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メグル の商品レビュー

3.6

38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2016/02/21

H大学学生部では、学生へアルバイトや家庭教師を斡旋する求人の仕事もしている。 その中には、ちょっと奇妙な仕事も混ざっていて・・・ 「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」の5つの短編集ですが、全てに共通して登場するのが奨学係唯一の女性職員である悠木さん。 ちょっぴ...

H大学学生部では、学生へアルバイトや家庭教師を斡旋する求人の仕事もしている。 その中には、ちょっと奇妙な仕事も混ざっていて・・・ 「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」の5つの短編集ですが、全てに共通して登場するのが奨学係唯一の女性職員である悠木さん。 ちょっぴりホラーで、ふんわり心温まるのは乾さんの作風なんですね。 最初の「ヒカレル」はいい話ながら結構怖くて、ドキドキしながら読みました。 亡くなった後に、生きている人をあの世に引っ張っていってしまうという「引く手」。それを阻止するために、一晩死者の手を握って添い寝をしてください。 そんなアルバイト、想像するだけで怖すぎてもう・・・。 おまけに斡旋する悠木さんには、「あなたは行くべきよ。断らないでね」なんて言われるし。 結果的にはいい話ではあるんですが、とてつもなく怖かったです。 振り返ってみると、どれもこれも温かさを交えつつも、奇妙で怖い。 それでいて最後を美しい余韻で終わらせているのがさすがです。春を心待ちにさせてくれる表題作でもある「メグル」は、怖いながらもよかったですね。 いつでも季節は巡り、美しい花が咲いて気持ちのいい日が訪れる。そう意識することで、なんとも心が晴れやかになるものですね。 「タベル」で佐藤さんがあるものを失って、不思議な力を得たように、悠木さんも失ったものの代償として不思議な力を授かったのかもしれませんね。 人と想いを繋ぐ、繋ぎ手のような力を。 読み進めていくにつれて、少しずつ悠木さんの過去や人柄が見えてくるのもよかったですね。 ちょっと怖いけど、また読みたくなる短編集でした。

Posted byブクログ

2016/02/15

連続性のある、短編集。分かりやすく言うなら、世にも奇妙な物語。 学生にアルバイトを斡旋する大学の奨学係。 ロクなバイトないんだよね。だけど… 「あなたは行くべきよ。」 「断らないでね。」 奨学係の職員である、少々怪しげな女性、ユウキさんに導かれるように…。 この1冊の中には、...

連続性のある、短編集。分かりやすく言うなら、世にも奇妙な物語。 学生にアルバイトを斡旋する大学の奨学係。 ロクなバイトないんだよね。だけど… 「あなたは行くべきよ。」 「断らないでね。」 奨学係の職員である、少々怪しげな女性、ユウキさんに導かれるように…。 この1冊の中には、5話が納められているのだけれど、いくらでも物語は生まれてきそうな話し。 イメージ的には、土曜の21時から、ジャニーズの若手で連ドラいけそう。みたいな話し。 つまり、ものすごーく複雑でもなければ、ものすごーく感動するわけでもないし、ものすごーく涙をそそる話しでもないけど、少しミステリー、少しホラー、少しヒューマン、少しホット。 一人ひとりの〝僕〟が抱えるそれぞれの悩みや問題を半ば強引に行くことになったアルバイトによって、救われたり、再生や解決してくれる物語。 2016.0214 今年の4冊目

Posted byブクログ

2015/05/06

不思議なおねえさんが仲介する、不思議な短期バイトの連作。ややSF要素あり。 全5作は、各話の主人公、仕事内容、結末とテイスト、テーマらしきもの…等々が異なり、全体は絶妙なバランス感を保っていた。 バラエティを揃える連作短編の構成としては、教科書的な出来。各話は、「必須」とまでいえ...

不思議なおねえさんが仲介する、不思議な短期バイトの連作。ややSF要素あり。 全5作は、各話の主人公、仕事内容、結末とテイスト、テーマらしきもの…等々が異なり、全体は絶妙なバランス感を保っていた。 バラエティを揃える連作短編の構成としては、教科書的な出来。各話は、「必須」とまでいえないが、「必要」といえる感じ。 もう少しページかけて、例えば主人公の感情推移をゆっくり重厚にしてくれれば、もっと印象に残ると思う。 一番好きなのは「モドル」か。 3-

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2016/03/30

 H大学の学生部に貼りだされる不思議なバイトの紹介。大学女性職員に勧められたバイトをする学生たちの姿を描いた連作短編。  ファンタジーであり、ホラーでありミステリー。各話ごとに作品のジャンルが変わる何とも不思議な作品。しかし、ホラーやファンタジー要素が思わぬ形でバイトをした学生...

 H大学の学生部に貼りだされる不思議なバイトの紹介。大学女性職員に勧められたバイトをする学生たちの姿を描いた連作短編。  ファンタジーであり、ホラーでありミステリー。各話ごとに作品のジャンルが変わる何とも不思議な作品。しかし、ホラーやファンタジー要素が思わぬ形でバイトをした学生たちに影響を与える、という点があり、そうした意外性と結末が分かってからの暖かさが非常に雰囲気のいい作品でした。  美しさという点では最終話の「メグル」が印象的。毎年庭の手入れのバイトを依頼する女性の真実が分かってからの切なさ。そして登場人物たちの優しさと最後の彼女の言葉と思いがとても綺麗です。  この短編集では味わいの違う「アタエル」もなかなか強烈な作品。学生たちにバイトを進める女性職員は「あなたは行くべきよ、断らないでね」と毎回学生に声をかけるのですが、この短編に限っては「あなたは行くべきじゃないわ、後悔しないでね」と声をかけます。  作品全体の雰囲気の不気味さ、そして結末に思わず背筋が凍りました。この学生はちゃんと注意を聞けよ、と思わずにいられなかったです(苦笑)。  そうした短編もあるものの全体的には読後気持ちが少し明るくなる短編集でした。

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2014/12/24

たまたま本屋で目にとまった本。『アタエル』はいろいろ悪い想像をしてしまって心臓に悪いレベル。しかもあたってるし…。女性の外に出ない鬱屈さと陰湿さを文字にしたらこんな感じと言っていい話かも。後に『タベル』を持ってきたのは確信的ですね。『メグル』でほっとした雰囲気になり読後感は爽やか...

たまたま本屋で目にとまった本。『アタエル』はいろいろ悪い想像をしてしまって心臓に悪いレベル。しかもあたってるし…。女性の外に出ない鬱屈さと陰湿さを文字にしたらこんな感じと言っていい話かも。後に『タベル』を持ってきたのは確信的ですね。『メグル』でほっとした雰囲気になり読後感は爽やかです。推理ものというよりも季節のめぐりに人生をなぞらえる、テーマ性をもった短編。光あふれる表紙もこの小説によくあっています。

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2022/01/16

「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」の5編を収録。『ばくりや』も読んで、乾さんの世界が少し分かった気がします。不思議で、ちょっとグロテスクな部分もあるけど不快さはない。「アタエル」の真相はちょっと・・・でしたが。読んでいくうちにユウキ(悠木)さんの過去も分かり、...

「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」の5編を収録。『ばくりや』も読んで、乾さんの世界が少し分かった気がします。不思議で、ちょっとグロテスクな部分もあるけど不快さはない。「アタエル」の真相はちょっと・・・でしたが。読んでいくうちにユウキ(悠木)さんの過去も分かり、最後はしんみりしました。

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2014/09/11

ちょっと不思議な空気が漂う落ち着いた作品。 かなり好みです。 シリーズ化されてないのかな? 初めて読む作家だったので、別の作品にもチャレンジしてみよう。

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2014/09/03

学生部の女性職員・悠木さんから「あなたは行くべきよ。断らないでね」「あなたは行くべきじゃないわ。後悔しないでね」などと言われて紹介されたバイトをすることになった大学生達の5つの出来事。 それぞれの物語の中に、人の悲しさだったり優しさだったり毒々した黒い感情だったりが溢れていて、行...

学生部の女性職員・悠木さんから「あなたは行くべきよ。断らないでね」「あなたは行くべきじゃないわ。後悔しないでね」などと言われて紹介されたバイトをすることになった大学生達の5つの出来事。 それぞれの物語の中に、人の悲しさだったり優しさだったり毒々した黒い感情だったりが溢れていて、行ってよかったー!な体験だったり、行かなきゃよかった…な体験だったり。行くべきか行くべきじゃないか、それはまさに悠木さんの言う通り。 もし自分が悠木さんにバイトを紹介されたとしたら、一体どんな体験をすることになるんだろう。

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2014/08/03

大学の学生部の不思議な女性が斡旋するアルバイト5つの話。 1番目の話がなかなかホラーで印象的だった分、その後の話はややインパクトに欠けた。でも、最後のメグル、が1番綺麗な余韻があった。

Posted byブクログ

2014/03/25

ヒカレル、タベルは綺麗にオチがついて面白かったなー。それ以外は読み物として退屈はしなかった。ただ、「短編連作」という触れ込みと「メグル」というタイトルから全話通してのストーリーがあるものだと思っていたのだけど、なんてことはない、ただの「短編集」で、少し拍子抜け。

Posted byブクログ