世界を回せ(上) の商品レビュー
物語の始まりは1974年夏。世界貿易センターツインタワーの間を綱渡りで渡る男。その下には彼の行く末を見つめる群衆たち。この男が主役なのか?と思いきや話はくるんと別世界に移り、そこから各章ごとに語り部が変わり、彼らの人生が読み手に切々と真摯に流れ込んでくる。いやはやなんて素晴らしい...
物語の始まりは1974年夏。世界貿易センターツインタワーの間を綱渡りで渡る男。その下には彼の行く末を見つめる群衆たち。この男が主役なのか?と思いきや話はくるんと別世界に移り、そこから各章ごとに語り部が変わり、彼らの人生が読み手に切々と真摯に流れ込んでくる。いやはやなんて素晴らしい作品。飾り気のないリアルさが決して明るくなく暗いのだけど、何故か惹きつけられてしまう。アイルランド出身の若き修道士とその仕事に懐疑的な兄。この兄弟の話しがとても印象的で心に残る。やがて運命はさらに暗く哀しいものに。下巻へ。
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