暮らしの放射線Q&A の商品レビュー
保健物理学会の人がウェブで運営していたQ&Aサイトをもとにした本。あの頃、どんなことが心配されていたのか、がわかる。3月15日とか21日とかに雨に濡れたけれど、子供が転んで擦りむいたけれど、大丈夫かしら……みたいな、ちょっとびっくりするような質問がたくさんある。それに対し...
保健物理学会の人がウェブで運営していたQ&Aサイトをもとにした本。あの頃、どんなことが心配されていたのか、がわかる。3月15日とか21日とかに雨に濡れたけれど、子供が転んで擦りむいたけれど、大丈夫かしら……みたいな、ちょっとびっくりするような質問がたくさんある。それに対して、真摯に回答している(これこれこういう考え方で計算すると被曝線量はこれくらい、だから、あまり深刻に考える必要はないと思います、とかいう回答がいっぱいある)。 この手の情報にあったらいいなーといつも思うのは、実際に人類が経験してきた被曝線量はこれくらいだよ、こんな状況があった、あるいは、こういう場所が今でもあるよ、みたいなの。そういうのがあれば、それくらいは被曝しても大丈夫なのかなぁって思えるんじゃないかな。
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同名WEBサイト http://radi-info.com/ からの抜粋書籍化。全ての質問に答える、というポリシーと、その後も付記をしたりと、誠実な態度が見られる。 福島第一原発事故直後からの、かなり混乱した様子も伺えれば、専門家不信、安全は信じないが危険は信じる、といった謎のバ...
同名WEBサイト http://radi-info.com/ からの抜粋書籍化。全ての質問に答える、というポリシーと、その後も付記をしたりと、誠実な態度が見られる。 福島第一原発事故直後からの、かなり混乱した様子も伺えれば、専門家不信、安全は信じないが危険は信じる、といった謎のバイアスなども見られて、回答もさることながら、質問の傾向がなんとも面白い(というのは不謹慎だろうけど)。そんな風に落ち着いて感想を書いているが、事故当時は僕も戦慄したし、今でも不安を抱えながら多くの人が暮らしている。なんじゃこりゃ、というような質問もあるが、それを聞かざるをえない状況の人がいる、ということは事実なのだろう。決して愉しい本ではないが、実用的でもあり、歴史の記録にもなるだろう。
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二年前よく参考にしてたサイトの書籍化。放射線防護の専門家による市民の不安・疑問への誠実な回答に本当に頭が下がる。限られた質問文の情報から不足を補い,妥当な仮定を置いての被曝量推算。感情的になる質問者へ共感を示した上での冷静な呼び掛け。様々寄せられる問いに対して,これ以上ないくらい...
二年前よく参考にしてたサイトの書籍化。放射線防護の専門家による市民の不安・疑問への誠実な回答に本当に頭が下がる。限られた質問文の情報から不足を補い,妥当な仮定を置いての被曝量推算。感情的になる質問者へ共感を示した上での冷静な呼び掛け。様々寄せられる問いに対して,これ以上ないくらいきめ細かい丁寧な内容で,感服する。回答を受けた人たちにしっかりと届いていると良いんだけど…。
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震災直後および、今もまだ緩やかに続く混乱の状況がよくわかる本です。 一つ一つの質問に真摯に答えようと心掛けているのが文面から伝わってきます。内容は初学者には難しく、万人に勧めるにはためらう本ですが、理系の知識がある程度の人ならば読んでみてほしい本です。質問には回答が信用できません...
震災直後および、今もまだ緩やかに続く混乱の状況がよくわかる本です。 一つ一つの質問に真摯に答えようと心掛けているのが文面から伝わってきます。内容は初学者には難しく、万人に勧めるにはためらう本ですが、理系の知識がある程度の人ならば読んでみてほしい本です。質問には回答が信用できません、といったものや原子力関係からお金をもらっているのでは?といったエグく、しかも否定できないものもあり、こういった質問にも答えているところが好感を持てました。
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