「助けて」と言える国へ の商品レビュー
「Ministry」第10号の対談「3・11後の宗教界を斬る」で文化人類学者の上田紀行さんと対談したホームレス支援機構の奥田さん。今回の対談相手は、NHK「プロフェッショナル」以来の長いお付き合いとなっている脳科学者の茂木健一郎さん。 「私自身はクリスチャンではないが、以前...
「Ministry」第10号の対談「3・11後の宗教界を斬る」で文化人類学者の上田紀行さんと対談したホームレス支援機構の奥田さん。今回の対談相手は、NHK「プロフェッショナル」以来の長いお付き合いとなっている脳科学者の茂木健一郎さん。 「私自身はクリスチャンではないが、以前から、『自ら傷ついたものこそが叡智を得て、世界を救うことができる』というキリスト教の根本思想に、深い共感と関心を抱いてきた」という茂木さん。信仰に支えられた洞察に基づく奥田さんの支援活動に触れ、「何度も魂がふるえた。精神の美しい火花が散る思いがあった」と述懐している。読者も2人の対談を傍らで「聞き」ながら、牧師と脳科学者による真剣勝負で飛び交う「美しい火花」を体感できるに違いない。 話題は震災支援やセーフティネットのあり方から、無縁社会における自己責任論、原発と代替エネルギー、バックボーンとしてのキリスト教、ネット活用の可能性、憲法と平和主義に至るまで多岐にわたる。そこに貫かれているのは、「『健全に傷つくことができる』ことを保障するのが社会」「絆とは『傷つくという恵み』である」「人は一人では生きてはいけない」という強い信念である。(松ちゃん)
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奥田さんの考え方が、とても新鮮で心奪われた。傷つき傷つけて生きる、共に生きる。救われるお話をたくさん聞かせていただけた。必読。
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フォトリ24冊目。「傷み」、「傷つく」ことから世界を読み解く。傷つくことを極端に恐れふみこまない、スルーする感覚が今の日本のベース。「負け組」はその犠牲者。でも、人に手を差し伸べることができるのは「傷み」知るもの。期待すべきは高スペックな人材ではなく、「傷ついたひと」達かも。 奥田牧師のキリストや処女降誕、宗教の意義についての考え方もとても面白い。不登校についての解釈も当事者の立場にたち、ハッとさせられました。
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タイトルはいいものの、新書ということでそこまで期待してなかったのだけど、いい本に出会えました。やさしい対談でした。 奥田知志さんをこの作品ではじめて知ったのですが、おもしろい考え方をしていて、めちゃくちゃ共感した。 ここまでひととのかかわり方において共感したひとははじめてかもしれ...
タイトルはいいものの、新書ということでそこまで期待してなかったのだけど、いい本に出会えました。やさしい対談でした。 奥田知志さんをこの作品ではじめて知ったのですが、おもしろい考え方をしていて、めちゃくちゃ共感した。 ここまでひととのかかわり方において共感したひとははじめてかもしれない。 出会うことは、そのひとを自分の中に住まわせること。そのひとのもたらす責任とか面倒を引き受ける覚悟をすること。 このひとの本を読んで、自分の考えを深めていきたいと思った。
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