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連続講義・デフレと経済政策 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2023/09/18

政府のB/Sの左側「資産」の現在価値はあるのか? 赤字が累積してきているだけ 将来の税収を担保としているだけ、理論値で実態はない

Posted byブクログ

2023/04/27

私自身、大学時代は経済学を専攻していましたが、経済学は教える人の資質や思想によって学生の理解度を大きく左右すると思っています。物理学のような自然科学ですと、真実は1つであとは教え方の巧拙によって学生の理解度が変わるというタイプのものですが、経済学は先生の教え方の巧拙だけでなく、そ...

私自身、大学時代は経済学を専攻していましたが、経済学は教える人の資質や思想によって学生の理解度を大きく左右すると思っています。物理学のような自然科学ですと、真実は1つであとは教え方の巧拙によって学生の理解度が変わるというタイプのものですが、経済学は先生の教え方の巧拙だけでなく、その先生の思想(どんな経済理論・思想を信奉しているか)も学生の理解度に影響を及ぼします。その先生の論理展開にピンと来ない場合、学生は不幸な一学期を過ごすことになるわけです(そして学生の直感の方が実は正しいと言うことも往々にしてある)。  その意味では、学生時代に池尾先生に経済学を習っていたら理解度もずいぶん高くなっただろうし、なにより経済学がもっと面白く感じただろうなあと思います。本書内で池尾先生がたびたび指摘しているように、日本の自称「経済学者(あるいはエコノミスト)」はかなり古い経済理論をいまだに「入門経済学」と称して教えています。教える方も教わる方もつい失念してしまうのが、経済学に良くある「○○以外の要素を一定と仮定すれば・・・」という論理展開です。このやり方は入門としては優れていますが、現実世界では「他の要素が一定のまま」ということはあり得ず、必ず他にも影響を及ぼします。それも多くの場合一方向ではなく、逆方向の動きも同時に生みだし、それらの大小関係で最終的な影響が決まるのです。本書を読んで、改めて経済の複雑・奥深さを実感させてもらい、私などはゆえに経済学はおもしろい、という結論に達したわけですが、このあたりの複雑さを明瞭に解説されているあたり本書は素晴らしいと思います。

Posted byブクログ

2021/06/23

著者の池尾和人さんが亡くなったとニュースで目にして読んでみた本。 読む前に知るべき情報 マンデル=フレミングのモデル 入門マクロ経済学の「45度線分析」 面白いと思ったポイント リカードの中立命題 王朝(ダイナスティ)仮設 自分のレベルより数段上の本。 もう少し勉強したらも...

著者の池尾和人さんが亡くなったとニュースで目にして読んでみた本。 読む前に知るべき情報 マンデル=フレミングのモデル 入門マクロ経済学の「45度線分析」 面白いと思ったポイント リカードの中立命題 王朝(ダイナスティ)仮設 自分のレベルより数段上の本。 もう少し勉強したらもう1度読みたい。 第3講 ゼロ金利制約と金融政策 政府、中央銀行、民間銀行のBSの関係性を図解していて秀逸だ。

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2020/03/28

少し古い本では、あるが今でも十分通用する一冊。 アベノミクスへの評価はどうなるのか。 今少し経済の先行きが暗くなった今、読んでおきたい一冊。

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2019/09/07

第1講 「なぜ日本はデフレに陥ったのか」 第2講「マクロ経済学の新しい常識」 第3講「ゼロ金利制約と金融政策」

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2015/09/28

全てを理解できたとは言いがたい。それでも理解でき、勉強になる箇所はあった。 政治家、メディアの説明を鵜呑みにしてはいけない。自ら立ち止まって考えることの重要性を再認識した。

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2014/01/14

 「講義」と「質問」という形をとっているせいか著者のこれまでの著作に比べると本書は格段にわかりやすい。  「アベノミクス」により、日本にはいまようやく「失われた20年」からの脱出ができるかのような期待と不安が漂っているように思えるが、本書は実に冷静に「アベノミクス」による現状と将...

 「講義」と「質問」という形をとっているせいか著者のこれまでの著作に比べると本書は格段にわかりやすい。  「アベノミクス」により、日本にはいまようやく「失われた20年」からの脱出ができるかのような期待と不安が漂っているように思えるが、本書は実に冷静に「アベノミクス」による現状と将来を語っている。  マスコミのいい加減な予測や、エコノミストの中途半端な評論と違い、著者の見方は実に冷静であり、説得力もある。  「あえて大胆な推測を述べると…成功を収める…可能性は1~2割程度…悪い金利上昇…1~2割程度。逆に言うと当面は7割程度の確立で資産価格の大きな変動は見られても、実体経済面ではそれほど劇的な変化は起こらないのではないか…。いわば大山鳴動、ねずみ一匹というのが筆者の想定するメイン・シナリオ」だという。  なるほど、「アベノミクス」は、成功とも失敗ともいえない程度に着地するということか。  しかし、本書が解説する日本経済の現状はわかりやすい。  「新しい需要構造にあわせた供給構造の組み換えが緩慢なペースでしか進んでいないことがGDPギャップのマイナスがなかなか解消しない大きな原因」ということは、需要構造を過去に戻す政策ではなく、供給構造を組み替える政策に力点をおくべきということなのだろうか。  これは、社会的に相当な「軋み」をもたらすだろう。日本の優柔不断な政治家がそのような大胆な政策をおこなえるのだろうかとも考えてしまった。  「金融政策」「金融構造」もわかりやすい。  日銀はどのようにして「金融政策」をコントロールしているのかがよくわかるが、なるほどこれでは原理的には「ゼロ金利政策」のもとでは金融緩和は効果がない。  「黒田日銀」は意味のない無謀な戦いをしているのだろうか。  同時に著者は「現実の金融構造はモデルよりも複雑…何らかの効果が生じることもありえる」とも語る。  では、日本はどうなるのだろうか。  本書の最後にある一言は印象的である。  「もうしばらくすれば事実によって明らかになるに違いない」。  経済は必ず現実的結果を出す。日本ははたして「アベノミクス」という「壮大な実験」に成功するのだろうか。  「経済理論的」には失敗する可能性が高いとは思うが、実に興味津々である。  本書は、中央銀行の役割と限界、そして日本経済の現状をより深く教えてくれる良書であると高く評価したい。  最近読んだ経済書の中で一番記憶に残る本である

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2013/09/09

近年の経済状況を考えるに大事な理論を簡潔に解説する本。 インタビュアーの質問や誘導に著者が答える形式で、なぜ日本はデフレに陥ったのかの状況分析から始まり、近年の(マクロ)経済学理論についての解説、金融政策、財政政策、アベノミクスの解説といった構成。 個人的には著者の主張や認識...

近年の経済状況を考えるに大事な理論を簡潔に解説する本。 インタビュアーの質問や誘導に著者が答える形式で、なぜ日本はデフレに陥ったのかの状況分析から始まり、近年の(マクロ)経済学理論についての解説、金融政策、財政政策、アベノミクスの解説といった構成。 個人的には著者の主張や認識に疑問符がついたり、なによりインタビュアーの誘導が 主流のミクロ経済学 vs 非主流のマクロ経済学 の構図ですね(ドヤ といった噴出さずにはいられないほど変だったりするところがあったが 、 その誘導に同意しつつも、理論トレンドの変遷についてきちんと解説がなされていたりと、全体としては現在の経済状況を考えるのに必要な理論を幅広く解説していて、文体からも人柄の良さを感じさせるものでとても読みやすい本でした。 これは完全な個人的偏見なのだが、慶応の教授ってこういう主張しなきゃならないって指示でもあるのかなー。 やや偏りがあると感じるものの、近年の経済ニュースをより深く考えるための経済理論紹介本としては悪くなかった。 これで現在日本で活動している日本人経済学者の意見をもっと紹介してたらもっと良かったのにな。

Posted byブクログ

2013/08/10

帯には「白熱の講義録」とあるが、流行り言葉のようになんでも「白熱」と言えばいいってもんじゃない。白熱と言うより「冷静で客観的」。日本と世界の経済状況分析を、質疑の形式で語っているのだけど、経済学の基本的な知識はあることが前提で語られている箇所が散見されるのと、やや実証データの提示...

帯には「白熱の講義録」とあるが、流行り言葉のようになんでも「白熱」と言えばいいってもんじゃない。白熱と言うより「冷静で客観的」。日本と世界の経済状況分析を、質疑の形式で語っているのだけど、経済学の基本的な知識はあることが前提で語られている箇所が散見されるのと、やや実証データの提示が物足りない部分はあるようにかんじるが、基本的にとても真っ当な現状認識と処方箋の方向が提示されていると思う。

Posted byブクログ