現代オカルトの根源 の商品レビュー
ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論―。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想...
ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論―。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想体系が潜んでいた。ロシアの霊媒ブラヴァツキー夫人に始まる神智学の潮流から、米英のニューエイジを経て、オウム真理教と「幸福の科学」まで、現代オカルトの諸相を通覧する。(アマゾン紹介文) 紹介文の上と下で随分と温度差が。神智学からアーリア人種至上主義(ナチ)、オウム真理教など、軽々しく語ることがはばかられそうな内容なのに、ある種の滑稽さを本文中もずっと感じてしまった。 約2世紀間に現れては消える主義主張のそれぞれに独自のものはあるんだろうけど、一貫して二元論に至るってのがなんだかなぁ。
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ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論―。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想...
ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論―。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想体系が潜んでいた。ロシアの霊媒ブラヴァツキー夫人に始まる神智学の潮流から、米英のニューエイジを経て、オウム真理教と「幸福の科学」まで、現代オカルトの諸相を通覧する。
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進化論の登場によって迷信と化して行き場を失った古来よりの宗教的心性を持つ者が、その進化論を取り込んで新たに作り出したのが神智学であり、軸となる考えが霊性進化論だという。霊性進化論そのものが、次々現れるオカルティストに引き継がれては古今東西のありとあらゆるオカルト的なものを引き寄せ...
進化論の登場によって迷信と化して行き場を失った古来よりの宗教的心性を持つ者が、その進化論を取り込んで新たに作り出したのが神智学であり、軸となる考えが霊性進化論だという。霊性進化論そのものが、次々現れるオカルティストに引き継がれては古今東西のありとあらゆるオカルト的なものを引き寄せては取り込む霊的存在そのものに思える。SF作品によく登場する高次元生命体のプロットもこの霊性進化論をヒントにしているのだろう。
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現代オカルトの根源というタイトルそのままの内容。これらを霊性進化論の諸相という観点で総ざらいしている。オカルトに対して引いて引いての視点。ひとつの見識としてある話だと思う。少なくとも、こういう視点を持つことは大事。高級低級の二元論から階級志向といような話については、そういう性格を...
現代オカルトの根源というタイトルそのままの内容。これらを霊性進化論の諸相という観点で総ざらいしている。オカルトに対して引いて引いての視点。ひとつの見識としてある話だと思う。少なくとも、こういう視点を持つことは大事。高級低級の二元論から階級志向といような話については、そういう性格をこれらに見出すことはできるかもしれないけど個人的にはちょっと違和感があるかな。とはいえ面白い一冊だった。
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高次の存在からの指導の下、輪廻転生の中で己の魂を高みへと引き上げる。悪しき存在の誘惑にもかかわらず人類皆が高みへ登ればそこにユートピアが誕生する。 このように人間の魂は進化・成長し高次の存在となることができるという「霊性進化論」の考え方は19世紀後半「神智学」を展開したブラヴァ...
高次の存在からの指導の下、輪廻転生の中で己の魂を高みへと引き上げる。悪しき存在の誘惑にもかかわらず人類皆が高みへ登ればそこにユートピアが誕生する。 このように人間の魂は進化・成長し高次の存在となることができるという「霊性進化論」の考え方は19世紀後半「神智学」を展開したブラヴァッキー夫人にまで遡ることができ、 それは当時の社会状況グローバル化や進化論に影響を受けて誕生したものだった。 そこから時代を経てUFOや爬虫類異星人、フリーメーソンの陰謀などの要素を取り込みながら現在の新興宗教やオカルトの中にその命脈を保っている。 著者曰く、この霊性進化論はこれまでの歴史から生産的ではないということ、誇大妄想に陥ることが常であるとの帰結に至る。 それは「霊性進化論」という思想がゆえに抱える負の側面であると述べる。 本書を読み進めれば霊性進化論の考え方が生まれた当時ならまだしも、何故現代にいたるまでその血脈にある宗教が存在しうるのかという点に疑問に思う。また多くの読者もそう思うであろう。 しかし、著者曰く一笑に処することはできないという。 何故ならこれらの存在は科学的・物質的な価値観や世界観で社会を存続させることができるのか。宗教がこれまで支えてきた人間の“生”をどう科学的世界観との間で橋渡しできるのか、という問いを投げかけているからである。 オカルトや新興宗教、ニューエイジ思想などに興味のある方は一読の価値がある。
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神智学のブラヴァツキー夫人。 ルドルフ・シュタイナー、アーリア人至上主義で、ヒトラーへと繋がってゆく、ランツの人種差別の宗教、UFO宗教のジョージ・アダムスキー。 オレはもともとオカルトには全く興味ないし。 どうでもいいんだけど。 アイクの話にいたっては、ついに、ついていけな...
神智学のブラヴァツキー夫人。 ルドルフ・シュタイナー、アーリア人至上主義で、ヒトラーへと繋がってゆく、ランツの人種差別の宗教、UFO宗教のジョージ・アダムスキー。 オレはもともとオカルトには全く興味ないし。 どうでもいいんだけど。 アイクの話にいたっては、ついに、ついていけなかった。 日本の新宗教もね。 ついていけない。興味ない。
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たわ言である。 本書がたわ言なのではなく、たわ言について書かれた本である。「思想というのは本来的に、一般の人が理解しているよりも、はるかに危険なものです」という著者のインタヴューをネットで見て手に取ってみたのだが、核にあるのはオウム真理教体験である。オウムの行状がどこに由来...
たわ言である。 本書がたわ言なのではなく、たわ言について書かれた本である。「思想というのは本来的に、一般の人が理解しているよりも、はるかに危険なものです」という著者のインタヴューをネットで見て手に取ってみたのだが、核にあるのはオウム真理教体験である。オウムの行状がどこに由来するのか、思想の面からたぐってみたのが本書であり、それは著者が「霊性進化論」と名付ける思潮を辿ることになる。 名前はよく聞く神智学、これがどういうものか本書でよくわかった。話は神智学から始まる。ブラヴァツキーというロシア生まれの女性が各地を放浪し、様々な宗教思想を取り込んで創りあげたのが神智学。輪廻をはじめ古来の思想に影響されながらも、進化論の影響が強いところが特徴で、人間は輪廻を繰り返し霊的に進化して神に近づいていくというもの。さらに人間の霊性進化は大師(マスター)との接触により促され、大師たちは「大白色同胞団」なる結社を作って人間の進化を陰で支えているのである。 しかし大師たちは姿を隠しているので簡単には接触できない。そこで大師と交信するための超能力を獲得することが必要である。そのために修行をする。空中浮遊とか。 他方、人間は霊性を失い、動物化する危険をも有しているのであり、人間を堕落させようという「闇の子」の結社もある。 そして人間の霊性進化が進むと古い世界は滅びたり、動物的進化に走ってしまって滅びたり、いろいろ訳ありだが滅びるのである。 つまり、霊性進化、陰謀説、終末論という三幅対。 何ともお馴染みな感じがするのはフィクションであまねく行き渡っている設定、いや思想だからである。アストラル界だのレムリア大陸だの、ネタの宝庫である。また、神智学の流れをくむシュタイナーはシュタイナー教育で大きな影響を残している。 ところが、霊性進化にアーリアン学説(アーリア人優等学説)、陰謀説にユダヤ陰謀説が結合するとこれはナチス思想の源流のひとつになるのである。 以上がヨーロッパでの神智学の展開。第2部は英米のポップ・オカルティズム。ニュー・エイジ思想の一角を占めていくことになるのだが、ここで脱力。空飛ぶ円盤のアダムスキー、例のマヤ歴終末論のアグエイアス、そして爬虫類型異星人陰謀説。トンデモ本の世界である。 こんな話を一生懸命紹介している著者が可哀想になってくるほどだが、しかしこれらが一定の支持を集めているということも事実である。 そして第3部は日本。ひとつは神智学系ヨーガの流れで、阿含宗が生まれ、そこから麻原彰晃が台頭してくるのである。オウム真理教による殺人は、霊性進化を遂げない人間を殲滅し、霊性進化を遂げた人間の国を作るという思想に裏付けられているのである。 他方、スピリチュアリズムと神智学の結合からGLAが生まれてくる。これは先頃亡くなった平井和正が入信して作品が神がかってしまった宗教団体である。『幻魔大戦』シリーズなどではまさに霊性進化論が出てくる。そしてGLAから分派してきたのが幸福の科学なのである。その教義は実に壮大だが、神智学との共通点がしっかりと保たれているし、爬虫類異星人陰謀説まで取り込んでいるという。 「思想は危険」と本書でははっきり言われているわけではない。しかし霊性進化論の系譜は純然たる誇大妄想の体系に帰着してしまうと述べられる。すなわち、霊的エリート主義の形成、被害妄想の昂進、偽史の膨張。 思想は危険であろうか。イスラム原理主義者の残忍性に対して、ふつうのイスラム教徒とは違うと擁護されるが、あの不寛容さはイスラム教の教えに内在するものであるとはいえないか。それは何もイスラム教だけが悪いわけではなく、ユダヤ教やキリスト教に共通するものではないだろうか。その危険性を抽出して認識することも必要な営みなのではないか。もちろんアジアの宗教にはまた別の危険が潜んでいるかも知れない。 思想の自由は権力や暴力に向き合う個人のためにある。権力や暴力の背景にもそれぞれの思想があり、たわ言呼ばわりできているうちはいいが、力ある思想には必ずしも自由を与えてはならないかも知れないのだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
評価:★★★★☆ もう随分前になるが、グノーシス主義に興味があったことが一時期あって、そのときに大田俊寛の本を買おうとしたことがあった。 その本は彼の処女作にあたるものだったが、既に絶版であり、古本でもちょっと高価だったので結局手に取らずじまいとなった。 それから時間がたって先日、ニコ生に出演している彼を見たらその話がとても面白かったので、著作の中で一番手を出しやすい本書を買ってみた。 本書を読むまでの僕のオウム真理教に関する理解は、「チベット密教をカスタマイズしたもの」という程度だった。 ところが本書によると、どうやら麻原彰晃は、チベット密教から直に影響を受けたというよりも、カリフォルニア経由で変質した東洋思想や神智学に影響を受けた、かなりニューエイジがかった人だったようだ。 そう考えると、中沢新一を始めとした学者や文化人たちが麻原を好意的に評価したのも頷ける。 言ってしまえば、“同じ穴のムジナ”だったということだろう。 とにかく今の世の中がイヤで仕方がないから変革しようという、世が世なら革命家になりたかったようなペテン師たちだ。 結局、共産主義が挫折して、経済の面で社会を変革するのに失敗したから、今度は精神面でリベンジ!というわけで、そういう時代が麻原にある種のオーラをまとわせたことで東大出のエリートがコロッといってしまったのだろう。 幸福の科学の大川隆法も含めて、こういう感じのカルト宗教をやる人たちは、皆おなじような所に出入りしているというのも、笑えるというか笑えないというか。 子供にシュタイナー教育を受けさせたくてオーストラリアに移住した劇画原作者の雁屋哲さんにもぜひ読んでいただきたい一冊。
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輪廻する霊魂を歴史の果てに進化させ、神の高みへと到達する そのような大目的のために人が生きるのだとすれば いま現在あなたが直面する苦境は、あなた個人のものではない それを乗り越えるための努力は、霊魂の集合知として 回収されるだろう だからあなたの生には意味があるのだ、という世界観...
輪廻する霊魂を歴史の果てに進化させ、神の高みへと到達する そのような大目的のために人が生きるのだとすれば いま現在あなたが直面する苦境は、あなた個人のものではない それを乗り越えるための努力は、霊魂の集合知として 回収されるだろう だからあなたの生には意味があるのだ、という世界観を信じることで 救われる人の心は理解できる しかし一方、それは安易に選民思想・レイシズムへと 堕するものでもあった つまり獣欲にのみ忠実な者どもは切り捨てられるべきであると …ナチスドイツ、オウム真理教、その他多くの先鋭集団が 自分たちこそ「神人」であるとして、それを疑わなかったのである
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近代スピリチュアルの原点だと思います。 とてもわかりやすくまとめられています。 こちらに書きました。 http://rimaroom.jugem.jp/?cid=105
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