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あの日からもずっと、福島・渡利で子育てしています の商品レビュー

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2013/07/08

 東日本大震災と原発事故により、一躍有名になってしまった福島県福島市渡利地区。市内でも線量の高い地域として報じられたこの土地で、学童保育の指導員として、また3児の父親として「住み続ける」ことを選んだ著者と、その家族の日常がつづられる。  福島の現状をめぐっては数々の書籍が出版さ...

 東日本大震災と原発事故により、一躍有名になってしまった福島県福島市渡利地区。市内でも線量の高い地域として報じられたこの土地で、学童保育の指導員として、また3児の父親として「住み続ける」ことを選んだ著者と、その家族の日常がつづられる。  福島の現状をめぐっては数々の書籍が出版されてきたが、本書は、どこにでもいる一家族のリアルな葛藤を描く。メディアによって切り取られた情報には限界があるが、当事者が伝える実感に勝るものはない。  被災地は少なからず外からの「善意」に翻弄されてきた。必要以上に誇張された事実と異なる健康被害。作られた被災者像。被災地の負担を増長する支援のあり方など。子どもを一時的に避難させる保養についても、その必要性は認めつつ、「圧倒的多数の子どもたちが参加できていないこと」「家族と生活の場を離れて過ごす影響」などを懸念する。  「それぞれの持ち場で奮闘すべし」との言葉を改めて噛みしめる。(松ちゃん)

Posted byブクログ