手毬と鉢の子 の商品レビュー
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TVの旅番組で地元で有名な人としてさらっと紹介された著者。そのさらっと紹介された更にもっとさらっとこの本の題名に触れた。そのさらっとの縁で読んでみた。 冒頭に良寛さんの若いころの記録が今はまだ発見・発表されていなくて、そこでフィクションとしてこの物語尾書いたとのこと。フィクションと聞いてちょっとがっかりもしたが、書かれた時代や著者が執筆した時の年齢を踏まえてみても、面白く読めました。 周りに誰一人 人の気配がないと 人は寂しくて生きていけないのかなぁ。 一人がいいと思っても今の時代 どこかには人の気配があるもんねぇ。山で遭難した感じなのかなぁ…
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童話作家・新美南吉と無為の人、良寛和尚の魂が響きあって生まれたような、見事な伝記だと思った。 細かく言えば、子ども時代のエピソードは南吉の創作だし、登場人物の言葉遣いは、本来は越後の言葉であるはずが、南吉の里の半田訛りだったりして、難があるといえばあるのだが、当時の南吉の環境では取材旅行は無理だったし、入手できる資料も限られてた。むしろそのような状況下で、良寛という人間の人となりをしっかり掴んでみせた南吉の感性が見事だと思う。 ただし、ひとつひっかかるのが、良寛和尚が心の中で幕府を批判し天皇を大切にしていたというくだりで、どうもそこだけ浮いている。太平洋戦争突入直前の世相をあえて反映させていたと考えるのは邪推だろうか。
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