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ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅 の商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

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2024/07/26

 イングランドの南端からスコットランドに接する北端のベリックまでの約800キロまで歩くハロルド・フライは会社を定年退職したばかりの65歳で、歩く経験はほとんどない、平凡そのもので冴えない人生を送ってきた人。妻モ―リーン、長男デイヴィッドにも馬鹿にされてきたことが度々語られる。彼が...

 イングランドの南端からスコットランドに接する北端のベリックまでの約800キロまで歩くハロルド・フライは会社を定年退職したばかりの65歳で、歩く経験はほとんどない、平凡そのもので冴えない人生を送ってきた人。妻モ―リーン、長男デイヴィッドにも馬鹿にされてきたことが度々語られる。彼がなぜ巡礼のような旅に出ることになったのか、クウィーニーという20年前に共に働いていた女性から癌に罹って余命短いという手紙を貰ったことから。歩くという決意をしたハロルドの思考は理解できない、現実離れ、と思って読み進んでいったが、ゴールが近づき、彼や妻が抱えていた深刻な背景が明らかになり、それが「巡礼」のような歩行に繋がったのだと分かる。冒頭で「天路歴程」の一節が掲げられているが、「天路歴程」のクリスチャンの歩みが、無宗教というハロルドと対照的にも関わらずオマージュとして重なってくる。旅の途中で出会ったガソリンスタンドの女店員、スロヴァキアから来た女医師マルティーナ、共に巡礼のように歩いたケイトたち。隣の老人レックスのモーリーンへの親切。蘇ってくるモーリーンとの47年前の出会い、過去にハロルドが出会った人々の思い出、そしてイングランドの美しい景色が徐々にハロルドを浄化していったように感じられ、ゴール後のハロルドとモーリーンの平安な心持ちに清々しい読書感を覚えた。

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2024/06/19

映画化の現在と聞いて読んでみた。イギリスで大流行したとのことで、地方風景描写と、主人公夫婦の心の描写が上手いと思った。

Posted byブクログ

2024/06/20

これの映画に行こうかなと思ったけれど、たまたま図書館で見つけたので読んでみることにした。 長くうちにこもって生きてきたハロルド・フライの心が、歩き始めて会う人々の事情や悲しみや企みに触れて行くうちひらかれる。 夫の態度を責め家庭内別居はしているけれど、置き去りにされたと苦しむ妻...

これの映画に行こうかなと思ったけれど、たまたま図書館で見つけたので読んでみることにした。 長くうちにこもって生きてきたハロルド・フライの心が、歩き始めて会う人々の事情や悲しみや企みに触れて行くうちひらかれる。 夫の態度を責め家庭内別居はしているけれど、置き去りにされたと苦しむ妻モーリーン・フライも思い違いに気づき、心も徐々にほぐれていく。 設定が今ひとつ現実的ではないけど、間に合うかどうかはさておき経過が大事ってことで… キリスト教的な考え方だと信じれば間に合うのかな

Posted byブクログ

2023/10/19

何気ない日常からいきなり始まる感じがまず驚きました。そこからの色んな紆余曲折にヒヤヒヤ、ヤキモキしながらも、巡礼終わりの着地点がなんか清々しかったです!期待以上でした

Posted byブクログ

2020/06/23

最初に勘違いしたのは、若者の感傷旅行だと思いこんでいたこと。当然ながら 読み始めてすぐに思い違いに気づく。定年を迎え、家庭内別居にある年金生活の男性がある日突然何の用意もなく、死が迫りつつある昔の同僚を見舞う徒歩旅行を始める。 途中の様々な人との出会い、過去の回想、挫折しかかった...

最初に勘違いしたのは、若者の感傷旅行だと思いこんでいたこと。当然ながら 読み始めてすぐに思い違いに気づく。定年を迎え、家庭内別居にある年金生活の男性がある日突然何の用意もなく、死が迫りつつある昔の同僚を見舞う徒歩旅行を始める。 途中の様々な人との出会い、過去の回想、挫折しかかったり、思いがけぬ啓示を得たりとこの種の物語の定石を積み上げつつ旅は続く。 意外性は全くない話だと思っていたらどうして、まさかの過去の秘密が出てきた、と思ったのは私くらいで、慧眼の人はお見通しだったのかな?

Posted byブクログ

2020/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ハロルド・フライは最近会社を定年で辞め、趣味もなく、友だちもなく、家に閉じこもって暮らしている。 妻はデイヴィッドが生まれてからずっと、デイヴィッドだけを見つめ、デイヴィッドだけを支えに生きてきた。 二人の自慢の息子デイヴィッドはしかし、頭が良すぎたのが災いして両親を見くびり、その愛情を拒絶して、姿を消してしまったのである。 それ以来ハロルドとモーリーンは、一つ家に住みながら他人のように暮らしてきた。 しかし、ハロルドの元に、昔の同僚の女性から手紙が来る。末期がんの彼女の手紙に返事を書いたハロルドは、彼女にどうしても直接会って話がしたいと思い、ふらりと家を出たままの格好で、1000キロ離れた彼女の入院するホスピスまで歩くことにする。 歩いている途中でいろいろな人と出会い、ハロルドはどんどん自分の過去と向き合うことになる。 どうして家族とうまくいかないのか、何が悪かったというのか。 きっかけはクウィーニーからの手紙だが、ハロルドが見ているのはあくまでも自分の心のうちであり、家族であり、過去である。 自信を持ったり挫折感を味わったりしながらも、だからハロルドは自分が笑顔で迎え入れられることを信じていた。 だからクウィーニーの変わり果てた姿を見て、ハロルドは衝撃を受ける。 読みながらずっと感じていたことだけど、ハロルドも、モーリーンも、デイヴィッドもみんな身勝手だ。 それぞれに言い分があることはわかるが、自分の満たされないことばかりを考えている。 それに引き換え、クウィーニーはその心の内を何も語らない。 この孤独で、真っ当で、心優しい女性は、何と都合のいい存在なのだろう。 彼女自身の幸せを誰も願ってくれてはいないというのに。 世間の評判とは反対に、私にはこの作品で心が震えることはなかった。 死にかけているクウィーニーは自分を待っているはずだ。自分が到着するまで生きのびるはずだ。 彼女のために1000キロの道を歩くというのなら、まず歩きやすい格好をするのは当たり前だ。 その気になれば私だって一日30キロくらいは歩ける。(その日のうちに熱出したけど) なのにハロルドはせいぜい一日10キロくらいしか歩けない。 甘っちょろいヒューマニズムだなと思った。 アンサーソングではないが、クウィーニー視点の「ハロルド・フライを待ちながら」があるそうなので、機会があれば読むかもしれない。

Posted byブクログ

2018/12/11

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2018/11/14

ノンフィクションの巡礼本好きなんだけどねー、これはフィクション。 初老男性が突如思い立って、なんの準備もなく死にゆく友に会いに徒歩旅に出る。 根底にあるのは冷えきった夫婦の話、なんかすべてがありきたり。フィクションすぎるのよね。 『巡礼コメディ旅日記』ハーペイ・カーケリングを読ん...

ノンフィクションの巡礼本好きなんだけどねー、これはフィクション。 初老男性が突如思い立って、なんの準備もなく死にゆく友に会いに徒歩旅に出る。 根底にあるのは冷えきった夫婦の話、なんかすべてがありきたり。フィクションすぎるのよね。 『巡礼コメディ旅日記』ハーペイ・カーケリングを読んだほうがずっと得るものがあるだろう。

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2017/02/09

軽い読み物ではなく、けっこう重かった ハロルドと妻モーリーンの惰性で続いている夫婦関係 モーリーンは旦那に優しい言葉をかけてあげたい自分がいるが、実際はいつも旦那にきつい言葉を投げかけ自己嫌悪に落ちいる でも最後にモーリーンが夫に、やーっと言えた「愛してるわ」 夫婦再生に年齢は関...

軽い読み物ではなく、けっこう重かった ハロルドと妻モーリーンの惰性で続いている夫婦関係 モーリーンは旦那に優しい言葉をかけてあげたい自分がいるが、実際はいつも旦那にきつい言葉を投げかけ自己嫌悪に落ちいる でも最後にモーリーンが夫に、やーっと言えた「愛してるわ」 夫婦再生に年齢は関係ないんだな

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2016/01/24

読み始めて、なかなか読み進まんかったけど、中盤以降、ぐいぐい来ておもしろかった。 ハロルドにもっとしっかりせーよと言いたいとこやったけど、いろいろと奥さんのモーリーンとの関係とか、クゥイーニーとの過去の物語とかが少しずつ見えてきて、面白くなってきた。自信がついたりへこんだり、自分...

読み始めて、なかなか読み進まんかったけど、中盤以降、ぐいぐい来ておもしろかった。 ハロルドにもっとしっかりせーよと言いたいとこやったけど、いろいろと奥さんのモーリーンとの関係とか、クゥイーニーとの過去の物語とかが少しずつ見えてきて、面白くなってきた。自信がついたりへこんだり、自分の思いが夫婦といえどなかなか伝わらんこととか、じんわりとくるものがあった。 旅で出会った人たちの中でも、お世話になったマルティーナとの後日譚が欲しいとこやった。 ガソリンスタンドの女の子への手紙と、女の子とモーリーンの会話にじーんときて、ラストのクゥイーニーの思い、それからハロルドとモーリーンのシーンはイメージが浮かんでじーんときた。 いい物語。

Posted byブクログ