いつも彼らはどこかに の商品レビュー
「人の孤独を包み込むかのような...」と帯にも書かれていましたが、本当にその通りです。 動物園でなくとも、ふとした瞬間に感じる動物の気配が私たちを励ましてくれることがあります。 私が印象に残ったエピソードは「帯同馬」と「ビーバーの小枝」、「愛犬ベネディクト」「竜の子幼稚園」です...
「人の孤独を包み込むかのような...」と帯にも書かれていましたが、本当にその通りです。 動物園でなくとも、ふとした瞬間に感じる動物の気配が私たちを励ましてくれることがあります。 私が印象に残ったエピソードは「帯同馬」と「ビーバーの小枝」、「愛犬ベネディクト」「竜の子幼稚園」です。 特に「帯同馬」は同じ生活を繰り返す、同じ範囲でしか生きていない主人公に、意識下で寄り添う様子が描かれています。 動物と関わり、優しく、時に不気味な話が読めたので、なんだか外に出て彼らの気配を感じたくなりました。
Posted by
「いつも彼らはどこかに」(小川洋子)を読んだ。 動物をテーマにした短編集。 小川洋子作品は息をひそめそっと耳を澄ますようにして読む癖がついてしまっている。 ゆらゆらと射し込む優しい陽光を水底から見つめているような静謐さにうっとりする。 「ビーバーの小枝」が素晴らしい。 今年...
「いつも彼らはどこかに」(小川洋子)を読んだ。 動物をテーマにした短編集。 小川洋子作品は息をひそめそっと耳を澄ますようにして読む癖がついてしまっている。 ゆらゆらと射し込む優しい陽光を水底から見つめているような静謐さにうっとりする。 「ビーバーの小枝」が素晴らしい。 今年これまでに読んだ短編の中では、深緑野分さんの「髪を編む」(「空想の海」収録)と、この「ビーバーの小枝」が同率ベストワンだな。 あー面白かった。
Posted by
小川洋子さんの世界が味わえる素敵な短編集。生き物たちが登場する。少し毒気が強い話もあり。スパイスみたいなものかな。特に『ビーバーの小枝』と『ハモニカ兎』がお気に入り。ビーバーの頭蓋骨を画像検索して見てみました。
Posted by
とても個性的な主人公達が登場する短編集。主人公たちはこだわりが強かったり、マイルールに縛られていたり、思い込みが激しかったりします。でも、私にも程度の差はあるけど、そういう所があるような気がします。家族がいるので、そういう所を指摘され気がつくけど、この本の登場人物は一人暮らしの方...
とても個性的な主人公達が登場する短編集。主人公たちはこだわりが強かったり、マイルールに縛られていたり、思い込みが激しかったりします。でも、私にも程度の差はあるけど、そういう所があるような気がします。家族がいるので、そういう所を指摘され気がつくけど、この本の登場人物は一人暮らしの方が多いようなので、気がつかないのかもしれないな。と思いました。
Posted by
動物を絡めた短編集。小川さんらしい文だと思うけど、この静かな気持ちの揺らぎを感じられる心の余裕がなかったのかもしれません。少し読むのが辛かったです。
Posted by
小川さんの日本の話しか、外国の話か、どちらとも取れるような不思議な短編集。どれにも動物が出てきます。どこかに彼らはいるのか。
Posted by
動物園の売店で働く女性が主人公の「チーター準備中」。ぬいぐるみを売ったり、園内を歩いたり。脱出訓練の様子が妙にリアルだった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
愛犬ベネディクト 妹に対するお兄ちゃんとおじいちゃんの静かで密やかなやさしさが好きです。 ベネディクトに対してもきちんと本物の犬と対峙しているように接し、妹は本当にそのドールハウスの中で生活しているのだ と信じさせてくれる振る舞いを自然にやってくれるところが最高。 彼女に、こんなふうに見守って寄り添ってくれる存在がいてよかった。
Posted by
静かな狂気を感じる短編集。 「いつも彼らはどこかに」は短編集のタイトル。作品はなし。 「彼ら」が、主人公たちを指すのかと思っていたけど、どうやら物語の所々に登場する生き物たちのことのようです。 好きなのは、「ビーバーの小枝」。
Posted by
直接「死」をテーマにしているわけではないのに,行間からほんのり「死」が漂ってくる。 物語の主人公たちは,このあと,どこへいってしまったのだろう?不思議な余韻の残る作品
Posted by