海底バール の商品レビュー
実にバラエティに富んでて楽しかったー。ひとつひとつのお話がおもしろいだけでなく、おそらくどれもが古今東西の作品のパロディでもあるのだろう、それをあれこれ想像しながら読むのも楽しかった。『ロコス亭』みたいでもある。
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港のそばの海の底にバール(バー)があって、そこに集まった客達がそれぞれ不可思議な短いお話をしていくという、幻想的な物語。
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書店で目があって一目惚れしたのが二ヶ月前。特筆すべきはタイトルと装丁のワクワク感!と、物語のプロローグエピローグ。“海底バール”に集う23人の客たちの23の物語は、発想の捏ね方が子どものように柔軟で、気軽に読めて(聴けて)とてもたのしい。 「オレロン」は、彼女の倦むことを知らな...
書店で目があって一目惚れしたのが二ヶ月前。特筆すべきはタイトルと装丁のワクワク感!と、物語のプロローグエピローグ。“海底バール”に集う23人の客たちの23の物語は、発想の捏ね方が子どものように柔軟で、気軽に読めて(聴けて)とてもたのしい。 「オレロン」は、彼女の倦むことを知らない長広舌と更にはラストが意表を突いてて面白い。始まった途端プツンと切れる「ショートショート」、外科医と錬金術師が得も言われぬ料理を披露してくる「フランス一偉大なシェフ」、説明不可能「カリフォルニア・クロール」などなど、飽きさせない。
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独特のユーモアセンスがとても良い感じな短編集。「狂った気象の年」「フランス一偉大なシェフ」「文字食い虫」「マチュ=マロワ」が良かった。あと「オレロン」は厨二病の話(笑)
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摩訶不思議 バー、イタリアではバールと称されるそこは、しばらく縁遠くなっている場所。 本書でその雰囲気を、と思ったが、摩訶不思議な海底バールについ酒(想像上の)を飲むのも忘れてしまうほど。 今夜の海底バールでは、23人(匹?)のものたちが物語を語る。 「帽子の第一の男の物語」か...
摩訶不思議 バー、イタリアではバールと称されるそこは、しばらく縁遠くなっている場所。 本書でその雰囲気を、と思ったが、摩訶不思議な海底バールについ酒(想像上の)を飲むのも忘れてしまうほど。 今夜の海底バールでは、23人(匹?)のものたちが物語を語る。 「帽子の第一の男の物語」から奇妙で愉快な物語は始まる。 狂った気象に翻弄される村。 特産品は甜菜と嘘つきだそうだ。 くちなしの紳士はフランス一偉大なシェフの物語を語る。 何とも美味しそうで、豪奢で、そしてさっぱりわからない料理の数々。 そこにでてくる悪魔。どうやって彼は悪魔を追っ払ったのか。 真面目な子どもは独裁者と白いお客さんの話。 マントの男はオレロンという旧友の話を。 後者は本書の中で唯一の恐怖を覚える話だ。 そして一番のお気に入り。 サングラスの男はラブストーリーを、おばあちゃんは殺人事件、前髪を垂らした少女は魔法のギターの話、コックは妖精の話を。 コックの話は酷くおかしい。 帽子の第三の男はポルノ映画の話だが、Cooperが、コーペルかクーペルか争う部分に思わず吹き出す。 oが二つ重なる時は「ウー」だぜ、一人が言うと、もう一人が、「生協はなんて呼ぶんだ?コープか?クープか?」とな......。 いやはや、短編を書き連ねて、これだけ愉快なものはそうそうない。 どれもこれも少しの不思議を入れ込みながら、独特の世界観を作り出す。 しかも、文化が違えば面白みが減るのに、そんなものはどこ吹く風。 ジャンルに縛られずに、あちらこちらの世界を自由自在に飛び回る。 語り手の姿はそこにはほとんど見えず、タイトルの一部だと思った方がいい。 彼らが語りそうな内容もあればそうでない内容もある。 詳しい解説はあとがきに譲るとして、この物語を読者は自由に楽しんでいただきたい。
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