フィンランド理科教科書 の商品レビュー
KEMIAN TIETOKIRJA - Aine Ja energia https://www.kagakudojin.co.jp/book/b108502.html
Posted by
中学生レベルの教科書であり、内容は日本と同様である。しかし大きな違いは生活や自然の視点である。様々な化学現象や物質が生活においてどのような物に使われているのか、どのような影響を及ぼしているのかといった事がしつこいぐらいに書かれている。例えば燃焼は火事、窒素ガスは食品の保存、水は...
中学生レベルの教科書であり、内容は日本と同様である。しかし大きな違いは生活や自然の視点である。様々な化学現象や物質が生活においてどのような物に使われているのか、どのような影響を及ぼしているのかといった事がしつこいぐらいに書かれている。例えば燃焼は火事、窒素ガスは食品の保存、水は汚水の浄化といった具合にである。さらに炭素、炭水化物、脂質は化学というよりも家庭科寄りの内容となっている。 全体を通して化学は生活の一部であるということを印象付けさせようとする試みが感じられた。「身近な製品と化学」「環境問題と化学」として生活と化学の関係の総まとめとしてミクロとマクロの2つの視点で2章割いていることからもうかがえる。一方日本の教科書は化学は化学ととして生活から切り離されている印象が強い。化学が何に使われてているのかイメージがつかなければ化学、ひいては科学全体に興味を持てなくなってしまうのも当然の結果だろう。加えて化学でもっとも重要な単位である「モル」は最後の「環境問題と化学」でようやく登場する。これは少量の化学物質が環境に大きな影響を与えてしまうという文脈で登場する。日本の教科書とは全く逆である。この点だけを見ても教科書、ひいては教育に対する態度の違いがよく分かる。
Posted by
フィンランドの中学校「化学」の翻訳本。生活と化学の関連が随所に配置され、日本の教科書より高度。教科書検定廃止の恩恵もあるだろう。
Posted by
- 1