妖恋 の商品レビュー
97年に刊行された単行本の文庫化……と考えると、やっぱり『ペガサスの挽歌』や『皆川博子コレクション』のお陰だろうか。いずれにしても、古い作品の入手が容易になるのは有り難い限り。 内容は時代物の幻想短編で、『心中薄雪桜』『十六夜鏡』が良かった。特に『心中薄雪桜』のラストシーンは圧巻...
97年に刊行された単行本の文庫化……と考えると、やっぱり『ペガサスの挽歌』や『皆川博子コレクション』のお陰だろうか。いずれにしても、古い作品の入手が容易になるのは有り難い限り。 内容は時代物の幻想短編で、『心中薄雪桜』『十六夜鏡』が良かった。特に『心中薄雪桜』のラストシーンは圧巻。
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江戸時代を舞台にした幻想的な短編集。恋に縛られ身を滅ぼす男女の心の機微が、幽玄かつ繊細な筆致で描かれる。読んでいるうちに、夢と幻の境目が曖昧になっていくような不思議な感覚が味わえる。特に前半収録の何篇かは、語り口調が泉鏡花っぽいなと思った。
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