リヴィア の商品レビュー

ロレンスダレル【著】,藤井光【訳】

2020/02/09

前作とほぼ登場する人物は入れ替わっている。自らの創造物から電話がかかってくる、という表記あり、実際の人物を本にしたとかそういう単純なことじゃなさそうだし。正直、私自身が作者の毒牙というような麻酔にかかり、恍惚興奮し、足元おぼつかない感じで、内容の理解が困難。作者は既に死んでいて、雲の上から執筆し、登場人物は全員亡霊。もしくはゾンビ。生きて動いているけど、内面は腐敗している。生きる意志がないので、戦争が近づいてきても、恐怖などない、悲しみだけ。ただ魂だけはなんとしても何かに向かっているのか、違うのか。