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桃源郷で逢いましょう の商品レビュー

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官能ファンタジーに盛り込まれた本来のファンタジーが新鮮

現実性は乏しいのだが男の肉欲的理想というか妄想めいた世界を描く官能ファンタジーに、まるでおとぎ話のような昔話のような本来のファンタジー要素を盛り込んだアイデアに新味を感じた作品。女性ばかりの集落はタイトル通りの『桃源郷』だが、秘められた過去の現実にはもう1つの切ない意味がある。 ...

現実性は乏しいのだが男の肉欲的理想というか妄想めいた世界を描く官能ファンタジーに、まるでおとぎ話のような昔話のような本来のファンタジー要素を盛り込んだアイデアに新味を感じた作品。女性ばかりの集落はタイトル通りの『桃源郷』だが、秘められた過去の現実にはもう1つの切ない意味がある。 希望を失って旅に出た主人公(29歳)が辿り着いた集落で出会う淑やかな人妻(31歳)を主軸としながら、村の資産家の嫁というセレブ感と妖艶さのある熟女(36歳)や、その妹(20歳・生娘)といったヒロイン達がバランス良く配置されている。どの人妻も何らかの理由で夫が不在な状態や、どことなくズレた会話などを通じて主人公が感じる違和感を読み手も抱いていく。この辺りはちょっとしたミステリーっぽさもあって悪くない。何より良い意味で官能小説らしくないところに新鮮さがある。 ただし、情交描写は言うまでもなく官能小説らしい。むしろ、ストーリー展開においては男女の恋情とは別のところに物語の根幹があることから官能描写は開放的ですらある。一抹の恋心と肉欲と切なさの三乗効果が刹那に燃え盛り、当初の恥じらいから次第に大胆になっていく振り幅の大きさがダイナミックにいやらしい。積極的な振る舞いが一見無節操にも写る終盤の露天風呂での4Pは、ある意味で後腐れの無い関係を強いられるヒロイン達の最後の舞とも称せられる切なくも淫らな官能のクライマックスと言えよう。 少々毛色の異なる、ちょっぴり変わったファンタジー官能小説としておすすめしたい。

DSK