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死を見つめ、生をひらく の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2020/06/04

「世界の中心で、愛をさけぶ」の著者なのでもっと軽い読み物かと思いきや・・難解です。4章までは死と生についての哲学的な考察が延々と続きます。第5章から、原発事故を例にすこしづつ具体的な話へと。作者の反原発の立場とその根拠については理解できましたが、「数百年後など何もわかりません。お...

「世界の中心で、愛をさけぶ」の著者なのでもっと軽い読み物かと思いきや・・難解です。4章までは死と生についての哲学的な考察が延々と続きます。第5章から、原発事故を例にすこしづつ具体的な話へと。作者の反原発の立場とその根拠については理解できましたが、「数百年後など何もわかりません。おそらく日本という国はなくなっているだろうし・・」(P151)という言葉は辛辣です。とは言え、本書を読みながら、二度寝落ちしたことを正直に告白します。

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2013/12/26

 「セカチュー」も好きだったし「ジョンレノン・・・」も「満月の夜・・・」も「きみの知らないところ・・・」もよかった。エッセイ「DNAに負けない・・・」はあたしのバイブル的著書だ。それらに比べて本著は片山思想のさらなる深みが加わった大人の内容。かつて全面に出していた「恋愛至上主義」...

 「セカチュー」も好きだったし「ジョンレノン・・・」も「満月の夜・・・」も「きみの知らないところ・・・」もよかった。エッセイ「DNAに負けない・・・」はあたしのバイブル的著書だ。それらに比べて本著は片山思想のさらなる深みが加わった大人の内容。かつて全面に出していた「恋愛至上主義」は非常に薄くなっている。「死」を通して今の世界、特に資本主義というシステムが支配する世界を解釈し、話題性のある原発や戦争に対して説得力のある論を展開。もともと片山先生の思想に同調していたあたしでもさらなる納得を得られた。取り返しのつかないことが完成しつつある。確かにやむをえないことではある。やらざるをえない。しかし納得はすべきではない。それも薄気味悪いキレイ事や開き直りで正当化するような連中が得するようなことに貢献するべきではない。せめてそれだけは避けたい。どんなことであれ、だれであれ、自分の考えを裏付けてくれる思想は心強い。反論はいくらでも受け付ける。しかし説得力のある反論というものを聞いたことがない。あたしが頑固?そんなことはない。自慢ではないがあたしはちょっとした説得で寝返るような人間だ。そんなあたしすら説得できるような反論を聞いたことがないのだ。自分の考えを裏付けるにしろ破壊するにしろ、多くの思想に接する以外に方法はない。どんな言論でもそれを阻害することは人間の存在を破壊するほどの罪だとつくづく思う。

Posted byブクログ

2013/08/31

死は、他人のように、解ったようで決してわからないものである。他者との関係のように、追いつこうとしても決して追いつかないものである。解らなくても尊敬をこめて受け入れればいいのである。死ぬ時はパッと死ぬのではなく、少し時間をかけて死んでゆくので、その時にはじめて理解できるのだ、と思う...

死は、他人のように、解ったようで決してわからないものである。他者との関係のように、追いつこうとしても決して追いつかないものである。解らなくても尊敬をこめて受け入れればいいのである。死ぬ時はパッと死ぬのではなく、少し時間をかけて死んでゆくので、その時にはじめて理解できるのだ、と思う。死は生きているものには理解できないのだから、精一杯生きるしかないのかなと思う。そして他者には自分にはない美点などあるが、自分にも他者には追いつけない美点もあるんだと自信を持って、自分らしく生きて行きたいと思う。

Posted byブクログ