本当は怖い昭和30年代 ALWAYS地獄の三丁目 の商品レビュー
昨年(2012) 三丁目の夕日の第三弾がでて見た時には感動しました、特に時代設定が私の生まれた1964年頃だったようで懐かしさとともに見たのを覚えています。 あの頃は良かったな、という気持ちが強かったのですが、私が記憶に残る 1970年頃(昭和40年代)は、今の比べて本当に恵ま...
昨年(2012) 三丁目の夕日の第三弾がでて見た時には感動しました、特に時代設定が私の生まれた1964年頃だったようで懐かしさとともに見たのを覚えています。 あの頃は良かったな、という気持ちが強かったのですが、私が記憶に残る 1970年頃(昭和40年代)は、今の比べて本当に恵まれていたのかどうかを思い起こしてみました。すると、映画では触れられていないことも思い出してしまい、あの頃は本当はどうだったのかと探ってみたい気持ちが湧いてきました。 先日ある本を読んでいた時に、その中で紹介されていたのが、この本を読んだきかっけです。対象とされているのは、私が生まれる10年程度前なのですが、やはり今とは異なる別の日本の姿が紹介されていました。懐古するのは悪いとは思いませんが、昔と今と比較する場合には、多面的な観点からするべきですね。 確かに現在も、問題点はあると思いますが、40年前と比較して、日本は間違いなく、清潔に、そして安全で住みやすい環境になっていることを改めて認識でき、今に生きている幸せを感じることができた一冊でした。 以下は気になったポイントです。 ・毎日白いコメを食べられるようになったのが、昭和30年代後半、当時の一般家庭のエンゲル係数は40%もあり、今の発展途上国なみ(p13) ・所得が上がったのは、大企業や官公庁に勤めている人達の統計であり、当時大多数の人の勤務先であった中小企業の統計ではない、多くの人は恩恵を受ける以上に物価上昇に苦しんだ、超インフレ社会、昭和36年の生活保護世帯は全世帯の28%で2009年よりも高い(p15) ・人口10万人あたりの自殺者は20人、平成10年が14.7人であることを考 えると多い(p21) ・人工妊娠中絶件数は、平成13年の3.4万件に対して、昭和30年は11.7万件、15歳以上の女性でみると割合で5倍も多い(p25) ・新生児死亡率は1000人あたり23人、乳児で41人(昭和31年)で、どちらも平成22年より20倍多い(p53) ・昭和37年当時の東京の被爆量は、56万ミリベクレル=0.1ミリシーベルトで、原発事故後と同じ数字だが、当時政府は「心配なし」と主張し、マスコミも黙っていた(p61) ・チェルノブイリ事故の29年前に、ソ連ウラル地方で原発事故が起きていたが、隠ぺいされた、事故の32年後の1989年に明らかにされた(p85) ・阪神大震災が起きるまで、昭和34年の伊勢湾台風による死者は一番だった(p89) ・暴力団員が記録上もっとも多かったのが昭和38年、団体は5200、現在は準構成員も含めて8万人ほど(p91) ・なつかしき夏の匂いは、腐ったドブの悪臭であった(p101) ・昭和30年、国立大学の入学金は400円、授業料は6000円、私立は同、2万円、2.5万円(当時の貨幣価値は現在の20分の1)、2000円で米が100キロ買えた時代(p113) ・昭和20年に7200万人だった人口が、昭和30年で8900万、40年で9800万人、増加分はすべて子供(p121) ・自動車1万台あたりの交通事故死亡率は35人、平成17年は0.8人なので、実に40倍であり、車は走る殺人マシーン(p131) ・大気汚染防止法が施行される昭和43年まで、レトロなマイカーの排気ガスは野放し状態(p137) ・自転車にも税金が課せられていて、明治4年に人力車から「道路修繕費」として取り立てたのが始まり、昭和33年まで続いた(p157) ・戦後の混乱期よりは少ないが、殺人事件・横領事件は、2倍・7-10倍であった(p177) ・東京の山谷、大阪の釜ヶ崎、横浜の寿町は、日本三大ドヤ街で、麻薬密売・売春・賭博など、非合法ビジネスの巣窟(p181) 2013年6月23日作成
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「みんな貧乏だったけど」「人情があって」「夢も希望もあった」と回顧されがちな昭和30年代のイメージは極端に美化されたものであり、実態は、現代と比べ物にならないほど凶悪犯罪がはびこり、危ない食品や医薬品が出回り、水や空気は汚染されていて、貧富の差も激しく、まさに途上国そのもののカオ...
「みんな貧乏だったけど」「人情があって」「夢も希望もあった」と回顧されがちな昭和30年代のイメージは極端に美化されたものであり、実態は、現代と比べ物にならないほど凶悪犯罪がはびこり、危ない食品や医薬品が出回り、水や空気は汚染されていて、貧富の差も激しく、まさに途上国そのもののカオスな状態であったことを各種統計から暴き出している本。当時の貧困層とは、水上生活者であったり、売血して稼ぐような人々を指しており、現代日本の貧困層(エアコンや車を保有して、毎年海外旅行に出かけ、月々の携帯使用料が1万円を超えるような生活保護受給者)とはレベルがまるで異なる。少なくとも状況証拠としては、現代の方がはるかに幸せな社会であることは間違いない。(輸血を受けたら肝炎罹患率50%以上とか、どこのアフリカだよって感じである)
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30年代は『ALWAYS~三丁目の夕日』のHITにあるように 何かと“夢があった”とか“人情があった”時代として美化されている。 しかし現状はどうだったかというと戦後わづか10年, 時代は混とんとしている。 暴力団の横行、少年少女の犯罪は現在の比ではない。 危険な添加物の入ったジ...
30年代は『ALWAYS~三丁目の夕日』のHITにあるように 何かと“夢があった”とか“人情があった”時代として美化されている。 しかし現状はどうだったかというと戦後わづか10年, 時代は混とんとしている。 暴力団の横行、少年少女の犯罪は現在の比ではない。 危険な添加物の入ったジュースやお菓子・・・まずは国民のお腹を満たすことが優先で健康は二の次? とにかく金のために見て見ぬふりの経営者や国家権力。 30年代には大気中核実験も100回以上と行われてきたらしい。 国民は知らされずに普通に生活していた事実。 これだけのデータの元に語られたことは事実なのであろうと思う。 全く知らなかった30年代をこうして知ることができたことは良かったとは思うけれど読後に釈然としない。 それはなぜかと考えたら・・・・・随所で“今が昭和30年代じゃなくて本当に良かった”としめくくられ、 編集後記には「あの頃よりも今の方がずっといい」と。 ・・・・何か・・・上から目線じゃないかなあ。 自分の親の時代を悪く言われたような気がしてモヤモヤが残る本だった。
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昭和30年代は、僕の親が10才前後で、ちょうど今の僕の子供たちと同じ頃になります。そういった視点で今の子供たちを取り巻く環境と、約50年前の親の子供時代とを客観的に見ることができました。 貧乏だったけど、人情があって、夢も希望もあったとか、今の日本人が失ってしまった大切なことが...
昭和30年代は、僕の親が10才前後で、ちょうど今の僕の子供たちと同じ頃になります。そういった視点で今の子供たちを取り巻く環境と、約50年前の親の子供時代とを客観的に見ることができました。 貧乏だったけど、人情があって、夢も希望もあったとか、今の日本人が失ってしまった大切なことが残っていた時代とか言われますが、決してそんなことはなく日本は単なる発展途上国だったという印象を受けました。 今となっては昭和30年代という歴史上の一時代に過ぎませんが、そのブラックさがあまり表に出てこないのは、その時代を生きた人々がまだ生きているからでしょう。 つまり、もう20年ほど経ったら、今ほど美化される年代ではないと感じました。
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おっしゃるとおり。 オレが生まれた昭和40年代も近いもんがあるわ。 しかし、あの頃は社会がおおらかだったような気がする。
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コンビニ本とかバカにされつつも内容は面白かった。今で良かったと思えることまちがいなし。あの頃は良かったという人にそっと渡してあげませう
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映画の3丁目の夕日や梅ちゃん先生に違和感を感じる人におすすめ。 結局のところ映画やTVでは「臭い」までは伝わらないのですよ、といいつつも良作には「匂い」を感じるものもあります。 「あの頃はよかった」とか言っている団塊ジジイとババアにもおすすめです。是非思い出してください「あの頃」...
映画の3丁目の夕日や梅ちゃん先生に違和感を感じる人におすすめ。 結局のところ映画やTVでは「臭い」までは伝わらないのですよ、といいつつも良作には「匂い」を感じるものもあります。 「あの頃はよかった」とか言っている団塊ジジイとババアにもおすすめです。是非思い出してください「あの頃」を。
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同年代生まれの私としてはとても興味ある。子どもの時の記憶があまりないので、読んだらショック受けるかな?
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「あの頃より今がずっといい」 歴史観を揺さぶられたといっては大ごとなんだけど、いまの世の中に悲観することはないことをコンビニ本にあるような本書が教えてくれる。静かな良書。 やはりマスコミやニュースは、エキセントリックすぎるんだねえ。 「あの頃より今がずっといい」
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