夜明けのカノープス の商品レビュー
派遣社員でもいいと思って働いているのではなく、後ろめたい気持ちをもって過ごしている映子。 あまり尊敬できない上司や同僚などに囲まれていてここにしがみつく理由はないかなら、と思ってしまった
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こじらせっぷりがもどかしく、夢に対する熱、憧れの先輩に対する踏み込めなさ、仕事への本気度、父との関係、全部もっといけ〜と、思ってしまう私にはイマイチだった。最後は少し救われたけど。
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例によって静かにジンワリと沁みる物語。 前作につづき、装丁にも強く惹かれました。 短めなせいか起伏や踏み込みが浅めな印象も残りましたが、裏返せば読みやすく、読む側の想像の余地が広がっているのでしょうね。 ブクログ登録区切りの500冊目、素敵な本で通過です(^^)
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教員をめざしていた映子は、四度目の採用試験に落ちた後に、教育系出版社の契約社員として働いていた。 とある仕事を通して再会することになったのは、忘れることのなかった14年前に別れたあの人だった。 自分を諦め、感情を殺しながら暮らしている様子の映子。 その心の内が丁寧に語られている...
教員をめざしていた映子は、四度目の採用試験に落ちた後に、教育系出版社の契約社員として働いていた。 とある仕事を通して再会することになったのは、忘れることのなかった14年前に別れたあの人だった。 自分を諦め、感情を殺しながら暮らしている様子の映子。 その心の内が丁寧に語られているため、映子には好感を持ちました。 なので、少しずつ前を向こうとしている後半が読者として嬉しかったです。 近所の神社の秘密を知った映子が駆けつけた安川先生の研究室で、どんな会話がなされたのでしょうか。 その後のプラネタリウムでのシーンを思うと、大きな進展はなかったのかもしれませんが、気になります。
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映子が若田先輩の周りにいるであろう女性を”真冬でもコートの下はノースリーブを着るような人達だ”と評しているのに笑ってしまった。東北出身の穂高さんならではの感覚かもしれない。
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教員試験に落ち続け、ギリギリ入った小さな出版社では契約社員として雑用を押し付けられる日々。周りにはひたすら夢に向かってひたむきな友人らがいて劣等感を抱く映子。カノープスは、めったに見ることができない、しかし、見えたならとても縁起が良いとされる2番目に明るい星。映子が自分にとっての...
教員試験に落ち続け、ギリギリ入った小さな出版社では契約社員として雑用を押し付けられる日々。周りにはひたすら夢に向かってひたむきな友人らがいて劣等感を抱く映子。カノープスは、めったに見ることができない、しかし、見えたならとても縁起が良いとされる2番目に明るい星。映子が自分にとっての「カノープス」を少しずつ見つけ出し、父との関係や仕事に対し不器用ながらも誠実に取り組む姿にとても好感が持てました。ジンワリとしみ込んでくるような爽やかなエンディングも最高に良かったです。
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叶わぬ恋、さえない仕事、ねじれた家族と―めんどうな自分。その星を見たら、きっと私は変わることができる。その一歩を踏み出せない「こじらせ女子」の逡巡。 ----------------- ミュージシャンの先輩にあこがれるけど、教師の夢を諦めて派遣社員している自分に自信が持てず、心の...
叶わぬ恋、さえない仕事、ねじれた家族と―めんどうな自分。その星を見たら、きっと私は変わることができる。その一歩を踏み出せない「こじらせ女子」の逡巡。 ----------------- ミュージシャンの先輩にあこがれるけど、教師の夢を諦めて派遣社員している自分に自信が持てず、心の重石になっていた離婚した父に久しぶりの再会するというお話。こじらせ女子、の感じがひしひしと伝わってくる。結果、父との距離を詰めていきながら、少しずつ自分を見つめなおしていくストーリーでした。
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図書館に行ったら、「一冊は読んだことのない作者のものか、ジャケ買いしそうな装丁のものを」というのを永らく続けています。 これはそんな一冊。星空のバックの装丁に惚れたのと、かつてのPC自作派のワタクシ「カノープス」の文字に釣られました。 叶わぬ恋、さえない仕事、ねじれた家族と―めんどうな自分。その星を見たら、きっと私は変わることができる。その一歩を踏み出せない「こじらせ女子」の逡巡。 幼い頃に両親の離婚で父と別れ、教師を目指すも挫折してしまい、今は教育関係の出版社の契約社員として日々に追われる映子。 中学時代の憧れの先輩はプロのミュージシャンとして生計をたて、友人は教師の夢をあきらめず採用試験に応募し続けている。 夢を叶えられなかった自分への敗北感からいつまでも抜け出せずに、それでいて自身の現状を肯定できずに自分を許せずにいる……色々な意味でギクリとさせられる設定ですが、別れた父親との再会をベースに、自身を肯定する過程を緩やかに描きます。 全体的に映子の鬱々とした感情がベースになっているので、分量も少なくストーリーの起伏が小さいため、なかなか人には薦めにくい作品ですが、私も含めて色んな人の心にある感情を波立てる緩やかでありながら強い気持ちのこもった作品です。 ラストシーンへの展開が少し性急すぎる感があって、父親との距離の詰め方がもう少し長めのエピソードで読みたいなと感じました。
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蒼い時から引き摺る…父の不在に苦しんできた傷、憧れの先輩に抱く淡く不器用な恋、そして叶わなかった職種の夢、、そんな心の内をそーっと掬い上げる。"映子らしさ"と軌道修正と、カノープスの光が尾を引く優しい結末♪。
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初めて読む「大人向けの穂高明」。失敗を続けながら、それでも少しずつ、ほんの少しずつ成長していくオトナ。そんな姿をみずみずしく描いていてとても面白かったです。
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