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ドナルド・キーン著作集(第7巻) の商品レビュー

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2016/10/27
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【足利義政と銀閣寺】力足な将軍足利義政は応仁の乱以後、荒廃した京都にて、自身が思う美をその時代最高の人々と共に実体化させ、現代に続く日本文化の根底をつくった。この時の義政のこだわりようは相当なもので、現代に残っているのは、銀閣寺と東求堂のみとなっている。  今の日本人的感覚が応仁の乱と関係しているなんて、全く思ってもみかったことで、面白く感じた。義政は家庭面で運が良かったとは言えないが、芸術面で身分を超えて多くの人と出会い、この方面で幸せだっただろうと推察される(数百メートル先で戦闘しているのに、目の前の美に没頭していたことは驚きに値するが…そのような人柄だったのだろう(苦笑))。  次は、明治時代の廃仏毀釈について調べたいと思った。 【私の日本文学逍揺(しょうよう)】  はじめ、日本語のむずかしさを例にだし、導入は面白おかしかった。しかし、読み進めるうちに日本語(日本語の国語)がいかに難しいのかじわじわ感じられた。 日本人でも、この表現は正しいのかとか、古文は全く読めないとか習熟度にばらつきがあり、しかも日本人学者ですら、いまだに分からない部分もある。外国人が古典を含めた日本語を習得しようとすれば、本当に一生かかるだろうとこの本より感じた。  また、日本語の魅力についても考えさせられた。日本文学について、自身はよくわからないが、なんだかとても面白いものに見えてきたのだ。私もキーン氏のように蒐集癖があるので、案外はまってしまう学問ではないかと感じた。  最近書道を始めたせいだろう、書に関する記述が心に残った。著者が感じた風な感動ではないが、私も書に感動を見出していた。それは良寛の書だ。京都の半地下の床の間にあるその二幅は思い出すだけで感動をもたらす。また見に行きたいと思う書だ。  面白かった。友人に勧めたい一冊だ。 【以下ライブ感想文】  終始爆笑を抑えざるおえない本だった!  日本語は難しいの例で笑ってしまった!続く[私はあなたを愛します]についても、吹き笑ってしまった。外国の方がこの記述を真面目に受け取ってしまって、告白の時に[沈黙です]と言ったりするシーンを想像して、また笑ってしまった!!  確かに日本語は難しい!! タイトルの逍遥も、私の知らない言葉だった。調べてみると、馬琴の小説の場合の振り仮名についての記述があったが、これは   に詳しい。当時の本は一つの漢字(熟語や単漢字など)に対して右と左に詠むがながついていた。つい最近読んだ本だったので、知識が役だち、細く笑んだ。  改めて日本語複雑性について考えてみた。日本語は表意文字と表音文字を組み合わせでなりたっており、これだけで複雑からくる混乱に会いまみえることになる。現代語を海の水面と考えると、過去の古文などはその深さと複雑さにのけぞってしまう。こう考えてみると、私が外国人だとして、日本語を勉強しようとすると、クレイジーになるのか、暗記の名人になるしかないと思った。・・・我ながら、クレイジーの表現に笑ってしまった。  翻訳をやるかやらないかに、政治的配慮があるとは思わなかった。初めて知った。この配慮は日本向けにもあるはずだ。もちろん翻訳されていないだろうが、そんな本を探して外国語で読むのも一興だなと思った。  文章の一単語(または漢字)の中に多くの意味―文中から見た場合示唆―を含ませる日本語は確かに難しいと思う。また本中(P393)にある、『澀江有斎』の引用の読中のリズム感を外国語で表現するのは、難しく、それをしおえないと、作品のある一面の面白さが表現できない。外国の学者が、そんな日本文学の楽しみを知れば秘匿にしたいのもうなずける。  P405 いとしい人!吹き出してしまった。ここ図書館なんですけど!!  書についての記述、字を「楽譜」と表現したのに、まさにそのとうり!と持った。書は絵画であり文字でもある。文字は何かの意味をなす。これは美の視点から見ると特異点だ。

Posted byブクログ