大学への文章学 の商品レビュー
大学生に向けた「レポート文章術」本は多く存在する。 その中でこの本が独自なのは、「大学生がレポートに苦手意識を感じている理由」を考察している点である。 本書では、多くの大学生が教授と同等に他者のレポートを評価できるが、自分の文章は過小評価していることが実験から示される。 文章...
大学生に向けた「レポート文章術」本は多く存在する。 その中でこの本が独自なのは、「大学生がレポートに苦手意識を感じている理由」を考察している点である。 本書では、多くの大学生が教授と同等に他者のレポートを評価できるが、自分の文章は過小評価していることが実験から示される。 文章術より、学校教育をメインに述べているので、実用性はあまりない。 しかし、自身のレポートに対する苦手意識を分析する手助けとしては優秀な本だと思う。
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請求記号 816.5-ワタ 資料番号 300392289 新潟医療福祉大学図書館 蔵書検索(OPAC) https://library.nuhw.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=1...
請求記号 816.5-ワタ 資料番号 300392289 新潟医療福祉大学図書館 蔵書検索(OPAC) https://library.nuhw.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000072941&opkey=B158833251915193&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=50&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小論文とは次の3つを持つこと、伴っていること。 1.構造を持つこと 2.重点先行を表すこと 3.論ずること 論ずるとは、「問」をおこし、それに対して根拠を伴った答えを返すこと。 これがあらためて自分のなかで思い起こされただけでも読む価値はありました。
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大学生の文章を「書けない」問題に対する筆者の考えと答えが示されている。学生と教師の双方に向けて書いたとあるが、どちらかと言えば教師向けの内容となっている。文章術も申し訳程度に挙げているが、やはり「なぜ書けないのか」という問いの答えに対する考察が中心となっている。講演録である終章...
大学生の文章を「書けない」問題に対する筆者の考えと答えが示されている。学生と教師の双方に向けて書いたとあるが、どちらかと言えば教師向けの内容となっている。文章術も申し訳程度に挙げているが、やはり「なぜ書けないのか」という問いの答えに対する考察が中心となっている。講演録である終章が全体のまとめ――総評ではなく、全ての内容がひととおり説明されている――となっていて、それまでの章で調査結果などを詳しく説明する、という構成となっている。全体の論調を俯瞰したいのであればまず終章に目を通し、興味を持ったところから読み進めるのもいいかもしれない。 「書けない」理由については、学生に対するアンケート調査がもとになっているだけあってなかなかの説得力があった。そういう点では論理的であるものの、小説、特に推理小説に対する敵意、あるいは排除したいという欲求のようなもの文章の中から感じた。これは前半に特に顕著であり、レポートは小説ではない、という例えとして出てくるのだが、それがあまりにも頻繁に出てくる。そこには「良くないレポートを書く学生が多いのは小説のせいだ。だから小説など在ってはならない。」そういう感情が見え隠れする。小説とレポートはその構造が違う、ということを説明すればいいだけであって、わざわざ、「レポートは推理小説などではない」と繰り返す必要はないだろう。 文章の書き方としてはオーソドックスかつ最低限抑えておくべきことに絞ってあるため「文章の書き方」としての用は十分果たしているし、「書けない」理由に対する調査や考察、「書けない」学生に対して教師がどうすべきかという提案も著者の経験に裏打ちされたものであり説得力がある。しかし、前半での「小説に対する態度」が少々アンフェアで残念だった。
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