琉璃玉の耳輪 の商品レビュー
途中から急に面白くなって止められなくなりました。 あとがきを読んで、途中から津原さんが原作にプラスして新しい物語をつくったと分かり納得しました。 昭和3年の原作と津原さんのアイデアや文章がほどよく調和して、独特の作品になっていると思いました。
Posted by
江戸川乱歩作品のような昭和初期が舞台の 「ミステリ=推理小説」というより「探偵としての冒険小説」 作者の本領発揮感漲る熱の入った作品 こういう幻想ミステリが本分なのだろうと感じさせる 原作とどの程度の差異があるかわからないが 抜群の雰囲気ある娯楽小説
Posted by
1/17 読了。 戦前の日本のごっちゃ煮でスペクタクル好みなところは、『シャルビューク夫人の肖像』の舞台だった19世紀アメリカによく似ている。舞台背景のみならず、精神の分裂が物語にも大きく寄与するところも近く、たまたまこの2冊を続けて読んでよかった。 黄氏の数式については東日本大...
1/17 読了。 戦前の日本のごっちゃ煮でスペクタクル好みなところは、『シャルビューク夫人の肖像』の舞台だった19世紀アメリカによく似ている。舞台背景のみならず、精神の分裂が物語にも大きく寄与するところも近く、たまたまこの2冊を続けて読んでよかった。 黄氏の数式については東日本大震災後の今ならどう書いたか、あるいは道具立てそのものを変えてしまっただろうか、津原さんに聞いてみたい気がする。
Posted by
なかなか難しく重厚な物語だった…! 登場人物それぞれの過去があって、それが繋がってくる気持ちの良さを味わえた。にしても、三姉妹の名前が似ていて途中で分からなくなったり、見慣れない言い回しや漢字が使われていたりと、読み応えあったなぁ。 一回では落とし込めてない部分も多いし、南総里見...
なかなか難しく重厚な物語だった…! 登場人物それぞれの過去があって、それが繋がってくる気持ちの良さを味わえた。にしても、三姉妹の名前が似ていて途中で分からなくなったり、見慣れない言い回しや漢字が使われていたりと、読み応えあったなぁ。 一回では落とし込めてない部分も多いし、南総里見八犬伝に通じるという話をあとがきで知ったので、そういう観点で何度でも読みたい。
Posted by
尾崎翠の「琉璃玉の耳輪」をベースに書き上げられた探偵小説。 原案の魅力や雰囲気、スピード感を全く損なわずにオリジナルの設定(しかも結構重要な)を入れ、見事に面白く仕上げている。中でも瑩子と岡田明夫のやりとりと、八重子と木助のやりとりが見もの。
Posted by
阿片窟、見世物小屋、伯爵、唐人髷、多重人格…。物語の道具となっているものひとつひとつが、現代と現実から遠く、飽きることがない。しかも、これだけトンデモ設定なのに最後まで読ませるのは、品とおかしみの両方を備えた筆者の力なのだろう。やっぱり好きな作家だ。
Posted by
- 1