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アオギリにたくして の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2015/12/10

結婚式の三日前に広島で被爆した節子。瓦礫に押しつぶされ片足を失った。悲嘆に暮れる彼女は障がい者としての苦しみ、被爆者差別の悲しみに打ちのめされていく。 フリーライターの千草は、取材先の東日本大震災の被災地で、広島で被爆したアオギリの苗を移植する人々と出会う。次第に広がりつつある...

結婚式の三日前に広島で被爆した節子。瓦礫に押しつぶされ片足を失った。悲嘆に暮れる彼女は障がい者としての苦しみ、被爆者差別の悲しみに打ちのめされていく。 フリーライターの千草は、取材先の東日本大震災の被災地で、広島で被爆したアオギリの苗を移植する人々と出会う。次第に広がりつつある活動に興味を持った千草は、取材中に節子の妹から彼女の日記を託される。その日記には一人の女性が被爆し、恋をし、そして傷つき、アオギリと共に再生していく壮絶な物語が記されていたのでありました。 忘れてはいけない歴史をモデルにした物語です。争いはエスカレートし必ず無辜の人々が犠牲になります。日本だけが体験したこの悲惨な歴史を蔑ろにして戦争の歴史へ再度足を踏み入れようとしている日本。一体何を学んで来たのでしょうか。

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2013/09/04

実在の語り部沼田鈴子さんをモデルにした物語。 まさしくアオギリの化身そのままの女性。 片足切断、家族や周りの愛、恋人の死、決して美化することなく丁寧にその人生を追っていく書き方に、泣くこともできずただただ頭を垂れるほかない。 はだしのゲンを読んでから30年以上の歳月が流れた・・...

実在の語り部沼田鈴子さんをモデルにした物語。 まさしくアオギリの化身そのままの女性。 片足切断、家族や周りの愛、恋人の死、決して美化することなく丁寧にその人生を追っていく書き方に、泣くこともできずただただ頭を垂れるほかない。 はだしのゲンを読んでから30年以上の歳月が流れた・・・新たに忘れてはならないという意志を強くした。

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2013/08/11

時間が経つもの忘れて、一心不乱に読み終えました。 漫画『はだしのゲン』を初めて読んだのは、小学生の時分でした。 その時の衝撃はとてつもなく大きかった。 そして、同作に触れ、あの当時と同じくらいの凄まじい衝撃が胸に走っています。 今、胸に感じることをどんなに言葉にして並べよう...

時間が経つもの忘れて、一心不乱に読み終えました。 漫画『はだしのゲン』を初めて読んだのは、小学生の時分でした。 その時の衝撃はとてつもなく大きかった。 そして、同作に触れ、あの当時と同じくらいの凄まじい衝撃が胸に走っています。 今、胸に感じることをどんなに言葉にして並べようと、この作品を言い当てることは出来ないだろう。 多くの人に読んでもらいたい。そして、広島平和記念公園に是非足を運んで頂きたい、と切に願うところである。

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2013/08/01

雨ざらし、日ざらしでもやすやすと草木は死なない。はかないけれど強い。ある意味人間よりも。 戦後20余年、爆心地で生まれた私は、100年は草木1本生えないといわれた惨状をまったく知らない。人や動物、草木、川、空気・・・絶望から立ち上がったあらゆる力によって自分は生かされていると思っ...

雨ざらし、日ざらしでもやすやすと草木は死なない。はかないけれど強い。ある意味人間よりも。 戦後20余年、爆心地で生まれた私は、100年は草木1本生えないといわれた惨状をまったく知らない。人や動物、草木、川、空気・・・絶望から立ち上がったあらゆる力によって自分は生かされていると思っています。はかないけれど強い力によって。自分もそういう力を子供に伝えていきたいと思っています。

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2013/07/21

結婚式を三日前に控えた21歳の時に広島で被曝し、倒壊した建物によって片足を失ったヒロシマの語り部 故 沼田鈴子 さんをモデルにしたフィクション。 3.11から一年の福島を訪れた一人の女性ライターが、アオギリの苗を植樹する人々を見かけ、そこからヒロシマで被曝したアオギリの木と、田中...

結婚式を三日前に控えた21歳の時に広島で被曝し、倒壊した建物によって片足を失ったヒロシマの語り部 故 沼田鈴子 さんをモデルにしたフィクション。 3.11から一年の福島を訪れた一人の女性ライターが、アオギリの苗を植樹する人々を見かけ、そこからヒロシマで被曝したアオギリの木と、田中節子という一人の語り部の関係を知り、取材を始める中で、田中節子という女性の壮絶な人生が明らかになり始める。 話自体はモデルとなった沼田鈴子さんの実話そのものと変わりないが、原爆被害の悲惨さよりも、沼田さんの語り部という姿にたどり着くまでの、決して平坦ではない生き様、その家族の葛藤を掘り起こす事で、ただ「原爆」をテーマにしたという以上の重みと力強さがある。

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