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ドキュメント 気象遭難 の商品レビュー

4.3

7件のお客様レビュー

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2022/12/17
  • ネタバレ

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羽根田治氏の"遭難"シリーズとして、私が読む4冊目となるが、実はこれが第1作だったということで、だいぶ順番前後してしまった。 街中では何でもない天候の時でも、山では雨がポツポツきていたり風が強かったり、あるいは空模様が目まぐるしく変化したり…という経験は近所の低山であってもよくあることなので、日本アルプス等の山域では1つの判断ミスが命取りになり得る、というの容易に理解できる。 この書中でもしばしば"観天望気"という言葉が出てくるが、日帰りならともかく、2日以上に渡りアタックや縦走をするスケジュールの山行に赴くのであれば、その能力は必要になってくるのだろう。 と言いながら、生活のベースが山にある場合は別として、普段は街に暮らす趣味登山人が限られた機会にそのような知識を身に付けるのは至難であるようにも思うが…。 読了して、中でも恐ろしいのは雷だと、個人的には感じた。 いざ自分がその現場に居合わせたとして、適切に対処できる自信はもちろんまったくないし、こちらも著者が言及しているが、落雷に関してはケーススタディが少ないため、たとえプロのガイドであっても咄嗟に的確な判断ができるとは限らない、という実態があることが分かった。 また、落雷には特有の後遺症があって、一命を取り留め回復したとしても、長年それに悩まされる人が多い、ということも初めて知った。 山岳会に所属し、高い技術と豊富な経験を持つアルピニストたちが、進退窮まってもギリギリまで救助要請を出すかどうか迷い、さらには無事救助された後、懸念された通り山仲間たちが責め立てる…という現象が本当にあるんだなと驚くと同時に、あまりに非合理的と言える"山ヤ"のくだらないプライドに辟易した。

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2022/10/30

冬山は怖いですなあ。生命に関わる要素が多過ぎる。どの事例もそんなに責められないなぁと思いながら読んだ。少し古いけどいろんなケースが丹念に描かれてて良かった。興味深いのがどのケースでもGPSについて全く記述が無いことで、1990年前後ならまだしも2000年前後でも全く普及してなかっ...

冬山は怖いですなあ。生命に関わる要素が多過ぎる。どの事例もそんなに責められないなぁと思いながら読んだ。少し古いけどいろんなケースが丹念に描かれてて良かった。興味深いのがどのケースでもGPSについて全く記述が無いことで、1990年前後ならまだしも2000年前後でも全く普及してなかったことに驚く。今なら少しは違うのか?

Posted byブクログ

2022/07/11
  • ネタバレ

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著者は当事者たちにインタビューを試みるも拒絶されたケースがかなりあって、その場合、事件直後のレポートに頼らざるを得なかったらしい。事件当時は相当叩かれて、マスコミ不信になったのだろうなと想像はつく。それでも、当事者を必要以上に攻撃することなく、論点をまとめ分かりやすく示した著者の努力に感謝したい。このような事例を我々が知っておくことは、山の気象を決して甘く見ないための他山の石として有効だ。

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2020/11/21

読みやすく、4日ほどで読み切った。最近、山岳遭難にハマっているので楽しんでよめた。また、登山をするわけでもないが勉強になった。

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2017/08/06

どの事例も、一読の価値あり。本当にいろいろなケースがある。こういう状況になりたくは絶対にないが、知っておかなくちゃいけない。まとめて下さり、また話して下さりありがとうございます。 2017.8.6

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2017/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

トムラウシ大量遭難死の本を先に読んでいた。 なるほど、同じコースで停滞温症 リーダー格の女性だけがなくなるなど やや事情が違う 早稲田の剣岳、二玉低気圧 4人ビバーク3人死亡 剣岳のベテラン遭難 ヘリで救助求める ここで死んだら遺体回収で山岳会に迷惑 落雷、突風、雪崩 引きかえす勇気、停滞する勇気とはいうが・・・ 春・沿海州低気圧 谷川岳―雪崩 春・春の嵐 伊那前岳―突風 夏・雷 塩見岳―落雷 夏・台風 トムラウシ山―低体温症 秋・太平洋沿岸低気圧 立山―凍死 冬・西高東低 剱岳―異常降雪 冬・二つ玉低気圧 剱岳―暴風雪

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2014/09/07

悪天候、雪崩、落雷など、気象が原因で発生した山岳遭難の事例集。ドキュメント「生還」とちがい、死亡事故の例が多い。7例紹介されているいずれの事例も複合的な要因で遭難に至っているが、いずれも天気の読みが甘い点が共通する。事故の経過だけでなく、事故の発生した前後の天気図を示しつつ、同様...

悪天候、雪崩、落雷など、気象が原因で発生した山岳遭難の事例集。ドキュメント「生還」とちがい、死亡事故の例が多い。7例紹介されているいずれの事例も複合的な要因で遭難に至っているが、いずれも天気の読みが甘い点が共通する。事故の経過だけでなく、事故の発生した前後の天気図を示しつつ、同様の気圧配置の時に注意すべき点などを教えてくれる。大変勉強になる。 自分も含め、日程に余裕のない人は、「せっかく来たんだし」という考えが根底にあって、天気に対し希望的観測を持ちやすい。天気が悪い時は「面倒だから中止しちゃえ」ぐらいのヘタレ具合のほうがむしろ好ましいだろう。

Posted byブクログ