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作家、辻原登が小説、ノンフィクション、評伝などについて週刊誌に連載された書評をまとめた一冊。 現存する作家において、もはや死に絶えた日本近代文学の系譜を受け継ぐ稀有な作家、というのが私が彼に対して持っている勝手な印象であるが、そうした雰囲気は書評の対象として選ばれる本のセレクト...
作家、辻原登が小説、ノンフィクション、評伝などについて週刊誌に連載された書評をまとめた一冊。 現存する作家において、もはや死に絶えた日本近代文学の系譜を受け継ぐ稀有な作家、というのが私が彼に対して持っている勝手な印象であるが、そうした雰囲気は書評の対象として選ばれる本のセレクトや、実際の書評内容にも通ずるものがある。 個人的には周恩来の評伝を対象として、政治的人間が時に残虐の暴力性を持つということ、その点で20世紀を代表する1人である毛沢東の姿と、対比的に周恩来を語る語り口が面白いと感じた(もちろん紹介される本自体の内容も含めて)。
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これだけの紹介冊数なのにも関わらず、まったく読んだことのある本がないという、ひどく珍しい書評集。(^^; なんで、これ買おうと思ったんだろう?(^^; とはいえ、紹介のされ方というか、文章が良くて、普段絶対読まなさそうなロシア文学とか買っちゃいそうな勢いです。 最後の長文のエッ...
これだけの紹介冊数なのにも関わらず、まったく読んだことのある本がないという、ひどく珍しい書評集。(^^; なんで、これ買おうと思ったんだろう?(^^; とはいえ、紹介のされ方というか、文章が良くて、普段絶対読まなさそうなロシア文学とか買っちゃいそうな勢いです。 最後の長文のエッセイもなかなか。
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あまり書評集を高評価することはないのだけれど、なんていうか、ミステリから句集まで幅の広さに得ることが多かった。とはいえ、丸谷才一に関しては数回取り上げているが。いかに刺激的だったかという点で、満足。自分の幅の狭さも実感。
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2000年刊行の単行本の文庫化だが、新版とあるように2002年から2013年までのの毎日新聞書評欄の新刊書評が新たに収められている。(全体の約半分も)毎日新聞の書評欄を長く采配を振っていた丸谷才一好みの書評の芸を満喫できた。特に、要約の技は凄い。「熊野でプルーストを読む」が素晴ら...
2000年刊行の単行本の文庫化だが、新版とあるように2002年から2013年までのの毎日新聞書評欄の新刊書評が新たに収められている。(全体の約半分も)毎日新聞の書評欄を長く采配を振っていた丸谷才一好みの書評の芸を満喫できた。特に、要約の技は凄い。「熊野でプルーストを読む」が素晴らしかったので、「東京大学で世界文学を学ぶ」と読んできたが、やはり本業の小説も読みたくなってきた。
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まるで短篇小説を読んでいるかのような書評集。 新聞や雑誌に掲載された、比較的短い短文を集めたものだが、取り上げられた本に対する著者の愛情が溢れている。 何冊か読んでみたいのがあったので探してみよう。
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