あちん の商品レビュー
お城跡の町を舞台にした怪談連作短編集。数々の言い伝えが語られる土地の雰囲気とそこで起こる怪異は、怖いながらもどこかほっこりとした優しさを感じさせられます。……いや、それでもやっぱり怖いか。 お気に入りは「向こう岸―あの日」。これも怖いながらも優しい話、と思ったら。このラストはあま...
お城跡の町を舞台にした怪談連作短編集。数々の言い伝えが語られる土地の雰囲気とそこで起こる怪異は、怖いながらもどこかほっこりとした優しさを感じさせられます。……いや、それでもやっぱり怖いか。 お気に入りは「向こう岸―あの日」。これも怖いながらも優しい話、と思ったら。このラストはあまりに怖すぎました。これこそリアルな恐ろしさなのかもしれない……。
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著者の地元に語り継がれる伝承、都市伝説を基に紡ぎあげられた短編を6編収録した連作。 どの作品も不気味さ、怖さをしっかりまとっていて、この季節に読むにはぴったり! 異様な状況を描く場面が多いのですが、その場面での情景描写が巧みで、実際にその場面の映像や時には臭気すらも感じさ...
著者の地元に語り継がれる伝承、都市伝説を基に紡ぎあげられた短編を6編収録した連作。 どの作品も不気味さ、怖さをしっかりまとっていて、この季節に読むにはぴったり! 異様な状況を描く場面が多いのですが、その場面での情景描写が巧みで、実際にその場面の映像や時には臭気すらも感じさせられて読んでいて引き込まれます。 怪談ものとしての怖さももちろんですが、主人公奈津美の心理描写も巧み。人との付き合い方や、地元で生活する奈津美と都市部へ出ていった友人との微妙な距離感の描き方など、巧いなあと思ってしまいます。 印象的な短編は『向こう岸―あの日』 ラストでの後味の悪さが強烈でした。てっきりそういう流れで来るとは思っていなかったので、なかなかのパンチ力……。苦い結末が好きな方なら、読む価値ありの作品だと思います。 第2回『幽』怪談文学賞短編部門大賞『あちん』収録
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