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近代中国史 の商品レビュー

4.4

10件のお客様レビュー

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2020/07/24

中国の社会経済構造を歴史的に解きほぐして語られており読みやすい。ただところどころに「反日」みたいな言葉が出てくるのはご時世なのかもしれないが歴史書として読んでいるととても引っかかってしまう。

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2019/02/02

中国といふ国を考へるのに、非常に有益な本。多くの人に薦めたい。あとがきに、日本の中国研究は世界一の水準だとあつて、意外な感じがしたが、歴史的な日中の深い関係を想へば、当然か。教育が相変はらず欧米偏重で、自分を含めて、一般的な日本人の中国に関する知識水準が低いのが問題なのだらう。

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2018/11/04

中国史を専門とする学者による近代中国史についてまとめたもの。緻密な研究に基づく詳細な記述がなされている。特に統治や経済のシステムの分析は詳しく、説得力がある。極めて論理的かつ学術的な良書。 「(日本に比べれば)中国は行政上の都市化率がはるかに低い。つまり権力のコントロールがゆき...

中国史を専門とする学者による近代中国史についてまとめたもの。緻密な研究に基づく詳細な記述がなされている。特に統治や経済のシステムの分析は詳しく、説得力がある。極めて論理的かつ学術的な良書。 「(日本に比べれば)中国は行政上の都市化率がはるかに低い。つまり権力のコントロールがゆきとどいていないのである」p50 「現代中国の歳入規模は、日本円に換算しておよそ90兆円、税収がその9割をしめる。GDPに大差のない日本では、税収は37兆円くらい。政府組織の差異や公債の発行を考慮に入れていないので、厳密な比較にならないものの、納税負担は中国が倍以上大きい計算である」p59 「(モース)中国の官僚は、自己の保存、および自分の同僚、上司、部下の生存のためだけに存在しているといえる」p80 「(イギリスは)ランカシャーの綿工業が興隆してくると、原料の綿花をはじめ、アメリカからいよいよ多くの輸入に依存しなければならない。アメリカもイギリスと同じく、中国茶の購入者であったので、アメリカに対するイギリスの支払いも、アヘン輸出の黒字でまかなえるような貿易構造とし、最終的な決済をロンドンの国際金融市場に集約させるグローバルな規模の多角的決済網をつくりあげた。いわゆる世界経済の形成にほかならない。これをイギリスと中国という場に限ってみると、イギリスの産業革命が進めば進むほど、より多くのアヘンが中国に流れ込む、という現象を呈する。アヘン貿易がなくなったら、産業革命のイギリス経済のみならず、世界経済もたちゆかなくなる可能性もある。そこにアヘン戦争が起こらざるを得ない必然性があった」p190 「アヘンを持ち込み、売りつけたのは、確かにイギリスである。しかし中国には、その禁制品を欲する社会的需要と禁じ得ない政治的構造とがそなわっており、政府権力がいかに禁じても、その禁止令を骨抜きにしてしまう厖大、強力な受け入れ態勢が民間会社にあった。くりかえし禁止令を発したにもかかわらず、実現できなかったのは、政府当局が取り締まる有効な手段を持たなかったからである。それは民間の経済活動に対する権力の不干渉という清朝統治の体質に根ざしていた」p192

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2017/02/05

・「いまの日本で、どんな職業・地位のものであれ、中国のことをまったく知らずに自由にふるまってよい、というのは軽率に失する」 というようなことがこの本のあとがきにあって、いやはやごもっとも、 と考えてしまうほど、日を追うごとに日本に差す中国の影がどんどん大きくなっています。 ・「...

・「いまの日本で、どんな職業・地位のものであれ、中国のことをまったく知らずに自由にふるまってよい、というのは軽率に失する」 というようなことがこの本のあとがきにあって、いやはやごもっとも、 と考えてしまうほど、日を追うごとに日本に差す中国の影がどんどん大きくなっています。 ・「伝統」経済とは、つまり中国独自の社会趨勢や経済観に依拠した弾力的な構造であり、 すなわち根本的に、中国人の価値観・行動原理に深く根刺しています。 そしてそれはやはり、現代の中国人のなかにも脈々とうけつがれているようです(別の本も合わせて読んだ感想ですが…) ・どうして日本と中国は違うのか?という些細な問いにヒントをくれたような気もします。

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2016/05/10

非常に面白かった。専門書ならあるのだろうけど、こういう視点での中国史は読んだことがない。 経済に詳しくなくてもわかりやすいと思う。

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2014/07/07

Ⅰ.ステージ、Ⅱ.アクター、Ⅲ.パフォーマンス、Ⅳ.モダニゼーション の四部構成で中国社会の環境、社会構造、そして明清代の「伝統経済」の実態、最後になぜ中国の近代化がヨーロッパや日本と異なる形になっていき、今日の中国社会を形成していったかについての展望が示される。 全体を通じ...

Ⅰ.ステージ、Ⅱ.アクター、Ⅲ.パフォーマンス、Ⅳ.モダニゼーション の四部構成で中国社会の環境、社会構造、そして明清代の「伝統経済」の実態、最後になぜ中国の近代化がヨーロッパや日本と異なる形になっていき、今日の中国社会を形成していったかについての展望が示される。 全体を通じて「官と民」、「士と庶」に分断された「二重構造」が中国社会の大きな特徴をなし、同時に「地域」ごとのアウタルキーと地域間における決済通貨の重要性、さらにその通貨が外国貿易と結びついたときの変容がクリアかつシャープに叙述されている。 現代の中国を理解する上でも「経済史」の視点が非常に重要なのである。

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2013/12/29

正確には明朝・清朝「経済」史かな。さほど経済に強くない小生にとって、ページを往復すること多々。どこでも支配・被支配間に介在する中間がポイントになるね。現代中国の直接的なルーツ。永年保存の1冊。

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2013/12/27

少々堅苦しく言えば、大変勉強になりました、という本です。でも、表現や記述はそれ程堅苦しくありません。「近代中国史」という表題ですが、近代中国経済史の観点から整理した中国社会構造の変遷と近代化の特質、とでも言ったような内容です。商業が古くから発達していたにもかかわらず、自然条件、地...

少々堅苦しく言えば、大変勉強になりました、という本です。でも、表現や記述はそれ程堅苦しくありません。「近代中国史」という表題ですが、近代中国経済史の観点から整理した中国社会構造の変遷と近代化の特質、とでも言ったような内容です。商業が古くから発達していたにもかかわらず、自然条件、地理的条件に制約された経済体制により、西欧的な近代国家になれなかった経緯を分かりやすく説明されています。これからも、否応なく中国と付き合わざるを得ない日本人として、大変参考になる本です。貨幣の歴史と本質についても考えさせられるところ大でした。

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2013/11/02

2013 10/19読了。Amazonで購入。 知り合いの先生方におすすめいただいた本。 現在の中国がなんでああいう社会か、ということについて主に財政体制から、中央政府が自身の維持に必要な財源をとれるところからとることしかせず、地方は中間的な同胞組織等によってコミュニティを維持す...

2013 10/19読了。Amazonで購入。 知り合いの先生方におすすめいただいた本。 現在の中国がなんでああいう社会か、ということについて主に財政体制から、中央政府が自身の維持に必要な財源をとれるところからとることしかせず、地方は中間的な同胞組織等によってコミュニティを維持する、中央による管理が地方まで行き届かない社会であり、その根は明・清時代にある・・・ということを紹介していく。 なるほどな、という感じで大変面白かった。

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2013/09/10

明・清・中華民国期の経済・政治空間の有り様を描く。「官」と「民」の乖離。その橋渡しをする郷紳と彼らが中心となった中間団体。この存在にスポットをあてて、近代中国社会の動きをとらえようとする。著者によれば、「官」の力の及ばない「民」の世界が、欧米や日本より大きいのが中国の特徴、とのこ...

明・清・中華民国期の経済・政治空間の有り様を描く。「官」と「民」の乖離。その橋渡しをする郷紳と彼らが中心となった中間団体。この存在にスポットをあてて、近代中国社会の動きをとらえようとする。著者によれば、「官」の力の及ばない「民」の世界が、欧米や日本より大きいのが中国の特徴、とのこと。それを大きく変えたのが毛沢東による革命、との評価。ならば、やはり毛沢東時代に、経済・政治空間が具体的にどのように変わっていったのか、そして改革開放後のそれがまたどう変わったのか。そここそ知りたくなる。(現代の中国社会が、単に毛沢東以前に戻ったわけではもちろんないだろう)。著者による続刊を望む。

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