天明の密偵 の商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/05/03

文庫に付された帯やカバーには「傑作歴史小説」と書いている。解説に歴史ミステリーとあったのだが、どこがミステリーだったのか、どうもしっくりこなかった。 読み終わったときに、少々すかされたように感じたのは、まず、ミステリーの件。 それから、田沼意次について、ステレオタイプというか、ど...

文庫に付された帯やカバーには「傑作歴史小説」と書いている。解説に歴史ミステリーとあったのだが、どこがミステリーだったのか、どうもしっくりこなかった。 読み終わったときに、少々すかされたように感じたのは、まず、ミステリーの件。 それから、田沼意次について、ステレオタイプというか、どうなんだろう?と思ったこと。 「小説菅江真澄」とカバーにあるが、「菅江真澄」となってからの部分がとても少ないこと。 松平定信と菅江真澄と、記述のバランスがどうも……ということ。 ということでしょうか。 さすが、中津さんと思わせる、膨大な史料をもとにした小説とは思います。上中下三冊で書いてもよいくらいのものを、一冊で書いてしまった、という感じがした。 というあたりで、ちょっと残念かな。

Posted byブクログ

2013/07/01

“小説”としての面白さに、「意外に知らない江戸時代の北海道」が活写されている興味深さが加わっている。「瑞々しい若さを持っているでもない年代に差し掛かった白井秀雄が、“志”を模索して、文字どおりに“模索の旅”をする」という様だ。何か、「飽くまでも“人生”は“投げて”はいけない…」と...

“小説”としての面白さに、「意外に知らない江戸時代の北海道」が活写されている興味深さが加わっている。「瑞々しい若さを持っているでもない年代に差し掛かった白井秀雄が、“志”を模索して、文字どおりに“模索の旅”をする」という様だ。何か、「飽くまでも“人生”は“投げて”はいけない…」と静かに、同時に力強く語り掛けられているような気になる。 色々な意味で好い!!

Posted byブクログ