アルビノを生きる の商品レビュー
田舎者だからか、周囲にそういった人がいないもんで 物語の世界でしか知らない白皮症… ほんとにほんとにいるんだな…
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図書館で借りた本。アルビノで生まれてきた方達の人生について、どんな風に生きてきたかをレポしている内容。アルビノの子どもを持った両親の人生も掘り下げて書かれているので、もうお腹いっぱいになる感覚に陥った。お年を召したアルビノの方達の子ども時代は大変に生きづらかっただろうし、目に障害...
図書館で借りた本。アルビノで生まれてきた方達の人生について、どんな風に生きてきたかをレポしている内容。アルビノの子どもを持った両親の人生も掘り下げて書かれているので、もうお腹いっぱいになる感覚に陥った。お年を召したアルビノの方達の子ども時代は大変に生きづらかっただろうし、目に障害も伴ってしまうから苦労も半端なかっただろう。今は髪の毛の色など様々でアルビノのモデルもいる世になって偏見の目は少な区なった様な気がするな。
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アルビノとして生きる人たちの、真実のルポルタージュ。実際にアルビノの方にお会いしたことがない私にとっては、知らないことや誤解していることが多すぎた。強く明るく生きようとする姿、さまざまな苦悩をかかえて進む姿は、その肌や髪の色にも負けないくらい美しいと思うし、私自身、自分を見つめ直...
アルビノとして生きる人たちの、真実のルポルタージュ。実際にアルビノの方にお会いしたことがない私にとっては、知らないことや誤解していることが多すぎた。強く明るく生きようとする姿、さまざまな苦悩をかかえて進む姿は、その肌や髪の色にも負けないくらい美しいと思うし、私自身、自分を見つめ直すきっかけともなった気がする。
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アメリカにいた頃albino(発音はアルバイノ)という言葉を聞いたことがあり、つまりもしかすると当時の自分の周りに当事者がいたのかもしれないけど、いろいろな人種が集まっている国では外見的にそれほど目立つことがないこともあり気付かなかった可能性がある。ただしそれが日本となるとまた別...
アメリカにいた頃albino(発音はアルバイノ)という言葉を聞いたことがあり、つまりもしかすると当時の自分の周りに当事者がいたのかもしれないけど、いろいろな人種が集まっている国では外見的にそれほど目立つことがないこともあり気付かなかった可能性がある。ただしそれが日本となるとまた別の話。どのような苦労をしてきたのかと思うと頭が下がる。そしてそのような情報を与えてくれた本書に感謝。アルビノとして現代を生きる方々を深く知ることのできる良書だと思う。
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昔見かけた、帽子を目深に被った男の子のことが忘れられない。彼のそばにいた家族と思われる人たちは皆、日本人の見かけをしていた。 たぶん、アルビノのお子さんだったのだと思う。凝視することはためらわれたので、もしかしたら外国人だったかもだけど… わたしが憤りを感じるのは、もしかしたら自...
昔見かけた、帽子を目深に被った男の子のことが忘れられない。彼のそばにいた家族と思われる人たちは皆、日本人の見かけをしていた。 たぶん、アルビノのお子さんだったのだと思う。凝視することはためらわれたので、もしかしたら外国人だったかもだけど… わたしが憤りを感じるのは、もしかしたら自分にも起きていた、あるいは起きるかもしれないということに至らないその心情。誰のせいでもないのなら、誰にでも起きるということ。なぜ当事者が過剰な自助努力を強いられなければならないのか。
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人は他人と違おうとする割には、違うものを排除しようとする。多かれ少なかれ、そういう経験を誰もがしているのだろうが、アルビノの人たちの、非常に大きな排除の力に対して、耐えたり隠れたり別の道を選んだり、といった実例の数々。隠れたい人からは、自身のアルビノの情報を世に発信する、というこ...
人は他人と違おうとする割には、違うものを排除しようとする。多かれ少なかれ、そういう経験を誰もがしているのだろうが、アルビノの人たちの、非常に大きな排除の力に対して、耐えたり隠れたり別の道を選んだり、といった実例の数々。隠れたい人からは、自身のアルビノの情報を世に発信する、ということさえ迷惑だ言われてしまう一方で、そうした情報があるから絶望しないですんだ、という人もいる。 社会からの斥力が働く中で、なんとか仕事についたりしても、視力が弱い人も多く、知人とすれ違っても気がつかない、物を落としたら後は音が頼りだったりと、また別の困難が待っている。それも乗り越えて…という人たちの話。ハードな本であった。 世の中には、いろいろな知らないことがあるし、大抵のことは知らなくても構わないことだけど、こうしたことの場合は、無知が結果的に排除に手を貸すことになる。知っておかねばならない。
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アルビノ。先天性白皮症。俗に「白子」ともいう。 メラニン色素生合成のいずれかの部分を担う遺伝子に欠陥が生じるため、メラニンが作れなくなった結果、生じる疾患である。体毛や皮膚が白くなり、紫外線に弱く、視覚的障害を伴う例が多い。が、症状については個体差が大きい。 1万~2万人に1人が...
アルビノ。先天性白皮症。俗に「白子」ともいう。 メラニン色素生合成のいずれかの部分を担う遺伝子に欠陥が生じるため、メラニンが作れなくなった結果、生じる疾患である。体毛や皮膚が白くなり、紫外線に弱く、視覚的障害を伴う例が多い。が、症状については個体差が大きい。 1万~2万人に1人が発症すると言われる。 本書はこうしたアルビノの人たちを複数取り上げ、その人生を丁寧に追ったルポルタージュである。 動物の例がときどきニュースになるが、人のアルビノについてはそういえばあまり考えたことがなかった。 本書は、アルビノのみについて書かれた本としては本邦初、ということになるようだ。それだけ注目されてこなかった、あるいは触れられてこなかった話題、ということになるだろう。 アルビノが特殊な点は、その「外見」が目立つことだろう。特に、日本人のような有色人種の中では、色白で白髪という「外見」がきっかけで、忌避されたり、からかいの対象となったりすることも多いようだ。 その一方、正確な知識を持っている人は少なく、極端な場合では、病院でもなかなか判断がつかず、患者や家族が苦労した挙句にようやく正しい診断にたどり着く、といった例もある。外見から虚弱に見えるということか、昔は(いや今でも)長生きはできないという俗説まであったという(これは根拠がない話で、実際に高齢のアルビノ患者も存在する)。 つまり、ぱっと見て目立つのに、正しく理解されていない、ということである。 もう1つ特徴的なのは、現時点では根本的な治療法がないことだろう。 紫外線に弱いため日光になるべく当たらないように、また眩しさを感じやすいため窓際の席は避けるように、弱視の症状が進んだらルーペを使うなどするように、等、とにかく対症療法で凌ぐしかない。 そうした困難を乗り越え、患者同士がつながりを持ち、それぞれの道で生き抜き、海外にも目を向けていく。そのさまを、著者はじっくりと取材し、書き起こしている。 当事者や家族であれば不安を払拭された、また力づけられた点を拾うことも出来るだろう。特にこれまでに類書がないということであれば、そう少なくないアルビノ患者にとっては、非常に意義の大きい書であるだろう。 読み終わってみて、「部外者」としての感想にどれだけ意味があるのか、今ひとつわからないのだが、簡単に述べておく。 さまざまな事例があり、それぞれの人がそれぞれの事情を抱える。症状の重さもそれぞれだが、環境も多様である。周囲に理解のある人がいる場合もあれば、理解のない家族に苦しむ人もいる。 だが、それは誰しも、同じではないか。 程度の違いはあれ、誰もが自分の「ハンディ」を持ち、誰もが自分の「環境」の中で生きている。 そういう意味で、特別な人たちの特別な話というよりも、普遍性のある話であるようにも読める、そんな本だと思う。 *保因者は意外に多いようである。複数の遺伝子が関与しており、また関与している遺伝子すべてが明らかになっているわけではないが、ほぼ50~70人に1人が保因者と概算されるようだ。遺伝子は2つで1組であり、一方のみが欠陥の場合、外見には現れない。両親とも、症状が出ていないが保因者である場合、両親のそれぞれの欠陥遺伝子を引き継げば症状が現れることになる。 *複数の遺伝子が絡むだけに、遺伝子診断はかなり複雑になるようである。 *症状の軽い場合、髪を染めるなどで対処し、アルビノとして表には出てこない患者さんも結構多いのかな・・・?という感じもする。 *脈絡膜の色素欠乏から、網膜での光の受容が不十分である場合には、視細胞が未成熟となるようである。その場合は、眼鏡などの屈折率を変える矯正では効果が得られにくい。 *巻末に参考文献や参考ウェブサイトがまとめられているが、本書にももう少し遺伝学的・医学的な説明があってもよかったように思う。本書の主眼はそこではなかった、ということだと思うが。
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アルビノ(旧名白子症)はブラック・ジャックを読んで知っていたけれど、知識はそれがすべてでした。 肌の色が白い、目が青い(青以外の色もある)、髪が白い(金髪のこともある)だけで、こんなに差別されていたのか、学校、特に高等教育の現場が弱視者への情報補償をこんなになおざりにしてきたのか...
アルビノ(旧名白子症)はブラック・ジャックを読んで知っていたけれど、知識はそれがすべてでした。 肌の色が白い、目が青い(青以外の色もある)、髪が白い(金髪のこともある)だけで、こんなに差別されていたのか、学校、特に高等教育の現場が弱視者への情報補償をこんなになおざりにしてきたのかと驚きました。 また、医療職が「自分には分からないから患者会に聞いて」と職務放棄している実情にも驚きあきれました。 盲学校の現状についても、知らなかった世界を知りました。(もちろん盲学校のすべてが分かったわけではありませんが) 迷信深いタンザニアでは、本当にアルビノ狩りが行われ、致傷致死者が出ている。そのことを欧米のマスコミは非常に問題視してとりあげるが、日本のマスコミはほぼ無視しているという報告もありました。 本当にいろいろ考えさせられるドキュメントでした。 しかし、異色な姿を目にした時「こっちに来るな」と石を投げる人が、本当にいるんですね。文明社会だと思っていた、この日本に。 自分と違うと感じるものに「初めに警戒心を抱く」というのは生物として自然だけれど、「まず攻撃する」という態度は人間社会にあるまじき下劣なものだと思います。
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取材力に圧倒されます。出てくる人にそれぞれドラマがあり、最後はどれが誰の話だったか分からなくなるほどでした。読んでよかったです。
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そういえば何年か前に、朝日新聞の人紹介欄に石井更幸さんが出ていたなあということを思い出した。 この本を読んでいる途中、思わず涙がこぼれ落ちた場面が何度かあった。誰にもわかってもらえない、見た目からくる差別、実の家族からの眼差し、それらが実際にあったという事実に怖くなった。 アルビ...
そういえば何年か前に、朝日新聞の人紹介欄に石井更幸さんが出ていたなあということを思い出した。 この本を読んでいる途中、思わず涙がこぼれ落ちた場面が何度かあった。誰にもわかってもらえない、見た目からくる差別、実の家族からの眼差し、それらが実際にあったという事実に怖くなった。 アルビノ(白皮症)は確かに、エンターテイメントでは神聖なもの、神秘的なものという扱われ方が多い。白い肌に白い髪、色素の薄い瞳。美しい容貌で儚げな雰囲気を纏っている。私自身もそんなイメージがあった。弱視で日光に弱く、日焼けが命取りになるということはこの本を読んで初めて知ることになった。「アルビノ」という言葉は今ではそう珍しくはないというのに、それに関した本に出会ったことがなく、題名の「アルビノを生きる」に惹かれ、読んでみようかと軽い気持ちで手に取った。衝撃的な内容だった。アルビノのことをわかっていなかった。恥ずかしいという気持ちでいっぱいだった。 アルビノはある一定の割合でこの世に生まれてくる。それならばこの先、もしかしたらアルビノの人と出会うこともあるかもしれない。そう思うと、この本を読むことで彼らのことを少しでも知ることができるかもしれないという思いが強くなった。ページを次々とめくった。 差別、偏見を持つということは、理解しようとする気持ちを持っていない、理解していないからこそ起こることなのかもしれないなと、この本を読んでいて思った。アルビノのことを知る人が少しでも増えれば、この先生まれてくる子どもも、理解ある人たちの中で過ごすことができるだろう。 もっとたくさんの人に、アルビノのことを知ってほしい。私自身ももっと知りたいなと思った。 とりあえず、この本を友達に教えてみようと思う。
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