリや大学を卒業してから留学に行こうと思う人はまず読んでおくべき本であろう。日本人の置かれた立場、英語の勉強、など仲介会社では教えてくれない事実、あるいはオーストラリアで結婚して生活している日本人あるいはアジア人なら誰でも体験することが満載である。小説ではあるが、様々な事実を重ねて書いてあるので、オーストラリアに住んでいる日本人は共感することが多いと思われる。
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オーストラリアに流れ着いたアフリカ難民のサリマ。 色々な事情で異国に移り住み、 互いに支え合いながら力強く生きる女性たちの姿が描かれている。 「生きる、そのために私はこの国にやってきた。」 サリマの言葉でもあり 異国に住む全ての女性の言葉、物語でもある。 言葉の持つ大切さが全編を...
オーストラリアに流れ着いたアフリカ難民のサリマ。 色々な事情で異国に移り住み、 互いに支え合いながら力強く生きる女性たちの姿が描かれている。 「生きる、そのために私はこの国にやってきた。」 サリマの言葉でもあり 異国に住む全ての女性の言葉、物語でもある。 言葉の持つ大切さが全編を通じて届けられている。
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小説でしか表せないだろう。これは。 文字を目で追う事で、そして頭で心で反芻して味わって考えてじわーっと沁み込んでくるこの感じ。 言葉もわからない異国の地で、ひたむきにたくましく生きていく女性の姿に心が動かされる。 その凛とした佇まいに惹かれる。 重すぎず、けど心にしっかり残る作...
小説でしか表せないだろう。これは。 文字を目で追う事で、そして頭で心で反芻して味わって考えてじわーっと沁み込んでくるこの感じ。 言葉もわからない異国の地で、ひたむきにたくましく生きていく女性の姿に心が動かされる。 その凛とした佇まいに惹かれる。 重すぎず、けど心にしっかり残る作品だった。
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舞台はオーストラリア。 主人公はアフリカから移り住んできた難民の女性、サリマ。 子どもを抱えながら、必死で日々を生きる姿が描かれています。 彼女は仕事をし、言葉を勉強し、たぶん劣等感を感じながら生きています。 それでも悲観的にならずに、知る喜びを感じながら前を向いています。 その...
舞台はオーストラリア。 主人公はアフリカから移り住んできた難民の女性、サリマ。 子どもを抱えながら、必死で日々を生きる姿が描かれています。 彼女は仕事をし、言葉を勉強し、たぶん劣等感を感じながら生きています。 それでも悲観的にならずに、知る喜びを感じながら前を向いています。 その姿がいいなと思いました。 登場人物たちのほとんどが移民で、英語を母語としない人たちです。 日本人が日本に住んで、当たり前に日本語を話していると全く考えることはないんだけど、言葉が通じない、というのは大きなハンデなんだろうなというのを感じます。 子どもはその社会で生活していると自然としゃべれるようになるけれど、大人だとなかなかそうもいかなくて、彼らはバカにされながらもひっそりと暮らしています。 何も言わずにいるけれど、彼らにだって感情はあるんですよね。 当たり前だけど、そのことを考えました。 この小説では舞台が英語圏だけれど、日本でも言葉をしゃべれない人に対して差別的な、批判的な見方をしていないだろうか。 そんなことを考えます。 テーマがテーマなので、考えてしまうことは多いけれど、重くなりすぎない作品なのでよかったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
非常に色彩豊かな小説。孤独と言葉の物語かと思いきや、単にそういうものではない。言葉の先にある、「人間」や「人生」、「命」をまなざしている。 内容を要約してみると、「異郷でそれぞれ異なる母国語をもつ女性たちがつながりあい、悩み、模索しながらそれぞれが自らの道を見つけてゆく。故郷と同じ、そして孤独を忘れさせる希望の象徴でもあったオレンジに別れを告げて」・・という感じなのかな。 小説を読んだのは久しぶりでした。なので、まだ読みが不十分という感じがしていますね・・。全然違う本だったりして。 期待と違う展開でした(良い裏切られ方ではない)けど、面白かったです。色々考えさせられる言葉がありましたが、とくに気になったのが「言葉も平等であるべきではないでしょうか」。文脈以上に考えさせられる言葉です。じっくり考えてみようと思います。
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