彼女失格 の商品レビュー
もしも自分が明日ガンの宣告を受けたら…。『もしも』の世界では自分は何とかやっていけるだろう、と思う人も居るだろう。だけど、この本を読み終わった後果たして同じ思いを持っていられるか? この本には『リアル』がある。 ぜひ全ての世代の男女に読んでもらいたい。
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30歳で若年性乳がんの闘病を経験した著者。 ある日突然「患者」になってしまってから、病院では治療前に金額の提示がないこと、闘病しつつも、生活するために稼がなきゃいけないこと、数ある闘病記には愛だの絆だのばかりで肝心のお金やその後の生活についての記述がないこと…などなどに混乱しつつ憤りつつ、それでも病と闘い続けなければならない日々。 無神経な医療者や、ほかのキャンサーにイラリとしたり、周囲からの「あるべき患者象」の押し付けに戸惑ったり、極めつけは手を取り合って助け合っていくと信じていた彼氏が●●…。 当たり前だけど、がん患者だって喧嘩もすれば恋愛だってする。 健康で元気な人間ですら、恋愛の修羅場って相当に精神力も体力も奪われるものでしょう。なのに抗がん剤や放射線治療、ホルモン療法を続けてることなんかに関係なく、恋する女子に等しく平等に(?)襲いかかるものなのね~、とある意味感心してしまいました(ごめんなさい)。 とはいうものの、著者が病気に立ち向かうにあたり、例えば病院へのお迎えとか、物理的にも精神的にもこの彼の果たした役割も大きい。突然命にかかわる病気となった彼女を間近に見続けることのプレlッシャーや不安は当然大きかったと思うし、彼なりに頑張った。がん患者の彼氏や夫が全員聖人君子なわけでもないし(にしてもお粗末な女に手を出したなとは思うけど…←)。 いまの日本の医療制度や治療のしくみ、公的補助なんかも含めて、独身ひとり暮らしの患者さんで、家族など手助けしてくれる人が全くいない場合、闘病を続けていくこともけっこう大変(というか困難)ではと思う。それでもそれをしているひとも相当数いるのでしょうけれど。 この本を手に取ったのは第15回図書館総合展の某フォーラムで紹介されていた「ガンの闘病記って、患者が死なないと売れないんだよね」というフレーズから。 「自己責任」流行りの昨今、育児や介護、本人の闘病には「周囲に迷惑をかけるから」と退職プレッシャーが存在するけれど「明日は我が身」。 100%のフルスロットルじゃなくても細く長く働き続けられる環境整備や、それでも暮らしていける公的制度づくりが実現しますように。
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闘病記っていうより、リアルな30代女子の日常って感じかな?頼りがいあるようで、やっぱり一人のふがいない人間だったおっさんとの恋愛....無理にでもハッピーエンドを迎えなくて本当によかった。と、ひねくれ者の私は思ってしまう(笑)文章はすごくスピード感があるというか、マシンガントークで進む女子会風。
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ノンフィクションは、大体おもしろくないのですが、今回のこれは、コメディノンフィクションって感じでした。 とても楽しかったです(笑) ただ、最後がなぁ。って感じでした。 プライドが高いとちょっとつらいよなぁ。と思う部分もありました。 抗がん剤で体力は落ちて、 ホルモン抑制で女...
ノンフィクションは、大体おもしろくないのですが、今回のこれは、コメディノンフィクションって感じでした。 とても楽しかったです(笑) ただ、最後がなぁ。って感じでした。 プライドが高いとちょっとつらいよなぁ。と思う部分もありました。 抗がん剤で体力は落ちて、 ホルモン抑制で女であることを否定して精神もダメージを受けてるのに、彼氏は浮気なんぞしやがる。 それでも、他人には頼りたくないから、生きるために働く。 まぁ、タイトルに突っ込むとしたら、彼女失格じゃなくて、彼氏のが失格です。 といいたいところですが、 わたしも病気と付き合いたくないように 相手も、病人とは付き合いたくない。 松さんもいうように、誰も、悪くない。事故みたいなもん。 そう、言える日が来たら、救われるのかも。
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30歳の誕生日を目前に、乳ガン発覚。病気への恐怖、治療費への焦り、彼氏との攻防。身内にも友だちにも、ガンだなんて知られたくない。それでも、怖い。そんな気持ちを綴った闘病恋愛エッセイ。 とにかく文章が面白くて、一気読み。年も仕事も近いせいか、なんだかものすごく身近な人のような気が...
30歳の誕生日を目前に、乳ガン発覚。病気への恐怖、治療費への焦り、彼氏との攻防。身内にも友だちにも、ガンだなんて知られたくない。それでも、怖い。そんな気持ちを綴った闘病恋愛エッセイ。 とにかく文章が面白くて、一気読み。年も仕事も近いせいか、なんだかものすごく身近な人のような気がした。こんなに赤裸々に書かれた闘病記って、あるのかな。仕事だとか、恋愛だとか、お金だとか。実際、若くして、大して貯金もない自分が病気になったら、こうなってしまうのかもしれない。伴侶もいない、お金もない。「私には何にもないんだ」という一文は、だいぶ考えさせられた。 心ない言葉に何度も傷つけられている松さん。人って、本当に自分のことしか考えられないことが多いんだなぁ。できることならそうはなりたくないけれど、わからないことだから、想像がつかないから、怖い。病気ってそういうことなんだろうな。
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乳がんという、女性の女性たる部分を直撃する病気を患いながらも、恋も仕事も遊びもあきらめない著者に、どれだけ勇気をもらったか。 ただパワフルに突き進むわけではなく、普通に傷ついたり、悩んだりする著者に、同病として果てしなくシンパシーを感じました。
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