もう一度読みたい教科書の名作 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『競馬』と『蟹工船』は読んでいなかったのですが、素晴らしい小説でした。 『ごん狐』や『注文の多い料理店』などは子供のお話と思っていましたがもっと奥が深いことを知りました。 『蟹工船』は過酷な仕事を強いられていた労働者が一人ひとりでは弱者ですがその弱者が最後には一丸となって船の雇い主と戦うというストーリーですが それは船の雇い主の後ろにいる当時の国家権力を象徴的に書いているのだそうです。 解説の中には私と同じ感想もありましたが、 解説付きの小説は、自分の解釈はこれでいいのか?って考えてみる良いきっかけでした。
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教科書に載っていた文学作品。 当時は何気なく読んで、テストのために内容を押さえていただけでしたが、大人になった今読んでみると、より深く読めることがわかります。 どんな風に読めるのかというと、例を挙げてみます。 「人間にとって進歩的、発展的な物事を成し遂げるためには、必然的にエゴ...
教科書に載っていた文学作品。 当時は何気なく読んで、テストのために内容を押さえていただけでしたが、大人になった今読んでみると、より深く読めることがわかります。 どんな風に読めるのかというと、例を挙げてみます。 「人間にとって進歩的、発展的な物事を成し遂げるためには、必然的にエゴイスティックな『罪』を犯さなければならないという、避けることのできない業。」(p.20) これは、夏目漱石著「こころ」の主題だそうです。 確かに最初読んだ当初は、重いな、と思ったものでしたが、 ここまで深くは読めませんでした。 Kの死はこんなにも深いものだったんですね。 大人になってやっと理解できました。 (著者よりは理解できていませんでしたが。) 当時の教科書を既に処分してしまったことが残念ですが、本書に載っていない他の作品も読み直したいです。
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