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ソウルメイト の商品レビュー

4.1

42件のお客様レビュー

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2023/10/31

犬と人間の感動的な物語

愛情と信頼で固く、深く結ばれた人間と犬の物語7編からなる短編小説集である。人間が本当に犬のことを理解しているかどうかに疑問はあっても、犬が人間のことを深く理解していることは間違いないであろう。「犬は人間の魂の伴侶(ソウルメイト)である。」という言葉は至言である。7編のうち特に、東...

愛情と信頼で固く、深く結ばれた人間と犬の物語7編からなる短編小説集である。人間が本当に犬のことを理解しているかどうかに疑問はあっても、犬が人間のことを深く理解していることは間違いないであろう。「犬は人間の魂の伴侶(ソウルメイト)である。」という言葉は至言である。7編のうち特に、東日本大震災で野生化した犬が、捜しに来た人間との絆を取り戻す「柴」は、リアルで切なく胸に響く。各編に登場する犬達は皆血統書付きの由緒正しき犬達だが、そうではない犬であっても人間の接し方次第で犬と人間の感動的な物語は十分成立することであろう。

fugyogyo

2024/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【あらすじ】 犬と人間は言葉はかわせない。けれど巡り会うとかけがえのない“家族”になる。余命数ヶ月を宣告された愛犬と夫婦との最後の時間を描く、渾身の中編など、涙なしには読めない七つの物語。 『今この瞬間、日本中の、いや世界中のいたるところで辛い闘病生活を送っている犬が、人にむごい仕打ちをされている犬が、死にかけている犬が、愛する犬のために涙を流している人がいるのだ。』 『カータを迎えた時から、自分より先にカータが逝くことはわかっていたのだ。ならば、失うことを嘆き悲しむより、カータと一緒にいる1分1秒を大切に思うほうがいい。逝くその瞬間まで、カータが幸せを噛みしめていられるよう心を砕く方がいい。』 【個人的な感想】 最後の「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」の話で昨年の12月に亡くなった愛犬との別れを思い出して泣いた。 犬を飼っている人にも、飼っていない人にも読んで欲しい1冊です。

Posted byブクログ

2024/07/10

とても良かったです。自分は犬が好きなんだと改めて思わせてくれたからです。 犬を飼うとなったら、その犬種の特性をしっかり理解しておくことがものすごく大切なんだと痛感しました。 わからないところは、調べながら読み進められてとても楽しく読めました。 ジャーマンシェパードやバーニーズマウ...

とても良かったです。自分は犬が好きなんだと改めて思わせてくれたからです。 犬を飼うとなったら、その犬種の特性をしっかり理解しておくことがものすごく大切なんだと痛感しました。 わからないところは、調べながら読み進められてとても楽しく読めました。 ジャーマンシェパードやバーニーズマウンテンドッグには惚れ込んでしまいました。特に好きになったのはボルゾイです。気高く高貴。プライドが高いところはあるが、本作でもあったように飼い主をイジメから守るという優しさも兼ね備えている。動画で何度もみてしまいました。 特に感動した話は、やはり最後のバーニーズマウンテンドッグのカータの話です。組織球性肉腫、いわゆる血液の癌。死因は異なりますが、去年亡くなった愛犬と重なり、目頭が熱くなるどころの騒ぎではありませんでした。ボロボロと泣きました。 馳さんの犬に対する愛が伝わってくるような作品でした。 読めてとても良かったです。

Posted byブクログ

2021/10/03

 昔、内藤陳という「本読み」の芸人さんがいて、新宿で「深夜プラス1」という飲み屋さんをやっていらっしゃったということを、東京になんか何年も行ったことがなかった田舎者の学生はあこがれていました。  その酒場でバイトしていた学生さんが作家になった。そんな噂を聞いたのはもう何十年も昔の...

 昔、内藤陳という「本読み」の芸人さんがいて、新宿で「深夜プラス1」という飲み屋さんをやっていらっしゃったということを、東京になんか何年も行ったことがなかった田舎者の学生はあこがれていました。  その酒場でバイトしていた学生さんが作家になった。そんな噂を聞いたのはもう何十年も昔のことですが、次々とヒット作をお書きになるのを遠くから伺うだけで、手が出なかったのは何故でしょうね。  その馳星周さんの作品を始めて読みました。「犬」の話でした。一作一作、犬好きの本領発揮といった趣で「うまいものだ」と感心しながら読み終えました。  まあ、どうでもいいことですが、昔、西村寿行という犬好き作家がいたなとか、猫の話だとこうはならないんですよねとか。そんなふうに、書き手にはそんな意図は毛頭ないのでしょうが、他の動物のことや、30年以上も前のおもいでをうろうろさせるところが面白いなあと思った次第です。  ブログにも書きました。覗いていただけると嬉しいですね。   https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202107180000/

Posted byブクログ

2021/01/13

犬を飼っている人には、それぞれに犬と共に送る人生があって、それぞれに絆がある。その内の7つをみることができた気がしました。 改めて「犬」という動物は、私たち人間にとって身近にいる存在だなって思い、私もかつて飼っていた3匹の犬を思い出しました。 切ない話、温かい話、どれも興味深く、...

犬を飼っている人には、それぞれに犬と共に送る人生があって、それぞれに絆がある。その内の7つをみることができた気がしました。 改めて「犬」という動物は、私たち人間にとって身近にいる存在だなって思い、私もかつて飼っていた3匹の犬を思い出しました。 切ない話、温かい話、どれも興味深く、そして短い話なのに、登場人物たちの想いがビッシリ詰まっていて、伝わってくるものがたくさんありました。

Posted byブクログ

2020/12/30

犬は人間の魂の伴侶であり、そんな犬と人間との絆を描いた7頭の犬の短編7話。「柴」動物保護団体のボランティアに参加し、3.11の震災後飼い主からはぐれ取り残された犬や猫を保護する。そんななか、被災した母親の飼い犬だった柴犬の風太と再開に涙が出そうになった。「シェパード」犬が苦手な愛...

犬は人間の魂の伴侶であり、そんな犬と人間との絆を描いた7頭の犬の短編7話。「柴」動物保護団体のボランティアに参加し、3.11の震災後飼い主からはぐれ取り残された犬や猫を保護する。そんななか、被災した母親の飼い犬だった柴犬の風太と再開に涙が出そうになった。「シェパード」犬が苦手な愛(めぐむ)が趣味の登山中、シェパードのメグを連れた川久保と出会う。名前が同じ犬と川久保に惹かれる愛、ちょっとできすぎだけど心温まる。「バーデーズ」この話は著者のエッセイ「走ろうぜマージ」の小説化。別れは覚悟しつつ悲しい話だ。

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2020/09/21

馳星周さんの作品初読。直木賞作品からの犬繋がりで手に取ってみた。犬を飼ったことのない私にはたぶん作品の良さが十分には実感出来ていない気がする。

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2020/07/20

馳星周 著「ソウルメイト」、2013.6発行。ソウルメイト=魂の伴侶 ①チワワ、末期癌の妻を癒やすルビイ ②ボルゾイ、悪い4人組から悠人を守る ③柴、3.11福島から野に放たれ9ヶ月、母の肌着の臭いで戻ってくる ④コーギー、虐待され続け捨てられたコーギーに「愛情」で心を開かせた真...

馳星周 著「ソウルメイト」、2013.6発行。ソウルメイト=魂の伴侶 ①チワワ、末期癌の妻を癒やすルビイ ②ボルゾイ、悪い4人組から悠人を守る ③柴、3.11福島から野に放たれ9ヶ月、母の肌着の臭いで戻ってくる ④コーギー、虐待され続け捨てられたコーギーに「愛情」で心を開かせた真波 ⑤シェパード、リタイアした警察犬のプライドと優しさ ⑥ジャック・ラッセル・テリア、子供がテリアのボスになるまでの訓練 ⑦バーニーズ・マウンテン・ドッグ、短命な犬種、癌で8歳で天国に。ただ涙。どの話も心に響く話です!

Posted byブクログ

2020/03/08

これまで知ってた馳星周のイメージ皆無の短編集。 暴力なし、グロなし、やるせないラストなし。 こんなのも書けるのね、って感じ。 良くも悪くも想像裏切られたけど、読みやすいし悪くはない。ただ、想像裏切られるほどよい、ってほどでもない。

Posted byブクログ

2019/06/14

馳星周氏と言えばノワール小説のイメージしかなかったのですが、この本がテレビで紹介されていたのを見て興味を持って手に取ってみました。犬が大好きでそのために軽井沢に引っ越し、まさしくソウルメイトを看取り、現在も犬と暮らす彼が愛情いっぱいに7つの犬との物語を綴っています。特に震災後の話...

馳星周氏と言えばノワール小説のイメージしかなかったのですが、この本がテレビで紹介されていたのを見て興味を持って手に取ってみました。犬が大好きでそのために軽井沢に引っ越し、まさしくソウルメイトを看取り、現在も犬と暮らす彼が愛情いっぱいに7つの犬との物語を綴っています。特に震災後の話となる「柴」や、彼の愛情と悲痛な叫びが響いてくる「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」は涙をぼろぼろこぼしながらの読書となりました。犬たちがどんなに人間を愛し寄り添ってくれているかがこの本から痛いほど伝わってきました。

Posted byブクログ