水族館の歴史 の商品レビュー
海はかつて恐怖に満ちたタブーとされていたが、それがいかにして、水族館という形になったのか、という歴史書。 海を室内に持ってくるために、人々はさまざまな工夫を凝らし、水槽を作り上げた。当初は魚だけを水槽に入れ、死んでいく魚をみて、どう水槽の魚を生かし続けるべきかを考え、やがて海を...
海はかつて恐怖に満ちたタブーとされていたが、それがいかにして、水族館という形になったのか、という歴史書。 海を室内に持ってくるために、人々はさまざまな工夫を凝らし、水槽を作り上げた。当初は魚だけを水槽に入れ、死んでいく魚をみて、どう水槽の魚を生かし続けるべきかを考え、やがて海を再現する、という考えに至る。これがアクアリウムという発想である。 アクアリウムを作るうち、さらに多くの種類の魚を、水を汲みかえる効率の良さを求め、さまざまな形に改良していく様子は、この本の挿絵を見ると非常にわかりやすい。 そして、個人で所有するアクアリウムは、水族館という、エンターテイメントへと進化する。水族館は同時に水棲生物の研究対象ともなり、研究施設という側面も持ち合わせるようになった。 しかしながら、そうした海を陸に持ち込もうとする行動が、環境を大きく損なわせてきた事実は、決して変わることはない。この本の著者も、アクアリウムを個人で所有することに難色を示している。 水族館は、それぞれの展示がいかに魅力的に演出するかの工夫が施されていて、見る人を楽しませてくれる。 しかし、それは全てが切り取られた自然である、ということを頭の片隅に置いておかなければならない。
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水槽で海の生物を飼う文化史。かつてヨーロッパではミズグモも飼っていたらしい!巻末の水族館リストに、日本の水族館として、かごしま水族館・江ノ島水族館・海遊館・美ら海水族館の4つしか出てないのが不思議。このチョイスの訳は???
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アクアリウムの歴史を鳥瞰した本。いわば文化系のアクアリム研究。これはこれでありだな、とは思ったけれど、実際に熱帯魚水槽で魚を飼っている身としては食い足りない。海や川を室内に持ってくるためには、生物濾過とか、照明の使い方とか、餌の開発とか、PHの調整とか、魚と水草のバランスとか、人...
アクアリウムの歴史を鳥瞰した本。いわば文化系のアクアリム研究。これはこれでありだな、とは思ったけれど、実際に熱帯魚水槽で魚を飼っている身としては食い足りない。海や川を室内に持ってくるためには、生物濾過とか、照明の使い方とか、餌の開発とか、PHの調整とか、魚と水草のバランスとか、人工海水の作り方とか、ぼくが入門書で学んだいろいろのノウハウが必要だ。これらのノウハウがどうやって確立されてきたのか、この辺を語らずにアクアリウムは語れない。きっと面白いだろうと思うのだが。
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1 最初の種 2 第二の種 3 第三の種 4 「情熱と勤勉」 5 強くあくなき追求 6 海水アクアリウムから淡水アクアリウムへ 7 アメリカへの上陸 8 異国の品種とその輸送 9 流行の見本市 10 「新種の劇場」 11 アクアリムからオセアナリウムへ、そしてその先へ 12 水族...
1 最初の種 2 第二の種 3 第三の種 4 「情熱と勤勉」 5 強くあくなき追求 6 海水アクアリウムから淡水アクアリウムへ 7 アメリカへの上陸 8 異国の品種とその輸送 9 流行の見本市 10 「新種の劇場」 11 アクアリムからオセアナリウムへ、そしてその先へ 12 水族館の暗い深層
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