安部公房とはだれか の商品レビュー

木村陽子【著】

2013/10/26

作家としてだけでなく、表現者としての安部公房を読み解こうとする試みだ。
残念ながら、アベスタジオの作品を見たことがないので演劇人としての安部公房のことはよく分からない。戯曲作品は読んでるけど、何せ舞台を見ていない。
でも、小説と同じく前衛的であろうとしていたことを教えてくれる。一度見てみたいものだが、どこか再演をかけてくれないものだろうか。なかなかそうならないってことは・・・。
本文中、作品の評価は高いのに、舞台に客が入らない。若者から支持を得られなかった理由として、西武グループのバックアップを受けていたことがあげられていた。
当時の若者は、資本家と結びついていながら大衆演劇をうたうことを許さなかったようだ。
時代を感じる。