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大いなる探求(下) の商品レビュー

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2020/02/16

全体としては、1840年から20世紀末までの経済理論の流れについて、イギリス・オーストリア・アメリカを中心に紹介する内容。第一次大戦の処理から第二次大戦後の時代におけるケインズの活躍から、シュンペーター・ハイエクらの活動を見て行く。こらまで実地調査や鋭い考察で知られるベアトリスが...

全体としては、1840年から20世紀末までの経済理論の流れについて、イギリス・オーストリア・アメリカを中心に紹介する内容。第一次大戦の処理から第二次大戦後の時代におけるケインズの活躍から、シュンペーター・ハイエクらの活動を見て行く。こらまで実地調査や鋭い考察で知られるベアトリスが70歳代には、ソ連の・スターリンの茶番に対して節穴だった点については老害について考えさせる。同じ女性で活躍したジョーン・ロビンソンの個性の強さも印象的。戦中・戦後のアメリカ要人に多数(ホワイトやカリーなど)ソ連のスパイ要員がいたのは知らなかった。しかもスターリンの目指す方向性を知らない状態で共産主義イデオロギーに憧れるとは時代を反映している。 最後の章にベンガル出身の経済学の良心/アマルティア・センを選んだのも良かった。戦後アメリカの重要人物サミュエルソンのエピソードも霞んでしまうほどに他の人物が色濃い。 宗家19代目の徳川家広なる人物が翻訳を担当しているが、ぜひ後書き残してほしかった・・

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2016/12/26

上巻に続き、経済学者の思想の背景を、彼らが生きた時代の状況と合わせて解説するもの。フリードマン、シュンペーター、ハイエク、サミュエルソン、ジョーン・ロビンソン、アマルティア・セン。感想としては、経済学というのは単に社会・経済の状況の統計・分析を行うだけもののではなく、平和な世界の...

上巻に続き、経済学者の思想の背景を、彼らが生きた時代の状況と合わせて解説するもの。フリードマン、シュンペーター、ハイエク、サミュエルソン、ジョーン・ロビンソン、アマルティア・セン。感想としては、経済学というのは単に社会・経済の状況の統計・分析を行うだけもののではなく、平和な世界の前提条件を考えるものであること。景気循環は発展をもたらすものであるから、不況が起こるのは自然であり、むしろ健全とも言えること。経済の自由の侵害はやがて政治的自由の侵害へつながること。

Posted byブクログ

2014/02/11

経済学大河ドラマの後半の主人公は、シュンペーター、ケインズ、ハイエクか。3人の天才の距離感が移ろいながら第二次世界大戦を挟んで経済学が世界の関係を作るプラットフォームになっていきます。激動の時代、それぞれの業績だけではなく、それぞれの資産形成の浮き沈みが描かれているところがこの物...

経済学大河ドラマの後半の主人公は、シュンペーター、ケインズ、ハイエクか。3人の天才の距離感が移ろいながら第二次世界大戦を挟んで経済学が世界の関係を作るプラットフォームになっていきます。激動の時代、それぞれの業績だけではなく、それぞれの資産形成の浮き沈みが描かれているところがこの物語にエンターテインを与えています。やっぱりどんな人生を歩むかが思想形成に影響するんですよね。お金だけじゃなくて同性愛あり、不倫三角関係あり、この生々しさが、やっぱり経済学って数学であると同時に人間の学問であることを伝えていると思います。ところで本書の最終章はアマルティア・センに当てられています。上下巻通じて舞台はずっと欧米でしたが、この終わり方が、著者のこれまでの経済学の総括と、これからの経済学への期待になっているのかな?と考えたりしました。

Posted byブクログ

2013/08/07

後半はケインズが多くの頁を占め、サミュエルソンからセンまで駆け足で終わる やはり上巻のように、当時の雰囲気はよく伝えてくれてはいる ロバート・ソローのこの本の批評を見たので、かなり酷い内容かと思ったが、それほどではなかった

Posted byブクログ